JBCA(日本ビューティ・コーディネーター協会)全国大会
今日はJBCA(日本ビューティ・コーディネーター協会)の第1回目の全国大会。増田はちょっとだけJBCAの2級のテキスト作りのお手伝いをさせていただいたご縁で、今日、審査員として大会を拝見させていただきました。ありがとうございます。
本題に入るまえに、いきなり閉会式の話から。最後に本島さんがおっしゃっていた、「お客様は何を基準にヘアサロンを選ぶのか」という調査のお話。このお話は、ビューティ総研さんのこのレポートをご覧になっておっしゃったんだと思います。
本島さんのお話にもあったように、「ヘアサロン選びの重視点は?」という問いかけに対して、青山原宿以外のエリアのお客さまは全て、「スタッフの接客態度が良い」が1位。「カットが上手」という技術面よりも、スタッフに対する評価でサロン選びをしているということがわかっています。
「技術が良いのは当たり前」。その上で、その技術をどのようにお客様にマッチング(似合わせ)していくいか。技術以外の接客面でどのような価値をお客様に提供できるか。そんなことが、いま美容業界の課題になっているのだなあと感じるデータです。(ちなみに、青山原宿エリアでも、「カットが上手」と「スタッフの接客態度が良い」は1%の差しかない1位と2位です)
前にも書きましたが、お客さまは美容院に髪型「だけ」を買いにきているわけじゃない。お客さまにとって美容師さんは(美容院は)髪型「だけ」を提供してくれる存在ではなく、その方のライフスタイルや美容生活の向上をサポートする存在になってほしいと、願われているわけです。
そんななか、お客様と技術者を橋渡しする存在として、また、お客様の美をトータルでアドバイスする存在として注目されているのがビューティコーディネーターと聞いています。1年半前に発足したJBCAですが、既に7500人の方が試験を受験されたとか。
さて。今日の話です。
今日の大会は、ビューティコーディネーターを導入するサロンの全国一を決めるという大会。まず、エントリーされた54サロンに覆面モニターが入り第一次予選。満足度が高かった上位7サロンが、その取り組みを発表するという、全く新しい形の大会でした。
審査員室で、宮村さんと。
おもしろかったのは、覆面調査の結果報告。リアルなお客様モニターのヘアサロン満足度は、全国平均で167.9ポイントなのに対して、ビューティコーディネーターがいるサロンの平均点は172.7ポイント。ビューティコーディネーターの存在が、お客様の満足度に関係していることがわかるという報告。しかも、満足度が高いサロンほど(モニターさんなのに)客単価が高くなるという傾向もあるそうなので、
ビューティコーディネーターの存在がお客様の満足度をあげている
→満足度の高いサロンでは客単価が高くなる
→ビューティコーディネーターの存在が、売り上げアップに貢献する
ということが実証されたデータとしても、とても興味深く拝見しました。
ちなみに、今回の大会に出場する上位7サロンの平均満足度は191.2ポイントと、とても高い満足度。
実際のプレゼンは、私が不勉強だったこともあり、とても驚く内容がたくさんありました。
例えばスタイリストさんと同じ人数ビューティコーディネーターがいるというALEXANDRE OF COLLORSさん。顧客の90%以上に選任ビューティコーディネーターがついているとか。
でも、そうなると当然気になるのは、サロンへの貢献度や生産性ですよね。
オーナーさんによっては、「ビューティコーディネーターやレセプションは非生産者。美容師が養っている」という言い方をされる方もいます。でも、今日出場された7サロンさんでは、例えば新規再来店率が2倍以上になった。店販購入率が61%に。次回予約率が62%を超えている。ヘッドスパ比率が48%……などなど。お客さまに確実にアプローチして、サロンの売り上げや再来にも大きく貢献していらっしゃる報告が続々でした。これは、私も不勉強だったので、びっくり。
仕事の内容も、ファーストカウンセリングはもちろん、アフターカウンセリング、次回来店までのネットを使った顧客へのアフターフォロー、商品の在庫管理や発注、スタッフの売り上げ管理、カルテ管理、商品勉強会などなど、各サロン守備範囲は異なるものの、あらゆる面でサロンにとって欠かせない存在になっているのがとてもよくわかりました。
今日感じたのは、やりがいと使命感を持って働いている人は、本当に美しいなあということ。そして、それはとても幸せなことだなあと感じます。人の美と健康に携わり、人にありがとうと喜ばれながら、「自分の働きで喜んでもらえた」と仕事を通して実感できること。素晴らしい職種に成長していっているのだなあと感じさせていただきました。
第一回目の全国大会、優勝されたのは、ハピネスさん。
髪書房の千葉社長の講評もとても印象的でした。これからきっとビューティコーディネーターとお客さまとの間に、いろんなドラマが生まれるんだろうなあという言葉。まさに、近い未来がすぐそこに見える気がした、そんな大会でしたね
懇親会も大盛況。この大会が、多くの関係者の皆さんにとって待ち望んだ大会であったことが感じられました。
ミルボン佐藤社長のご挨拶。ビューティコーディネーターの存在は「日本のおもてなしの心」。
私は途中で失礼してしまいましたが、あちこちで、熱い会話がかわされていました。ダリアの高木会長の「これからは他業種との競争。美容業界一丸となって、業界自体を盛り上げていこう」というお話にもあったように、ビューティコーディネーターという存在を通して、日本の美容の価値が、どんどんあがっていくと嬉しいですね。
あ、そうだ。これは、プレゼンを拝聴していて感じた全くの私見なのですが、審査員の皆さんの間でもちらっと話題になったので、ちょっと書き残しておきます。
皆さん、せっかくの成果発表だったので、もっと、発表内容が耳に入ってきやすいプレゼンの方法も、次回の課題にされてはどうでしょう。
北風と太陽ではないですが、今回は「北風タイプ」のプレゼンが多く、熱意と気合いは伝わるのですが、マイクの音ががんがん反響し、せっかくの発表内容が耳に残りにくいという面がもったいなかったように私は思います。どなたかが「美しい立ち居振る舞い」ということをビューティーコーディネーターの条件にあげられていましたが、普段皆さんも、お客様の耳元で大声で話をすることは無いと思います。聞き取りやすい、適切な音量で、お客様に伝わりやすいお話の仕方をなさると思います。そんなビューティコーディネーターさんならではの、美しく心に残るプレゼン力を磨かれるのも、いいのではないかなあと感じました。(もちろん、元気がいいのが悪いと言っているわけではないですよー)
最後に、理事の皆様方、今日は大変貴重な経験をさせていただきました。小林さんや谷口さんがおっしゃっていた、BCさんの重要性。今日、目の当たりにできて「なるほど、こういうことなのかあ」と、あらためて深く感じ入りました。お声かけくださり感謝しています。ありがとうございました。
今日参加されたサロンさんも、来年こそ全国大会を目指すサロンさんも。NYを目指すサロンさんも。
また1年後、皆さんの「お客様への想い」がいろんな形になって結実した成果が拝見できることを楽しみにしています!!!