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僕たちはこの東京砂漠でヒットを重ねるのかホームランを狙うのか

ライターになってすぐのころ、かなりの密度でお仕事をご一緒してきた、Bivo PHASEのJUNさんと、CocoonのVANさん。

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先日お二人で呑んでいたらしく、そのときに、増田の話になって、今度は3人で、ということになったのだとか。そういうときに思い出してくれるだけで、すごおおく嬉しい。

 

で、話は変わるけど、というかあんま変わんないけど、

 

私たちが、20代の後半で、私は今より10倍くらい生意気で(想像してみてください・笑)、のし上がりたくてのし上がりたくて仕方なくて、最高に忙しくせわしなく働いていたころ。(当時は月に32本とか撮影したこともあった)

 

世の中にはヘアページがたっくさんあって、仕事も山のようにあった。そのヘアページでは、その雑誌のテイストの中で「外さない人」が重用されていたような気がする。美容師さんもライターも。

 

例えば、撮影にきてくれた100人のうち、いまいちだった10人が外れて、そのぶん新しい美容師さんにチャンスがまわる。1枚の写真が当たると、100人くらい集客できる時代だったから、みんな雑誌の仕事をしたかったし、外したくなかった。一度レギュラーを外れると、なかなか復帰は難しいから、大振りをせずに、しっかりとバットにあてて、打率をあげることが大事だった時代のように思う。

 

後輩のためにも、サロンのためにも「外さない」こと______。撮影現場に来る人たちは、何かとても重いものを背負っているようだったし、というか、実際背負っていたんだろうと思う。

 

私たちが30代になったころを境に、雑誌からヘアページがどんどん消えていった。ヘアページの人気が落ち、月に3本あったヘア企画が1本になり、2ヶ月に1回になっていった。

 

誌面に出れる美容師さんは、いっときの5分の1くらいになって、体数が少ない分、1体1体のクオリティや鮮度やオリジナリティが求められるようになったと思う。「外してもいいから。ホームランが欲しい」。突然そんなことを言われるようになって、みんな戸惑っただろうと思う。というか、私自身がそういう時代の変化についていくのに精一杯だった。

 

 

一方で_____

この頃、デビューして間もない若い世代の美容師さんたちは、そんな時代の空気の中で、羽がはえたように、自由な作品を作りはじめた。セーフかアウトかギリギリ(いやむしろアウト)の攻めたカラー。そこまで追い込むかっていうショートバング(え? マジ、これあり?)。彼らにとって撮影はそういうものだったし、時代は彼らを歓迎した。撮影現場はどんどん彼ら/彼女らのステージになっていった。

 

それまでコツコツヒットを重ね、長年その雑誌のチームを支えてきた中堅の美容師さんたちは、時にレギュラー交代を言い渡され、時に世代交代をつきつけられ。それは、美容師さんだけじゃない。私だって同じです。

 

________嗚呼、この東京砂漠w

 

だけど、プロってやっぱりそういうことだし、私たちだって、先輩たちを引きずり下ろして、この場所まできたんだから。時代の変化に合わせてどんどん変わっていかなきゃいけない。

 

これから私たちは、若い人たちより少しだけ経験がある分、よりきわどいところギリギリを狙って、自分にしかできない分野で自分の力を発揮していかなきゃならない。いかなきゃならないっつーか、そうでありたい。

 

その役回りは、ひょっとしたら毎試合バッターボックスに立つレギュラー選手ではないかもしれない。1回から完投する先発ピッチャーではないかもしれない。でも、ここぞというときに走れるように、ここぞというときに打席にたてるように、ここぞというときにリリーフできるように、いつもウォームアップしているんだ。

 

打席にたったら、すごいよ。だって、毎日毎日、打席にたったときは、こうしてやる、って思って過ごしてるんだから。(って、言ってみたい)

 

 

多分、私の(私たちの)すべき仕事は、その雑誌の「ど真ん中」のお仕事ではもうなくなっていて、自分たちの経験を生かした上で、その雑誌の(その時代の)端っこ(orてっぺん)を狙って、しかもそれを認めてもらえるような働きかけ。そうやって、自分たちの存在感をアピールしていく。アピールしながら、雑誌の幅を広げ、雑誌に(時代に、業界に)貢献していく。

 

そうやって生き残っていくしか多分ない。

 

________嗚呼、この東京砂漠www

 

 

私が、一緒にこの業界で育ってきた同世代の人たちとの関係をずっとずっとずーーーーと大事に思っているのは、例え職種が違っても、彼/彼女らと同じ時代をサバイバルしているから。

 

この人たちがグラウンドにいるうちは、私だって、この場所から降りたくない。

 

そのためには、昔と一緒じゃだめだ。いろんな工夫が必要だし、多分、昔以上に、大胆さと豪快さが必要だと思う。器用なだけでは渡っていけない。一度成功した方法にずっとしがみついてちゃ、いつかそれが古さになり、一番のウィークポイントになる。

 

うちらはいつまで走り続けるんだろう? 少なくても、私はその期限を決めてない。どうしてかっていうと、仲間が走っているうちは、私も走ると思うから。みんなもそうなんじゃないかな。きっと。

 

 

_______なんだかんだいって、わりと好き、この東京砂漠ww

 

 

 

今日3人で話したことを、赤裸々に書いてとVANさんにリクエストされたので、つつみかくさず書きました。

 

 

表参道という戦場で、上の背中はまだ見えず、下の突き上げは日々激しく。

毎日葛藤するアラフォー3人の物語はまだ続きます。

 
 

いい夜でした。心から尊敬する、最高の同志です(先輩だけど)。

ああ、今年もずっと頑張れそうだ。

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