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私たちっていったい何様のつもりですかね?

Twitterでこんなつぶやきをしました

最近、一般誌のライターや編集さんの高飛車具合に頭にくるという美容師さんからの言葉を立て続けに聞きました。撮影4日前アポとか、「うちに出してやってんだ」態度とか。いまどき雑誌やヘアカタに出たからって集客できるような時代でもないのに、いまだに偉そーに仕事している媒体とか驚く。

 

ヘアメイクさん代わりに美容師さんをこきつかって(ヘア提案ページじゃなくて、アレンジページ)、モデルも用意させ、営業切ってもらい、ギャラも出さず、オファーも数日前とか、あり得ない。けど、よく聞く。

 

このつぶやきに、ずいぶん反響があったので、
(DMでの反響が大きかったです。皆さん、TLでは言いにくいんでしょう)
ブログでは、そのあたりをもう少し考察してみたいと思う。

 

私がライターになった10年前、
世の中はカリスマ美容師ブームで、
雑誌にはヘアページがあふれ、どこもかしこも、「ヘア企画をやれば売れる」という時代でした。

人気美容師さんのスケジュールは争奪戦だったし、
この機会をのがさず、雑誌を使って有名になりたい若手スタイリストさんたちもたくさんいた。

 

編集部には美容師さんからの売り込みが殺到していたし、
この時期、
雑誌に可愛い写真が1枚掲載されたら、
そのページで200人、300人の集客があったなどという話も
珍しくなかった。
私たちも、「雑誌に出たい人は山ほどいるんだから、もっと可愛いスタイルつくってよ」という感じだったし
美容師さん側も、たった1枚の写真で、売り上げが数百万円変わったりするから、必死だったと思う。
ある意味(それが良いかどうかはさておき)「持ちつ持たれつ」が成立していた時代だったかも。

 

時が過ぎて2010年。

 

見事な出版不況で、雑誌の部数は落ち、
同じようなヘアデザインが巷にあふれ、
読者はそんな雑誌に飽き飽きし、
雑誌よりもクオリティの高い、ヘアサイトやサロンサイトが増えた。
反響もぐっと落ち、
販売部数ではベスト5に入るような雑誌ですら、
「1年間、毎月ずっと出続けて、一番ヒットした髪型が集客2人」なんて話も聞いた。

 

もちろん、雑誌に出ることは、集客だけが目的じゃないだろうし、
サロンのブランディグに役立ったり、
お客様が喜んでくれたり
リクルートに役立ったり
若手スタッフの目標設定にしやすかったり
クリエイティブな感性が磨かれたりと
メリットはイロイロあると思う。

 

ホームページでの集客が増えたとは言っても、
なぜ、そのホームページにたどり着いたかというと、入り口は雑誌だったりするから
やっぱり、露出は減らしたくないというのが本音だと思う。

 

でも、
「宣伝してあげてるんだから、もちろんタダで出てくれますよね」というスタンスの一般誌において
集客がほとんどない(宣伝効果がない)以上、
以前より、冷めた目線で雑誌を見ている美容師さんが増えているもの事実。

 

何人ものお客様をお断りするデメリットと、
1日十万以上の売り上げを捨てるデメリットと、
それでも露出を続けるメリットを天秤にかけて
なんとかギリギリ、まだメリットのほうが少し多いか、トントンかなって感じで、
みなさん、撮影を選んでくださっているのが現状で。
「できれば、もう、やりたくないんだよな」と思われている
雑誌やヘアカタもたくさんあるだろう。

 

私たち編集やライターも、
美容師さんたちが、いいページを作るために
雑誌に「出てくれている」、「協力してくれている」んだという意識を、
もっと、もたないといけないと思う。
それは、
「すいませんねえ、あんまり売れてなくて」と
卑屈になるとか、下手に出るとか、そういうことじゃなくて
自分がやっている雑誌に誇りを持ちながら
「たくさんの女性のパワーになるようないいページを作りたいのですが、
ご協力していただけますでしょうか」という、
当たり前の姿勢を持っているだけでいいと思うんだけど。

 

「うちの雑誌に出してやってんだから」
「スケジュール都合つけなさいよ」的な、編集やライターの態度って
本当に時代錯誤だなあと思う。
(いや、本当は、反響があった時代でも全然良くない態度だったんだけど・大反省)

 

もちろん、そんな理不尽な言われ方をしても
その場ではにっこり笑って、有難くお仕事、引き受けて、
後で悔やんでいる美容師さんにも、やはり責任はある。
クレームもつけず、毎回言いなりで引き受けている以上は、
文句を言う立場でもないんじゃない? とも、正直思う。
どちらもどちらという、悪循環。

 

当然、私自身だって、いろいろ気をつけなきゃいけないことがたくさんあるし
おめーは何様だよ、って常に思いながら
仕事をしていかなきゃいけないという、自戒をこめて書きました。

と、書いているうちに、よく誌面に出ていらっしゃる
大先輩の美容師さんからのTweetがありました。

 

「どちらが偉いとか、強いとかじゃなくて、お互いにリスペクトし合える、夢のある現場にしたいですね♪」

 

本当に、そのとおりですね。
さすがです。
悪循環とか言ってないで、もっと前向きに考えなくてはいけない。
私たち、当事者だし。

 

その言葉に
日本中の女性に、より素敵な髪型を提案したい
もっと似合うスタイルを見つけてほしい
髪型を通してHAPPYになれるってことを、一人でも多くの人に発信したい
という
美容師さんの(そして、もちろん編集やライターだって同様です)
願いがこめられているなあと思います。

 

素敵なデザインを世の中に発信していくプロとして、
リスペクトし合いながら、
いっしょにいいページを作っていけると、いいですね。

 

そういう良い循環を生むためにも
(そして何より、全国の読者や、お客様のために)
編集さんやライターさんも頑張ろう。
美容師さんも頑張ろう。
もちろん、私ももっと、頑張れよ。ほんと。

 

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