雑誌に掲載されるヘアサロンが変わってきた
年始に書いた「美容業界10大予測」では書くか書かないか迷って、書くのやめたことがあるんですが、既に顕著な傾向になってきたのでやっぱ書いておこうと思います。
最近、ファッション雑誌(ヘアカタではななく)に掲載されるヘアサロンが変わってきた。具体的に言うと、表参道や銀座のいわゆる有名サロンと言われるサロンの露出が減り、知る人ぞ知る、それ以外のエリアのサロンが紹介されるケースが増えてきたということ。
これは、特に、30代以上のファッション誌に顕著です。
理由は複合的ですが、一番大きな理由は、今までは編集部がピックアップしたサロンに取材するというケースが多かったため、もともと露出が多い有名ヘアサロンに取材をお願いするケースが多かった。でも、最近は、専属モデルや読者モデルやその雑誌の編集者やライターが実際に行っているサロンを紹介するケースが多くなっていて(特に30代以降の雑誌)、結果、広尾や中目黒や自由が丘や二子玉川、外苑のサロンなどなどが紹介されるケースが増えた。表参道のサロンでも、今まで雑誌にあまり登場しなかったサロンが紹介されているケースが多くなってるように思います。
もうひとつの理由は、編集部側が「ヘアスタイル=フォト用のヘアが上手かどうか」ではなく、「どんな施術メニューがあるのか」「施術にどんな差があるのか」というところに視点をおいた企画が増えたからだと思う。ヘアカタログ的な企画が減り、ヘア読み物といっていいような切り口の企画が突然増えてきた。
ここでしかできないドライカット。ここにだけあるボリュームエクステ。この施設だからできるネイルとアイラッシュとの同時施術、などなど。この視点で見ていくと、必ずしもフォト用のヘアが上手な今までの有名サロンが有利というわけではなく、特徴的なメニューを持っている(もしくはそれがしっかりアピールできている)サロンが掲載されるようになるのは必然かなと思う。
いろんな雑誌で、ここ数ヶ月その傾向は見られたんだけど、顕著だったのは今月のDomani。
読者の体験ページも上記のように顕著だったんだけど、特に、美容ライターさん3名の覆面座談会で、個人的オススメサロンの紹介っていうページが面白かったな。完全な「自分語り」で「私はこのサロンに行っている」「編集部の人もこういうサロンの使い方をしている」などで、超個人的な感想を話している座談会だった。以前だったら「それって個人マーケティングだよね」「全国誌で紹介するには偏ってない?」と言われそうな内容だけど、読んでいてすっごくおもしろかったし、すごくリアルだった。今の読者は、無味無臭の公平な原稿より、こういう「生声」を求めているんだろうなと感じます。
で、多分、このページで紹介されたサロンさんは、ヘアスタイルのページに掲載されたサロンさんより多分ずっと集客するんだろうなということも感じる。
この傾向は、30代以上雑誌に顕著で、それは30代以上のお客様が「素敵なヘアスタイル写真」オンリーでは動きにくいということを同時に示していると思います。何が得意なサロンなのか。なぜこのスタイルが素敵に見えるのか。そういう「語り」が、これから重要になってくるように思いました。
皆さんは、この傾向、どう見られます?
増田でした。
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