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モデルの髪を切れないなら、無理して撮影なんかしなくていい[追記しました]

原稿で缶詰です。
なので、ちょっとテンションがおかしい増田です。

いま、書いている雑誌の原稿がすごく楽しい。
なぜなら、オール、ガチ切り企画で、
100パーセント切りおろし、新作ヘアだけだから。

ってゆーか、
本来、ヘアページって、こうでなくっちゃいけないはず。

誰かが切ったヘアデザインに全くハサミを入れずパーマもかけずカラーもせず、
ただフィニッシュのスタイリングだけ変えて
さも自分の作品かのように打ち出し、
アンケートに「ここにはこんなレイヤーを入れました」と書くことは
みんな、心苦しくないんだろうか?
実際に切った美容師さんに悪いと思わないんだろうか?
(あ、もちろん、アレンジや巻き髪の提案ページはのぞく)

そもそも、それは、本当に、あなたの作品(デザイン)ですか?
前にもかいたけれど、
フィニッシュワークだけなら、ヘアメイクさんに撮影を頼めばいいことで。
私たちが春ヘアの提案ページを美容師さんにお願いするのは、
美容師さんにしかできない施術(カットやパーマやカラー)が必要な提案を求めているからです。だから、極端なことを言うと、
モデルの髪を切れないなら(髪を切れるモデルがつかまえられないなら)、
撮影、断っていただいて全然いいんだよなあ。
フィニッシュワークだけのヘアが雑誌を埋め尽くしたことで、
どれだけヘアページの人気が落ちまくったことか。
美容師さんが思っているほど、読者は馬鹿じゃない。
みんな、ナメないほうがいい。

例えば、今、爆発的な人気のある
フラワーズの浦ちゃんとか
ドゥーブルのしげちゃん(薫森さん)とか
ベチカのうっちー(内田さん)とか
当たり前のように、毎回ハサミを入れ、新しいスタイルを提案されています。
だから可愛いし、他の人のスタイルとは違うし、人気が出て当然。

よく、arなどで企画される巨匠のシーズンごとのヘア提案が
どうしてあんなにクオリティが高いのか。
これも、もちろん、巨匠は自分でカットしているからです。
フィニッシュワークのみに頼っているスタイルとの差は
ライターの私にも、美容師さんがみても、そして読者がみても歴然なのです。
(しつこいですが、巻き髪やスタイリングの企画は別として)
そして、その差は、この数年でどんどん開いていっています。

と、いいつつ、
「フィニッシュワークだけで見せる」というような
流れになったのは、
私たちライターにも重大な責任がある。
「可愛いモデルさえ並んでいればいい」という考えの雑誌もたくさんある。
その考えが行き過ぎて、ハサミが入ることよりも、
モデルの顔だけが重要、という流れになってしまったんだと思います。
そして、逆に言うと、
本来ヘアメイクさんにギャラを払って頼むべきアレンジやスタイリングの仕事を
ノーギャラでお願いできるし、モデルも服も用意してくれるからという理由で
美容師さんに(しかも営業時間中に!)安易に頼んでいる出版社側も絶対悪い。
私自身も、反省すべき点がたくさんあります。

ただ、時代はどんんどん流れていっていて、
ヘアページは、どんどん読者に見捨てられているし
このままでは、多分、誰にも見向きもされなくなっていくのは間違いないです。
そして、それは雑誌だけの話ではなく
「ヘアデザインの価値の暴落」「美容師しか作れないデザインの価値の暴落」という形で
必ず、皆さんの営業や、社会的地位に、
差し障りが出る形でかえってくると思います。

その前に、みんな、なんとかしませんか?
私も頑張ります。
皆さんも、なんとかふんばって頑張ってくれませんか?

