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建築家の平田晃久さん、HAZAMA会に降臨

昨夜のHAZAMA会。世界的に活躍される建築家の平田晃久さんのお話を11名の美容師さんたちと一緒に聞くという、なんとも贅沢な時間だった。「なぜ、こんな有名な方とお知り合いなんですか?」と、VANさんに聞かれたけれど、実は、夫が平田さんの事務所ではたらいています。そのご縁で何度か平田さんの設計した建築を拝見させてもらっていた私。

 

私にとっても、昨夜はとても刺激的な時間だったので、ここで感じたことをランダムなんだけど、書き残しておきます。

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建築とヘアデザイン。対象は全く違うのだけれどその考えの根幹は共通点も大変多く勉強になった。地形や与条件、施主の要望など、毎回条件が違うから、同じデザインはひとつもない。これは同じレングスでも髪質や顔型、目指す方向性によって切り方やデザインの構成が変わる美容の仕事ととても似ている。

 

興味深かったのは、平田さんが「表面的な見え方の違いにはそこまでこだわりません。大事なのは、そこに至る考え方と、その建築の使われ方」とおっしゃったこと。これまた美容の考え方と重ね合わせられる。

 

「施主や使用者にとって選択肢を与えられる考え方を作り出すことこそが、幸せ」という言葉もとてもなるほどと、伺った。「自分の個性というのはとてもちっぽけなもので、それにこだわるよりは、もっとたくさんの人に受け継ぎ伝えられる豊かな建築の考え方を発見したい」とも。

 

発見、とか、見つける、という言葉を平田さんはよく使ってらして、つまり「既にそこにあるはずなのに、誰も気づいていないことを見いだしたい」という欲求が創作を支えているように感じた。それはあとの質問タイムで分かったことなのだけれど、もともと科学者になりたいと思っていたことと密接な関係。

 

「後世に残る建築の考え方」という視点はとても興味深かった。ヘアデザインは建築よりも寿命が短いけれど「後世に受け継がれるデザインの考え方」というものは、ヘアデザインでも構築されうるし、構築されてきた。歴史に残るヘアデザインというのは、そのカタチだけではなく考え方にも価値がある。

 

最後に大石ちゃんが直接質問していたのが「建築の賞の評価基準はどのようなものなのか?」という質問だったのだけれど、それに対して平田さんは「未来に影響を与える考え方の元にデザインされた設計だということを評価している(と思いたい)」というようなことを答えてらした。つまり将来性への評価。

 

未来に影響を与えるであろうデザインという視点での評価というのは、とてもおもしろい考え方だなあと思ったけれど、でもよくよく考えると、ヘアデザインの賞などもそのような目線で選ばれている審査員さんもいらっしゃるなあと思い当たった。

 

複雑な建築の構造を、わかりやすく、魅力的に、こんな場所に住んでみたいと思わせるプレゼンは、恐らく建築が(特に公共建築は)「世に開かれたもの」でなくてはいけないからであろうと思う。デザイナーである美容師さんたちのほうが、すんなり感性的にも論理的にも理解・共感されていたようだった。

 

逆に、同じデザインに関わる仕事でも、美容師さんと建築家さんの大きな違いとしては「デザインの伝達」に対する必要性の差があると感じた。スタイリストデビューしてからも(基本的には)一緒にサロンを作り上げていく美容業界と、デビュー=独立となる建築業界。

 

そして、最後に。デザインって、こんなに考え考え抜かれて生み出されるものなのだなあということに対する畏怖。これが昨夜の一番の感想です。とにかく、エキサイティングな夜でした。

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