【CORECOLOR.JP】1冊3,000円の雑誌が独立系書店の顔に。本が売れない時代に挑む雑誌の可能性とは。『新百姓』編集長 おぼけんさん【シリーズ編集者の時代 第14回】

【インタビューさせていただきました】
これまでのライター人生で、1000人以上の人にお話を聞かせてもらっていると思うのですが、その中でも、この取材は生涯忘れられないものになると思いました。
私の人生100年時代の、後半50年の指針になるだろうと思えたからです。
『新百姓』という雑誌の編集長、おぼけんさんのインタビューです。
この出版大不況時代に、雑誌を新創刊すること自体が驚異的です。『新百姓』というタイトルなのに、農業の本ではない。哲学? の雑誌です。
どこが母体なのだろうとホームページを開くと、トップページにでかでかと「なぜ人類はいまだに毎日を遊んで暮らすことができないのか?」と書かれています。
この時代に、こんな雑誌が創刊するなんて。
この時代に、書店の一番目立つ場所にこの雑誌が平積みされているなんて。
そして、この時代に、この値段の雑誌が完売するなんて。
場所を変えて3時間の取材、そしてそのあと、トークイベントも聞きにいって2時間。多分、エネルギーを使ったのだと思います。この日、家に戻ったら、1.8キロ痩せていました。
その、静かで爆発的な興奮を、ライター仲間のまほちゃんがまとめてくれました。
コンテンツに関わるすべての方に読んでもらえたら嬉しいです。インタビュー記事も。『新百姓』も!
編集長のおぼけんさんは取材の日、テーブルにつくなり、友人から借りた0号を見て言いました。
「0号持っているんですね。もう、編集部にも1冊も在庫がないんです」。
創刊準備号は、いま、メルカリで2万円を超える値段がついています(完売しています)
そんな話から始まります。
Writer 仲 真穂
Editor 佐藤 友美