第2回JBCA全国大会 増田ゆみ個人的感想・その1
昨日の第2回JBCA(日本ビューティコーディネート協会)全国大会。
昨年に続いて審査員として参加させていただきました。
(昨年のブログはこちら)
昨年と同じメンバーの審査員の皆様、全員が口を揃えて「ものすごいレベルアップ」と言われていた今回の大会。
私自身も、一年でここまで進化してしまうものなのかと、皆さんの毎日の取り組み、そしてこの全国大会への準備を想い、何度も胸が熱くなりました。
ここからは気づいたことを箇条書きに。
2100人もの人が会場に集まった全国大会。3年前から、「美容業界に必要な取り組み」と、多くの人に何度も同じ話を繰り返してらしたであろう、小林理事長。三階席までいっぱいのホールでの開会宣言は、想いも格別だったのではないかと感じます。
「やり方ではなく、あり方が大事」という小林さんの言葉は、このあとのプレゼンでも、何度も感じたことであり、この大会の本質そのものだったように思います。
ビューティコーディネーターさんの仕事が、どんどん本質的なものとして、進化、深化しているのだと感じます。
予選に参加されたサロンには、3度のミステリーショッパー(覆面調査)が入り、その平均点で全国大会への出場が決まるそう。
全国平均が172.6点。参加サロンの平均点が192.7点なので、本当に高いレベルの争い。
昨年全国大会でグランプリ、準グランプリだったサロンですら今大会に出場できなかったわけで、予選を通り抜けること自体の厳しさと、ここに集まったサロンさんがいかにお客様に高い支持を得てるかがわかります。
ミステリーショッパーの平均点の差以上にすごいと思ったのは、
こちら。
ビューティコーディネーターの対応がないときの「必ずまた来たい」率は39.6%、ビューティコーディネーターの対応が良かったときの「必ずまた来たい」率は58.7%、そして、今回の全国大会に出られた12サロンさんの、「必ずまた来たい」率はなんと91.7%!
ビューティコーディネーターが、お客様の再来に強い力を発揮していることがわかります。
さて、いよいよ審査開始です。
左にアフロート宮村さん、右に髪書房の千葉社長。
私がここで審査させていただくことに身を引き締めながら、プレゼンを聴きます。
トップバッターは、RTさん。
今年は初のトータルビューティサロンのスタートもあり、ビューティコーディネーターさんの存在価値がぐっと大きくなった一年だったのではないでしょうか。
産休中のスタッフの失客を、ビューティコーディネーターの介在で10%近く減らすことができたという発表は、とても興味深かったです。どんなお声かけや取り組みをされてそのような効果が得られたのかも是非聴きたかったー。
産休中、育児休暇中(それ以外でも長期休暇)のスタイリストさんの顧客をサロンにつなぎとめる、また、異動するスタイリストの顧客を離脱させないことは、どのサロンにとっても大きな課題だと感じます。そこにビューティコーディネーターさんが介在することで、失客を減らせるとしたら、とても大きな仕事のひとつと言えると思います。
女性スタッフ、ママスタッフの活躍が目覚しいRTのビューティコーディネーターさんの取り組み、これからも注目ですね!
二番目はSARAさん。
昨年は舞台上で小芝居して、会場を笑わせてくれたんですが、、、
今回も登場は吉本新喜劇の音楽にのせて(笑)。まさかの小芝居リベンジか? と、思いきや、そのノリは登場シーンのみ。会場を圧倒する、内容盛りだくさん、密度の濃いプレゼンでした。
心に残ったのは、スタイリストさんのコメント。ビューティコーディネーターさんの存在が、スタイリストさんにとってどんな存在なのか、という発表。
等身大の言葉で語られる言葉の一つ一つに、ビューティコーディネーターさんが、SARAのスタッフさんにとって不可欠な存在になっていることを感じました。
ヘアサロンでは、お客さまの未来をデザインしなくてはいけない、という言葉も印象的でした。
ちょっとプレゼンが濃密でスピーディだったので、全部が消化しきれなかった部分もあったのですが、早口でもとても聴きやすいプレゼンで、おそらく相当の練習を積まれたのだろうことが感じられました。
昨年、悔しい思いをしたであろう河野さん。一身に背負ったプレッシャーの中でのプレゼンは、本当に心に迫るものがありました。全国のビューティコーディネーターを引っ張ってこられた河野さん、そして、SARAの皆さん、グランプリ、心から、おめでとうございます!
