そのモデルさんの困った髪質、フォトで活かしますか、隠しますか
今日はウエラさんのセミナーで、BivoのJUNさんとコラボさせていただきました。そのとき話題になったのが、フォトシュートのときにモデルさんの悩みどころの顔型やクセを隠すか、活かすかという話です。
きっかけは、JUNさんが「このモデルさんの生え際のクセを絶対に消したくない」とおっしゃったことでした。
モデルさんの悩みどころを「隠すか」「活かすか」という選択はフォトの仕上りに大きな差を生みます。
例えばほっぺぽっちゃりのモデルちゃん。
5年前までは、毛束で「隠す・カバーする」というのが、フォトのセオリーだったように思います。フォワードでフォワードで巻いて、顔を半分隠したようなヘア。確かに顔面積は小さく見えるかもしれない。でも、その髪って、なんか卑屈じゃないですか。「私、このほっぺに悩んでるんです…….」「太って見えるから嫌いなんです、この顔型」って感じ。なんか、悲しい写真に見える。
私は、写真の「ハッピー感」ということをよく言いますが、そういう写真って、なんかハッピー感がないです。
「増田さんて、顔周りのフォワードの毛が嫌いですよね」と言われたことがありますが、フォワードが嫌いなんじゃなくて「自分に自信がなくて隠してますゴメンナサイ」という雰囲気の写真が嫌いなだけです。この子もっと可愛いはずなのに、隠す必要なんてないのに、って思うんですよねー。
それよりは、いや、そのぽっちゃりもチャームポイントだよね。丸いのが可愛いんじゃん! 出しちゃえ、出しちゃえ、ほら、丸いのだって可愛いじゃん。という。と、いうのが、いまっぽいと思う。そして、今まで自分が欠点だと思っていたところがチャームポイントになれば、もっと、自分を好きになれると思う。エラ張りだって、横顔がすごく綺麗に見えるじゃん。クセ毛だって、活かせば外人風に見えるじゃん。とか。ね。
これって、時代性だと思います。以前は隠すのがいいと思ってました。私も。でも、最近、自分をしっかり見つめている女性が増え、自分らしさを大事にする人が増えたので、今は、活かす写真のほうがステキに見える。
隠せば隠すほど、誰もが同じ髪型になって、没個性になっていく。自分らしさを大事にする女性が増えて、その没個性(隠してカバーする)を好まない女性が増えたんじゃないかというようなことを、帰りの車の中でJUNさんと話しながらかえってきました。
JUNさんのおっしゃる「素材美」という言葉。自分の悩みどころも含めて、消し去ってしまうのではなく、上手に似合わせてあげるということ。とてもステキな考え方だなあと思いました。
ところで、JUNさんの撮影用のヘアの仕込みを初めて拝見したのですが、ものすごく勉強になりました。JUNさんは「フィット感」ということを、ものすごく良くおっしゃっていて、それは私も本当に共感するところなのですがそのフィット感を作るためのテクニックが、すごおおく徹底され、凝縮されていた。だから、JUNさんのヘアって、あんなに動いているのにコンパクトで頭が大きく見えないんだーということがよくわかりました。
その作り方の極意を知りたい人は、、、、JUNさんに聴いてちょ(笑)
この15年間、ずっと撮影で指名され続けている美容師さんて、本当に本当に超、ひと握りです。JUNさんが、なぜ、そのひと握りのトップ美容師さんとして毎年エントリーしているのか、その秘密のいったんが、今日わかった気がしました。
私ももう10年近く、いつも当たり前のようにJUNさんに撮影をお願いしているのですが、その裏で、こんなにたくさんのことを考えて撮影されているのだなあ、
そして、昨年イケてたフォトが、必ずしも今年もイケてるわけじゃないということをJUNさんはすごくよく知ってらっしゃる。常に時代の空気をしっかりとらえた撮影を15年積み重ねられて、今のJUNさんがあるのだなあ、と、私も、そのJUNさんの常に勉強される姿勢にとても心打たれた次第です。私もプロとして、長く指名されるライターになりたい。
JUNさん、ウエラの淡路さん、髪書房の永淵さん、ありがとうございました!受講してくださった皆さん、次回の撮影ミーティングもよろしくお願いします!
最後にJUNさんの今日の名言を
アイロンを使用したスタイルについておっしゃったひとこと。「このデザインでパーマをかけてほしいと言われたときに、このデザインなら、一番自分がうまくパーマをかけれると思えなければ、それは誌面に出しちゃいけない」
サロンワークでやらないことは撮影でもやらない。撮影で刺激的なデザインを出したいと思うのであれば、サロンワークで刺激的なデザインを提案できていなければ。
どきゅん、です。