仕事の優先順位
先日、伝説の男がこんなことをつぶやいていた。
目的がある場合、やることリストよりも、やらんことリストの方がやっぱし大事やと思う。
うんうん。そうそう。
「やらんことリスト」を作るというのは、実は、私のようなフリーランスではすごく大事だと思っていて、それはつまり、ひらたくいうと、
仕事の優先順位を決めるということ。
私の場合、仕事の優先順位の決め方はすごく単純で、世界中でその仕事に関して考えている人の「頭数が少ないもの」を優先します。
売れているものよりは売れていないもの。オシャレで誰もがやりたがる仕事よりは(まだ現状)ダサくて誰もやりたがらないもの。始まっているものよりは、まだ始まってすらいないもの。日本で1万人がやりたいと思っている仕事よりは、私がやらなかったらその仕事自体存在しなくなるような人気のないもの。
そういう「頭数が少ないもの」というと、若い頃だと、ほとんど「人がやりたがらないこと」とイコールでした。
例えば、ギャラが少ないもの。部数が少ないもの。納期がぎりぎりのもの。まだ形にすらなってないもの。途中でとぶかもしれない企画。そんなものばかり。
若いころは、そんな仕事ばかりをやっていました。なんでかっていうと、そういう仕事って、やるだけで喜んでもらえるんですよね。私、人に喜ばれるの大好き。おだてられたら、なんでもやります。ライターになるのが遅かった私だから、何か役に立つことやれないと仕事自体こないしね。
そして、そういう仕事のうちのほとんどは人の記憶に残らないような仕事になったり、結局仕事にすらならなかったりしました。でも、そのうちのほんのいくつかは、面白い企画に化けたりして「増田と言えばアレ」と言われるような、人の記憶に残るものになったりもした。
そうこうして仕事を続けるうちに、私の仕事の優先順位は変わってないんだけどだんだん、この「頭数が少ないもの」の意味合いが変わってきました。
例えば、日本にまだないもの。未知数のチャレンジ。企画自体を練らせてもらえる仕事。プロジェクト自体を誕生させて始めるスタートアップ。
真っ白い雪道に足跡を残すような仕事。
最初はまだうまく歩けないからずぼずぼハマってよれよれなんだけど、でもそれでも、最初に踏み出すことは楽しい。
今年も、私以外、あまり誰も真剣に考えていないような「頭数が少ないもの」について、地味に地道にやっていこうと思います。