ヘア提案をするときは、
当たり前のように自分のハサミで切る
そんな、時代に戻しましょう。

[追記] この件、Tweetしたときに反響が大きかったので、 一部、返信くださった方のコメントをTwitterから転載させていただきます。

@MASUDAyumi ホントに!元ボスもそのスタンスで私自身もそうしてきたので東京上京した時に「前サロンで、スタイリングだけなんて当たり前だよ」って言われ大分複雑でしたもの(>_<)切ってくれるモデルさんを探すのがむちゃくちゃ難しいですが…(ToT)

『美容師』としての基本スタンスの問題ですよね。RT @MASUDAyumi モデルの髪を切れないなら、無理して撮影なんかしなきゃいいだけの話なんだよね。本来は。フィニッシュワークだけのヘアが雑誌を埋め尽くしたことで、どれだけヘアページの人気が落ちまくったことか。

@MASUDAyumi 私はモデル側の立場ですがそうおもいます。モデルが髪を切って、髪を染めてこそのヘアーページであり、変えられないならそのモデルを使う必要性はあまりないと思ってしまいます。なんだかすごい恐縮なのですが、ごもっともなご意見だと思い、お返事してしまいました。

@MASUDAyumi 激しく同意。専門誌は同業が読むのですでに見抜かれています

@masudayumi そういや、ちょっと前にサロモの座談会とかいうの読んだのだけど「髪の毛切りたくないっていってるのに切られた」って怒ってて、不思議な気がした。切られたりいじられたりするのが仕事じゃないの?あー、ノーギャラなのかな?

おっしゃる通りだと思います。頑張ります!RT @MASUDAyumi モデルの髪を切れないなら、無理して撮影なんかしなきゃいいだけの話なんだよね。本来は。フィニッシュワークだけのヘアが雑誌を埋め尽くしたことで、どれだけヘアページの人気が落ちまくったことか。

@MASUDAyumi 読者側からしてもホントにそうだと思います。セットで巻いて巻いての髪型ばかりだとガッカリしますもん。ただそういうのを求めてる方も多いのかもしれませんが、ちょっと冒険してみよっかな♪て思えるような楽しいものであって欲しいです^^

@MASUDAyumi わたしのサロンはカットを打ち出したいから、切れない方にはお願いしません。何をウリとするかだと思うけど、同じスタイルを角度変えて使い回してるのもどうなのかしらと。ヘアメイクさんならともかく、私達は美容師だから

あんなにかっちょ悪いことはないですよ。自分を騙してるのと一緒。  RT @MASUDAyumi: 「モデルの髪を切れないなら、無理して撮影なんかしなきゃいいだけの話なんだよね。本来は」の件で、ブログにもう少し詳しくかきました。http://bit.ly/gvQY4D

@MASUDAyumi はじめまして。私は趣味でヘアカタを数十冊集めとうのですが、髪型見るん好きなはずやのに見とっても全くワクワクせんなってのが最近の感想でした。確かにブログ本中に名前が挙がってはる方の髪型はどこともかぶらん個性があって素敵やと思います。すぐ目に止まります。

@MASUDAyumiホントですo(^-^)o さっきツィートしたぶん最後が途切れてしまってましたが、自分の切りくちだからこそ自分の作品と感じます。少しでも切らせてくれるモデルがんばって探しますよ(^_^)v

@MASUDAyumi ブログ、興味深く読ませていただきました。私はそちらの業界のことはさっぱりわかりませんが、内容にいたく共感いたします。他の業界でも、多かれ少なかれ似たような事態はきっと起こっているはず。我が身を振り返り肝に命じておきたいと思います。

@MASUDAyumi 拝読しました。ぬるま湯にいつまでも浸かっていては美容業界終わっちゃいますよね。今こそ原点に帰るべき時!力強い発言ありがとうございました。

@MASUDAyumi それが美容の本域ですもんね、でもヘアページの人気の落ち込みには飽きの方が強いように私は感じます、パーマ比率を上げるための下心がみえみえ、ヘアページ内のパーマ比率が不自然に高すぎる

僕らはカットありきのデザイナーですし、切らなきゃ自分の作品になりませんよね。僕もそう思って撮影してます。RT @MASUDAyumi 「モデルの髪を切れないなら、無理して撮影なんかしなきゃいいだけの話なんだよね。本来は」

間違いないです。誰の誰のためのデザインなのかわからないですからね。 RT @MASUDAyumi: モデルの髪を切れないなら、無理して撮影なんかしなきゃいいだけの話なんだよね。本来は。

ブログ読みました! そういえば以前、カラー企画なのに撮影中に美容師さんがモデルさんに「どこでカラーしたの?」って聞いてるとこに遭遇。。カットもそうですが、カラー問題も深刻。RT @MASUDAyumi: ブログのアクセスが700件以上。

@MASUDAyumi ブログ読みました。ほんまにそのーとーりですね…やっぱり内田さんのスタイルとかはドキドキしますもんね。

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