三番目はスローガーデンさん。
その日の夜、一緒にご飯を食べた東京のあるサロンのビューティコーディネーターさんは、こちらのスローガーデンさんのプレゼンが一番心に響いたと言ってました。
私も、とても気持ちよく、楽しくきかせていただきました。
自分の言葉で丁寧に想いを語ってる、という感じのプレゼンからは、きっと普段もお客さまに対してこのように、誠実な自分の言葉で語ってらっしゃるんだろうなという印象を受けました。
ロイヤルカスタマーは、金額ではなく、信頼関係の強さを基準にするとおっしゃっていましたが、その信頼関係を、サロンではどのように定義して、どう共有してらっしゃるのかも、お伺いしてみたかったです。
四番目はカオスさん(スニップスさん)。
オリジナルな取り組みと新しい発見が多いプレゼンでした。
次回予約率をあげて、キャンセル率が高くなるようなら、何のための次回予約? という提言は、今回参加した、全サロンさんの頭にビビっときたのではないでしょうか。私もです。
その解決法が、スニップスさんのオリジナルのマトリクスとひもづいているというのも、一朝一夕では作り得ないオンリーワンの教育を感じました。
もともとデザインを通してお客さまにしっかり向き合ってきたからこその分析と分類が、そのまま、ビューティコーディネーターさんのあり方ともリンクしているし、一貫しているのでしょう。
カオスは、毎回デザインチェンジを楽しむお客さまがターゲットだから、カルテは作らないという部分も、サロンの在り方に合わせたビューティコーディネーターの在り方という面で、とても筋が通ったプレゼンでした。おそらく、スニップスの他の店舗では、ビューティコーディネーターさんの動きも違うんだろうと、想像されます。
デザインとコンセプトと、だからこそのビューティコーディネーター。その、一本ピシッと筋が通ってる感じ。
やり方はすぐ真似できないことばかりだと思いましたが、その在り方は、普遍的で、すべてのサロンさんの参考になると感じました。
五番目のプレゼンは、東北ブロック代表のソファーさん。
こちらは、専任のビューティコーディネーターがお一人とのことで、多くのサロンさんにとって、身近な見本としてうつったのではないでしょうか。
ところで、プレゼン最後の、ビューティコーディネーターのスキルの向上が、美容師力の低下につながっていませんか?という問いかけには、一瞬会場がざわめきました。
もっとその件、詳しく聴きたかった方も多かったのでは。私もその1人です。
ソファーさんのプレゼンは、そのあとの懇親会でもたびたび話題になっていて、ビューティコーディネーターさんと美容師さんが相互に働きかける関係性について、あらためて考えさせられる問題提起となったのではないでしょうか。
前半最後のプレゼンは、ボリスビアンさん。
アットホームな雰囲気のサロンさんで、こちらもビューティコーディネーターさんが一名のサロンさん。こちらも、多くのサロンさんにとって、とてもリアリティのあるサロン構成だったのではないでしょうか。
ビューティコーディネーターの羽野さんの存在とホスピタリティがとても際立ってらっしゃいました。けして、前に前に出られるタイプには見えませんでしたが、スタッフやお客さまにそっと寄り添っていらっしゃる感じがして、とても素敵でした。
サロンにとって、お客さまにとって、かけがえのない存在なんだろうなということが、10分のプレゼンだけでもしっかり伝わってきました。
これからビューティコーディネーターを育てて行こうとされているサロンさん、サロンで今は孤軍奮闘されているビューティコーディネーターさんにとっても、こんなビューティコーディネーターさんを目指して欲しい(目指したい)という姿だったのではないかと感じました。
ここまでで前半のプレゼン終了です。長くなってきたので、後半は、新幹線の中でのちほどアップします!
→続きはこちら