その道のプロと一番差がつかないフォトシュート
先日、Tick-TockのSAYURIさんが、
ヘアメイクと美容師は収入源が撮影とサロンワークだもの、
レベルが違って当たり前
でも 感性は常に磨いておくべきだよね
というtweetをされていて(Facebookだったかも)
すごおおおおおおおおく、共感しました。
それで思い出したことがあったんだけど
やはり、どんな仕事もその道のプロがいて、美容師さんは美容師のプロだし、ヘアメイクさんはヘアメイクのプロだし、カメラマンさんはカメラマンのプロ。
どんなに撮影がうまい美容師さんだって、プロのカメラマンの中に入ったとしたら、食べていける人はほとんどいないと思う。見る人が見たら、その写真の差は、Doubleの山下さんのヘアスタイルと、デビュー1年目のスタイリストさんのヘアスタイルくらい差があったりすると思います。
これは、純粋に撮影技術の上手い下手の問題で、その仕事で飯を食っている人かどうかの違い。
美容師さんが365日、お客様をカットで可愛く美しくすることを考えているように、カメラマンさんはモデルさんをいかに可愛く美しく撮るかを365日考えている。純粋に仕事の違い。カメラマンさんにハサミを持たせて上手に切れるわけじゃないのと同じです。
ただ、その写真が面白いかどうかという話になると、話は違ってくる。素人のほうが面白い写真を撮る可能性はあるし、実際に、そのような、プロのカメラマンでは絶対撮れないような面白い写真を撮られる美容師さんもいます。例えば、switchの隈本さんとか。
じゃあ、どういう撮影がいちばんプロと差がつきにくいかと、私は、大きくわけて3つあると思っていて
1)特別な機材を使わない場合
2)モデルさんへの愛が強い場合
3)ハプニング的なシーンを切り取る場合
だと思ってます(今日、思いついた分はとりあえず3つ)
1)について
特別な機材を使わないというのは、例えば、一眼レフを使わない。スタジオで撮影しない。ストロボを使わないなど。
外(もしくは自然光が入る室内)でスマホで撮影するのが、一番プロとの差がつかないですね。特別な機材を使うほど、その道のプロとは差が出ます。そりゃそうです。相手はそれでご飯食べてるんだもの。
2)について
これは、皆さんお気づきだと思うけれど、父親や母親が撮る娘&息子の写真は、どんなプロが撮る写真よりも可愛いです。これは執念です。可愛い表情が撮れるまでは粘るという執念。そして「この子はもっと可愛いはず。もっと可愛い角度が(表情が)あるはず」という素晴らしき思い込み。
これにまさる写真はないですね。それと同じです。素人が撮る写真がプロを超えるときって、対象への愛があふれているときが多いと思う。
switchの隈本さんだって、switchのお客様を撮影するときは信じられないくらい可愛い写真を撮るけれど、東京に来てもらって、サロンモデルさんを撮ってもらったときは、びっくりするほど普通だった。本人もおっしゃっていただけれど、やはり、普段、技術で撮っているからじゃなくて愛情で撮影しているからだと思う。
3)について
これはアレです。例えば、事故や事件の決定的瞬間を(たまたま)おさえられた場合は、それがどんなに荒い画像でも価値がある。
このことは、テレビ時代にずいぶん教えられました。
テレビ撮影の歴史の中で、完全にターニングポイントになった番組があります。それは「電波少年」。
あの番組は、「美しい映像が価値が高い」という概念を覆しました。ホームカメラで、しかも真っ暗で撮れているか撮れていないかわからないような秘境の映像を放送した番組がアレが初めてだったと言われています。
そして、あの番組が教えてくれたのは(というかあの番組が起こした革命は)、「面白いハプニング(事象)が撮影されていたら、それは、高精度の画像じゃなくても全く問題ない」ということでした。これは、本当に大きな転換点でした。
つまり、人が驚くような(感動するような)真実が映っている画像であれば、プロのカメラマンが撮影したものでも、素人が撮影したものでも、関係ないということです。
この考え方も、サロンのフォトにも、ヒントになることあるような気がした。美容師さんじゃなきゃ撮れない決定的瞬間って何でしょうか?
SAYURIさんのtweetから、いろいろふわふわ思考しました。
次は、「その道のプロ(表参道の撮影いっぱいやってる美容師さん)と一番差がつかないヘアスタイル写真」について書きます。