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「ヒットの崩壊」で知る「過去売れたもの」と「今売れているもの」

「ものづくりに関わる人ならこの本は必読」と、いろんな人が書いていたのは横目で見ていました。少なくても10人くらいの知り合いが絶賛していた。私も、SONY福田さんのオーガニックリーチを受けてやっと手をつけました。年始に読んでおいてよかったと思った1冊です。

 

 

「今まで売れてきたもの」と「今、売れているもの」の系譜をていねいに紐解いてくれているので、そこにぼんやり道筋が見え、その道筋の続く先をふんわり予見できるような気持ちになる。

 

たとえば、カリスマ美容師ブームはもう一度くるか? ということなども、これを読めば、自分なりの理論を立てて答えを導き出せると思う。

 

以下、箇条書きですが、気になったワードを書き残しておきます。

 

●改めて納得したのは以下のことがら。このあたりは、ここ10年くらいのコンテンツ制作の鍵を握っているワードだと思う。

 

 

・「音楽業界は苦しい、CDが売れない」と言われているけれど、「音楽を体験する」ことに対する熱狂は決して目減りしていない。

 

・テレビに出たり大量の広告投下をしないと売れなかった時代に比べ、むしろ、現在のほうがアーティストにとっては健全な競争、活動をしやすい。実際に活動年数が長い歌手が増えてきている(一発屋が減っている)。

 

・体験はコピーできない。コピーできないことこそ、価値を持つ。ライブ、フェスの興行収入は右肩上がり。他にも Abema ではフェスの配信が最も観られた。生放送番組の視聴率の高さなども「同時体験」に基づく。

 

・ロングテールとモンスターヘッドの二極化時代になった。ニッチの時代は、結局こなかった。(情報が細分化されるほど、売れるものと売れないものの差は激しくなる。詳しくは「ブロックバスター戦略」)

 

・100万の作り方の変化。100万✕1ではなく、10万✕10、20万✕5で100万を作る。クラス全員ではなく、クラスの端にいる尖った子に届けることで、伝播していくルート。

 

 

 

●本筋とは別に、なるほどと気付かされたこと(備忘録)

 

・かつてのヒット曲は、ドラマの主題歌として知られ、オリコンランキングで上位に入って話題になり、ラジオやテレビで繰り返し聞かされた「刷り込みのヒット」だった。

 

・曲のランキング、書籍のランキングではなく、「人間のランキング」に人は熱狂する。

 

・歌は、聴くから広がるのではなく、歌うから広がる。

 

 

●本を読んで考えたこと。

・消滅したと言われた「お茶の間」が、むしろ拡張して力を持ち始めている。みんなで一緒に同じテレビ番組を観てTwitterで感想をつぶやきあうといった、「張り出したお茶の間」がむしろ可視化されてきている。

 

・ヒットは作り手側が作る時代ではない。

 

・SNS時代は、「脅威の新人」が埋もれにくい一方、既に力のある人がより強い力を持ちやすい。下剋上はそれなりに難しい。

 

 

 

 

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