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エロスとカオスの耳鼻咽喉科

のどが痛くて咳がとまらず
たまらんくてネットで耳鼻咽喉科を探した。
今日は〆切前の原稿が山積みだし、かつ私の大の病院嫌いを考えると、一大決心っす。

 

ところが、耳鼻咽喉科って、水曜休みのところ多いのね。
新しくて口コミ評判もよい最寄り4件は全滅。
仕方ないので、内科その他いろいろを持っている、個人医院を訪ねた。
口コミを見たら「六本木とは思えない内装だけど安心感はあります」と書いてあった。
ホームページを見たら「(最近の医療現場は)最新の知識にこだわるあまり、かえって患者さんの健康を損ねる場合もあります」と院長の言葉がかかれていた。
内観写真は、小学生の頃、かーちゃんが通っていた田舎の整骨院みたいな雰囲気。
ひょっとしたら、近代医学を否定するポリシーの病院なのか?
一抹の不安を感じるも・・・とにかくのど痛かったので、
背に腹はかえられず、電話してみた。

 

そうして、私の「エロスとカオスの耳鼻咽喉科」物語がはじまった・・・


さて、六本木のど真ん中にあるビルの2階。
まず、診療所の入り口でビビる。ここ? で、いいんだよね?

おそるおそる中に入る。

 

すげー。

 

昭和40~50年代の日本の病院の姿を後世に伝えるための
博物館かロケセットかと思いました。

すごいレトロ。
受付のテーブルには女性自身(最新号)と週間女性(2009年12月24日号)とセレブゴシップと
エロ漫画が置かれている。
病院で看護婦がなんとかでいやん、あっはん♥ みたいな小見出しが踊っておりました。

 

待ち合いには誰もいないのに、結構待たされたあと、
男の子とそのお母さんが診察室から出てきて、代わりに私が診察室に呼ばれる。
そっか、おじーちゃん先生、一人でやってるのか。

 

さて診察

 

「3日前からのどが痛くて、昨夜からは咳も出て、眠れないくらいなのです」と伝えたら
ひと呼吸置いて
「のどはいつから痛いのですか?」
と聞かれる。
「? 3日前からです」
先生
「え?」

「3日前からですっっ!!(大声)げほげほ」

 

おじーちゃん先生は、どうやら、お耳が遠いらしい。
ちらっと耳を確認すると、補聴器が見えた。
もう一度、ゆっくり大きな声で
「のどが痛くなったのは3日前。咳は昨夜からひどいんですーーー」と
おそらく待合室まで聞こえるくらいの大声で伝える。

ぜえぜえ。

 

のどが痛いから来てるんだよ、声出すのも辛いんだよ私。

 

先生「痰は出ますか?」
私「いいえ」
先生「熱っぽさは?」
私「いいえ」
先生「頭痛は?」
私「あ、頭は痛いです」
先生「じゃあのどの痛みだけなんですね」
「いえ、頭は痛いですよーーー(大声)」

 

というドリフのコントのような診察が済み、
ところで、私の視界の端にうつっている
診察室のコンピューターのヤフオクでなにかを落札している、まったく医療とは関係なさそうな、この小汚い格好のおっさんは誰? と、
つっこむ元気すらなく処置室にうつされる

 

処置室・・・

これまたすごい。

 

リリーフランキー
東京タワー  オカンとボクと、時々、オトン
もしくは
3丁目の夕日の世界です

 

この、じゃらじゃらっとひとまとめに入っている器具達・・・。
すごいカオス。
消毒とか・・・ぜったいしてなさそうだなあ。。。

 

先生「はい。大きく口をあけてー 声出して」
私「あ"ーーーーーー」
先生「(器具を持って口にむけ)はい。もう一度。大きく口あけて」
私「あ"ーーーーーー」
先生「・・・・・・・・・・・・あれ????」

 

おそらく薬がぷしゅーっと吹き出す予定だったんだよね。
のどちんこにむかって(お下品でスミマセン)

 

でも、何度器具を押しても薬は出ず。
「あれー? つまってるのかなあ。薬の粘度が高いからかなあ。なんかつまってるよコレ」と、先生。

 

んだもんで、先生、書類山積みになった本棚の下から小さなお菓子箱を出し
その中から取り出したプラスチックで、器具の噴射穴部分をシーハーしはじめた。
つまようじで器具の先をつついているようなその姿に、もちろん不安はMAXだよ。
その間
「あの、飲み薬だけ処方していただくことはできませんか?」
「あの、私ののどの痛みは、風邪からきているんでしょうか?」と
めちゃんこ近い位置(私たちは対面している)で、大きめの声で二度話しかけたけど、完全スルー。
耳が遠いのはいいとして、おいっ! 目も遠いのか???
ひょっとして、今、作業に夢中で、私にピントがあってないのかもしれない。

針の穴に糸を通すような作業を老眼の先生がやっているものだから
時間ばかりがたっていく
「あのー、私、変わりましょうか?」とも言えず、待つこと数分。

 

で、数分後に顔をあげた先生は、意を決した表情で
「スミマセン、後で治しておきます」と毅然と宣言し
(後って? 後っていつ? 私が帰った後?・・・www)
「じゃあ、薬を出しましょう。お大事に」と、突然治療はEXITされた。

 

治療されるのが不安だったので、ほっとしたような、
しかしここに私は何しにきたんだか?というような複雑な女心よ。

 

お会計を待つ間、待ち合いのソファに座ると
さっき、ヤフオクをやってたおっさんが、大きなリュックを背負って診察室を出てきた。
受付のおねーちゃんに「じゃあ、頑張ってね」と激励され
「うん」と小さくこたえて出て行ったけれど。
かえすがえすも、おめーは一体誰だよ!!!??? これから一体何を頑張るんだよ?
下に目線を落とすと、
巫女さんが、そんな姿でああ、そんなうっふん♥
みたいな、エロ漫画の小見出しが目に入る。
隣では、国籍不明のカップルが「漫画世にも怖いものがたり」を一緒に読んでいた。
おっさんが忘れ物をしたらしく、もう一度診療所に戻ってきて
やはりもう一度受け付けのおねーちゃんに「じゃあ、頑張ってね」と激励され
「うん」と小さくこたえて出ていったよ。

 

名前を呼ばれて、パチンコの景品交換の窓口みたいな受付窓のところにいったら、
そのおねーちゃんが、窓口の向こうで、ちょっと申し訳なさそうに
「3700円になります。スミマセン」と、言ってきた。
病院でお金を請求されるときに「スミマセン」と言われたのは初めてです。
どこまでが診察料でどこまでが薬代? と思ったけれど
領収書に 初診料270点 医学管理等10点 投薬302点と書いてあった。
医学管理費って・・・www お願い。いろいろ管理してね。
5000円札を景品交換ボックス的小窓の下差し入れ口に入れたら
おねーちゃんは、部屋の中から出てきておつりをくれたよ。
一体、どんなシステムだよ!www

 

大量の飲み薬を持たされ、診療所を去り、外に出たら
いろいろ驚きすぎたせいか、咳がとまってたよ。
てか、そういう治療法なのか? まさか。

 

とにもかくにも、
エロスとカオスのある耳鼻咽喉科。
アクセスは六本木の青山ブックセンターの上。超オシャレスポット。
絶賛脱力系診療中です。
気になる方は是非。
内科もアルヨ!

 

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