寿命は自己責任か 『健康格差 あなたの寿命は社会が決める』(NHKスペシャル取材班)_021
どんなホラー小説よりも怖い、日本のリアルを読みました。
NHKスペシャルで特集された「健康格差」が、一冊の書籍にまとめられたもの。
ぼんやりと感じていた「高齢化社会」や「子どもの貧困」や「労働格差」のリアルが、数字の比較でくっきりはっきり描かれてて、ダースベーダーの暗黒面より闇の深いな未来について思いを馳せた年末であります。
でも
「知っている」ということは強さにつながるし
「知らない」ということは弱さにつながるから
絶対知っておいたほうがいい話だったと思います。
とりあえず、我が家では、この本を読み出した4日前から、ベジファーストをはじめました。
データ分析が大好き人間なので、4章までのあらゆる健康に関するデータの話も興味津々だったのですが、個人的にとても面白かったのは、5章。
「寿命は自己責任か」という命題に対して、
・Nスペのスタジオでの議論そのもの と
・それをどう解釈したかのディレクターさんの視点 が
ここから突然交錯しはじめて、暴れている感じが、生々しい。
ノンフィクションを書き起こすときの葛藤と興奮が、この5章(と、おわりに)にぎゅっとつまっていて、ライターとしてもいろいろ考えさせられる一冊でした。
ところで、
この本は、プロモーションの仕方も特徴的で
この書籍の発行元である講談社現代新書と、7つのWEB媒体が協力し、1章ずつ全文公開したのが話題になりました。
『革命のファンファーレ』でも紹介されていた、「媒体先をバラしてウェブで全文公開する」というこの手法、どんな販促効果があったのか、今度詳しく聞いてみたいです。
講談社
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