生産者と消費者の関係が変わる【読了】『だから、僕は農家をスターにする』「食べる通信」の挑戦(高橋博之さん)
2015年上半期の私のNO.1書籍は『人工知能は人間を超えるか』だったのですが
ひょっとして、この本は下半期NO.1かもしれない。まだ下半期はじまったばかりだけれど。
食材付き雑誌の「食べる通信」ができるまでと、それによって起こったイノベーションについて書かれています。
「食べる通信」が世の中に投下した大きな価値として
1)地方の生産者と都市の消費者をつなげたこと
2)つなげただけじゃなくて、その関係性をフィフティ・フィフティにしたこと(客は神様からの脱却)
3)東北での成功事例を、ものすごいスピードで全国に広げたこと(今後は世界展開も)
などがあると思います。
これらが、なぜ可能だったのか。その詳細がドキュメントされていました。
こういう自伝的な要素を含んだ社会起業的なドキュメントって、
よっぽど著者さんに思い入れがないとなかなか読み進めるの難しいと思うんだけれど
これは、ページ開いたら、全然止まれなかった。ものすっごい筆力。ぐいぐい引きこまれた。
そして、登場人物がすっごく多い本なんだだけれど、
全員がとてもまざまざとしていて、いきいきとしていて、全員お会いしたことがあるような気になった。
そして、そういういきいきとした描写(文章と写真)に支えられて、「東北食べる通信」を読んだ人たちは、生産者の方たちの食べ物への想いを追体験していったのだなあと、感じました。
そして、文章の熱量って、対象への愛の大きさと、まずは比例するなあと思いました。
ライターとしては、「くっそー。こんな文章を書ける人になりたいよ」
母としては、「『東北食べる通信』の順番待ちリストが長くて悲しい」
雑誌編集者としては、「手を抜かないって、ここまでやるってことか」
美容業界在住者としては「これができたサロンが、これから勝ち残るなあ」
読者としては、「手に汗握る時間をありがとうございました」
さとなおさん大絶賛の帯つき! 大絶賛の理由もよくわかります。究極のファンベース。
本間さん、紹介してくれてありがとう。
CCCメディアハウス
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