美容師さんの代わりに読む本【電子書籍時代になったら雑誌は無くなるの?】
さてさて。唐突に始まりました。
忙しい美容師さんの代わりに本を読んで
さくっと概要をお伝えする
その名も「びよかわ(美容代わ)」の時間です。
皆さん、こんにちは。ライターの増田です。
最近、美容師さんたちから、
電子書籍の時代になったら、雑誌はなくなるのですか?
というようなことを立て続けに聞かれました。
さて、どうでしょう。
そんな目線で読んだ電子書籍に関する入門書を3冊ご紹介します。
この本は売れに売れた(まだ売れてる)1冊です。
まず、この本自体が、紙の書籍では1155円だったの対して、
電子書籍版の場合は期間限定で110円でダウンロード可能というのも
話題性を集めました
さてその内容ですが
1)
アメリカのメディアで起こったことは3年後に日本で起こる。3年以内に日本でも電子書籍の衝撃が走るんじゃないかな
2)
でも、日本の出版業界は著者と契約書を交わしていないケースが多いのと、再販制(古本以外は同じ値段で売らないといけない)が守られているので、アメリカより整備に時間がかかりそうよ。
3)
「書籍と電子書籍」の関係は、「CDとiTunesでDLできる音楽」のような関係性。小説や一続きの書籍などは別として、それ以外の書籍や雑誌は、章ごと(企画ごと)に販売なんてこともあるかも。(私としては、全雑誌のヘアページだけが買えればそれが嬉しいなあ)
4)
書籍のダウンロードが当たり前になると、古い本も新しい本も同じ土俵に並ぶので、実は既に売れている有名作家さんが圧倒的に有利。本屋みたいにぶらぶら歩いているうちになんか気になって買っちゃうみたいなこともおこりにくいでしょ。セルフパブリッシング(自分で本をつくって売る)も可能になるけど、みんながとびつくようなベストセラーにするのは難しいんじゃない?
5)
出版社や新聞社の人間は頭が固いし、電子書籍にすっごく嫌悪感があるんだよね。時代遅れもいいところ。だから、電子書籍がスタンダードになったら、出版社や新聞社の人間は生き残れないかもよ。
ってな感じでした。
全体を通して、かなりセンセーショナルなテンションで書かれています。
ただ、電子書籍に関して1冊だけ読むとしたら、この本はとてもわかりやすくていいかも。
文字いっぱいだけど、面白い具体例がいっぱいなので、結構すらすら読めちゃいます。
ただ、ここに書かれていることはかなり極論であったりもするので、
他の情報も合わせてチェックしたほうがいいかなあと思います。
電子書籍の衝撃
【衝撃度】 ★★★★☆
【興奮度】 ★★★★☆
【お役立ち度】 ★★★★★
他にも2冊良書を。
これは複数の著者さんで書かれているだけあって、
あまり情報が偏っていないのがポイントです。
1)
『電子書籍の衝撃』を読んだだけだと、
「え? 日本の新聞社や出版社の人たちって馬鹿なの?」と思ってしまいがちですが
こちらを読むと、「まあ、やっぱ、そんなことはないよねえ」。
みんなちゃんと考えてるよねぇ、そりゃあ。という感じになります。
2)
「カラクリがわかる」と書いているけれど、
電子書籍の流通や仕組みについてはやや説明が荒く、事前知識がないとちょっと難しく感じるかも。
【公平度】 ★★★★☆
【難易度】 ★★★★☆
【お役立ち度】★★★☆☆
これは、「印税70%時代に何が起こるか」という帯にひかれて買っちゃいました。
結局、印税70%は実現しないという内容です。
実際に電子書籍でビジネスをしようと思う人だったら、
これを読むと納得度高いと思います。
『電子書籍の衝撃』と一番違うところは
1)
音楽と書籍は違う。だから、
電子書籍はiTunesのときのような爆発的普及にはならない
2)
作家が自分1人で電子書籍を出版する(印税を70%とる)というのはほとんど無理
なぜなら、DTP技術やオーサリング技術などが必要で
編集や校閲の目を通るということも良書が生まれるには必要だから。
なので、その分の人件費は確実にかかるからね。
3)
そして、電子書籍って、紙の書籍より安く売らないと売れないよね
紙の書籍だったら初版部数の印税は最低でももらえるけれど
電子書籍は売れないと1円も儲からないでしょ。
パソコン上に大量の本が並んだ場合、無名の新人の本が多くの人に知ってもらうのも難しいよね。
という部分です。
これはとても冷静な分析で、うっかりセルフパブリッシングしちゃえと思った人も
思いとどまれる1冊です(笑)
【冷静度】 ★★★★☆
【興奮度】 ★☆☆☆☆
【お役立ち度】★★★☆☆
そんなこんなで
今回の「びよかわ」は電子書籍について書きました。
結論から言うと
紙に印刷された雑誌の部数は減るかもしれないけれど
結局雑誌が電子書籍になったとしても
同じように撮影はしなくちゃいけないし(コンテンツをつくらなくてはいけないし)
人目に触れなくては意味がないというのは同じなので
雑誌に関しては大きな変化は起こりにくいと思います
ただ、電子雑誌になった場合、
動画が組み込まれたり、コンテンツ(企画)ごとに買えたりするような可能性はあるかもですね。
ではでは。
そんなでした。