「いい本の定義」について考えてみた
「いい本の定義」について考えてみたい。
と、突然思ったのは、「女の運命は髪で変わる」と「道を継ぐ」に寄せていただく感想を見ていると、たくさんの人が、「自分にとっての『いい本』の定義」をしていることに気づいたからです。
例えばある人は
「本を読んだ後に、行動を起こさせる本がいい本」として、「女の運命は髪で変わる」は、美容院に予約したり、髪のスタイリングに気合を入れるようになったりする、行動を促すところがいいと書いてくれていた。
ある人は、「本を読み終えて、パタンと閉じた時に、ああ、このタイトルと装丁しかないなと思った時がいい本」と言っていて、「道を継ぐ」のタイトルと装丁を褒めてくださった。
ある人は、「ああ、私が思っていたことは、言葉にするとこういうことだった」と思える本がいい本だというし
ある人は、「その本を間にして、誰かとずっと語り合える本がいい本」と言った。
人それぞれにいい本の定義があって、それをみんな語っているのを知るのが楽しい。
私自身は、というと。
私にとって、「本を読む」という行為は、どこか遠いところにポーンと投げられたボールをひろいにいくようなものです。
ボールを拾いに行く間に、今まで見たことがなかった景色を見たり、それまで忘れていた記憶を思い出したりすることが、読書の楽しさだなって、思う。
だから、私にとっていい本は、たいてい読んでいて時間がかかる本。本の内容と全然違うことを考えてる時間が長い本。たくさんの旅をさせてくれる本。
なので、いい本だなって思った本ほど、内容を全然覚えてなくて、その時考えたことだけを覚えてる。
そして、内容を全然覚えてないので、何度読んでも新鮮だったりする。
あなたにとって「いい本」って、どんな本ですか?
この2冊も、誰かにとって「いい本」になったらいいなあと願いながら書きました。