撮影って、お客様との思い出づくり
ブロッサムさんの撮影は、いつも、ドラマがある。
今日、撮影のモデルとしてお見えになった73歳のお客様は、黒のロザリオのネックレスをしていた。カメラマンのなかむが、素敵なネックレスですね、と言ったら、それまでずっと無口だったのに、「これはイギリスで買った100年前のヴィンテージなの」と嬉しそうに話してくれた。
昨日まで、光るネックレスにするか、この黒のロザリオにするか迷っていたんだそう。その言葉だけで、この撮影をどんなに楽しみにしてくださっていたのかがわかる。モニターに映った自分の写真を、20年前の私みたい! と少女みたいにはしゃぎながらご覧になっていた。
若いママのお客さまも来た。結構気合の入ったママで、「んだよー、こんなちゃんとした撮影なら、もっと良い服来てきたのにー」と、担当の美容師さんにぶーぶー文句を言っていた。聞くと、高校時代から通っているんだとか。
子どもは双子。
モニターに映っている自分の顔を見て「やだー、ほんとブス!」って言っていたのに、双子をあやしている写真を見たときは、「あ、いいね。これ」って、すごく嬉しそうな顔をした。ちょっと目を細めた感じとか、ほんと、優しい優しいママの顔。今度お店にいらしたときにプレゼントするから、まっててね。
前に一度ご夫婦で撮影に来てくださった61歳の喫茶店のママは、この間2度目の撮影にきてくれた。一瞬わからないくらい、激変してた。担当のスタイリストさんに聞いたら、あの撮影の後「目覚めちゃった」そうで2週間に1度サロンにいらしてヘアチェンジされるようになったのだとか。
着てらっしゃるお洋服もものすごくオシャレになっていた。61歳のデビュー、その瞬間に立ちあえたこと、何よりも嬉しい。
お客様の中には、撮影の後、ガンを再発されてしまった方がいた。髪が抜ける前のこの撮影の写真が、とてもいい記念になって感謝していると言ってくださったそうです。
そして、必ず克服して戻ってくるから、そしたらまた撮影してね、って。
お待ちしております。 そしてまたあの元気なトークで現場を盛り上げてください!
「可愛く撮れたからお見合い写真にしたい」っておっしゃったお嬢さんがいた。まんざらでもなさそうだった。
「素敵に撮れたから遺影にしたい」っておっしゃったおばあさまがいた。こちらもまんざらでもなさそうだった。
でも、お二人とも、これからも何度も何度もサロンに通ってください。もっともっと綺麗になって、まだまだいっぱい写真も撮りましょう。お見合い写真も遺影も何度も何度も撮りましょうね。
美容って、ほんとすごい仕事だ。
今日も、0歳から73歳まで撮影させていただきました。0歳とは0歳との、73歳とは73歳との物語ができる。
ブロッサムさんの撮影って、お客様との思い出づくりだ。そこに立ち合える私も幸せ。
明日はどんなドラマがあるかな。