音声入力での原稿執筆について
昨年末から音声入力での執筆を試しています。
書籍を書くときはまだキーボードで入力していますが、インタビュー原稿などは、音声入力で執筆してみたりもしています。
音声での入力は、思ったほどストレスがなくて、漢字変換も自分のミスタッチとどっこいどっこいという感じで、その面は想像以上の精度です。
例えば、テープ起こしなどは、ヘッドフォンで音声をききながら英語のシャドウイングするみたいに発声して入力すれば、かなりの精度でリアルタイム変換できます。
ミス変換したところだけあとで修正すればいいので、テープ起こしにかかる時間は1/4程度になるのではないでしょうか。
あと、音声入力の良さは、なにより肩がこらない。腕が痛くならない。これは、私にとってはライター寿命を決めるのではないかと思うくらいの、かなり切迫した問題だったので、その点だけでもはやく音声入力に移行したいと思います。
どちらかというと、音声入力のハードルは、AI側の課題よりも、人間側の課題が大きいように思います。 キーボードを叩いているときと、言葉で話しているときの、脳の使い方の違い、でしょうか。
ブックライターの上阪徹さんはよく「話すように書くのがよい」とおっしゃるのですが、私はそれが昔からうまくできませんでした。私の場合、話すときと書くときは、どうやら、使っている脳の位置が違う気がするんですよね。
単に慣れの問題として解決するのか(勝間和代さんは毎日使い続ければ2週間で慣れるとおっしゃっていました)、それとも、音声入力にしたら文体が変わるのか。
これって、原稿用紙に文章を書いていたところから、ワープロで文章を書くようになったときの変化と、どちらが大きいのか。 そのあたりにとても興味があります。
音声入力で書かれる文章と、キーボードで書かれる文章の傾向について、研究論文などがあったら読みたいです。 ご存知の方がいらしたら、ご教授ください。
私自身も、音声入力にした場合の思考と文体の変化に関しては、もう少し使いながら検証していきたいと思います。
さらに、 誰もが音声入力で文章書くようになったときに、オフィスはどのように機能するのかにもとても興味があります。ノイズキャンセリングのヘットフォンをみんなつけるのでしょうか。ノマドのライターはどうすればいいのかな。 現在私は、外出先で音声入力の原稿を書く場合は、カラオケボックスの個室に入っています。となりからガンガン歌が流れてきても、十分自分の声だけ認識してくれます。
いずれにしても、私がライターとして活動している時代のうちに(というか、ここ4〜5年のうちに) 「キーボードをうつ(フリック入力も含めて)」という行為は限りなく少なくなると思います。
カメラマンさんの道具がフィルムのカメラからデジタルカメラになったように、原稿書く人間にとっても、音声入力は避けられない事態になるような気がしています。
OK,Googleが、思った以上に抵抗なく世の中に受け入れられていく様子を見ていてもそう感じます。
「昔は、キーボードってもんがあってね」と説明しなきゃいけなくなるような、そんな時代がきますよね、多分これ。
すでに音声入力を試して原稿書いているライターさんがいらっしゃいましたらぜひ意見交換させてください。
ここまでのブログは音声入力で書きました。
(追記)
「音声ソフトは何を使っていますか?」というお問い合わせを何人かからいただきました。
私はMacのデフォルトの音声入力を使っています。システム環境設定から音声入力と読み上げをクリックし、そこで拡張音声入力を使用をチェックします。
iPhoneの場合もデフォルトの音声入力を使っています。
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