2016JBCA全国大会 レポート(前編)
今年もこの時期がやってきました。JBCA(日本ビューティーコーディネート協会)の、全国大会。MCアミさんの司会を聞くと、年末を感じます。
レセプショニストと言われた職種を、一歩進めて、もっと積極的にお客様の美のサポーターとして関わっていく職業にしていこうと発足したのが、ビューティーコーディネーター協会。
この全国大会は、ビューティーコーディネーターである彼女たち(彼らたち)がいることによって、サロンでどんな取り組みができたか、どんな進化があったかをプレゼンで競いあう全国大会です。
1年目からお邪魔させていただいている、この全国大会(昨年はお伺いできなかったのですが)、今日が5年目。今年も審査員をさせていただきました。
大阪フェスティバルホールで行われたこの全国大会。
プレゼンくださったみなさん、お疲れさまでした。
個人的にも勉強になることばかりなので、いつも楽しみにしているのですが、今回も備忘録も兼ね、審査基準とは違う部分で、私個人が感じた感想を。ここに残しておきます。
審査員のafloat宮村さんと。
白い歯とルブタンのシルバーの靴が目立ちます。「近寄るとパンスト破れるから気をつけて」と言われました。
閑話休題。
トップバッターはSARA BEAUTY×LIFESTYLE<福岡>さん
もはや、JBCAの顔とも言っていいSARAと、日本のBC(ビューティーコーディネーター)を牽引してきた河野さん。
スタイリストの強みを特定し、スタイリストの弱みは、強い分野のスタッフがサポートしていく取り組みを発表してくださいました。これらの仕組みが、若手スタッフのリピート率を大きくあげたとのプレゼン。
SARAさんのように、すでにあらゆる施策をやり尽くしていて、ミステリーショッパーの点数も毎回満点のようなサロンさんは、伸びしろが大きなサロンさんに比べて、大きな変化を出すのは難しいだろうと感じます。そんな中でも、都度いろんなトライをされているところ、心から尊敬します。
河野さんとは懇親会でいろいろお話しさせていただきました。来年のプレゼンに強く期待しています!
2番手。uit<京都>さん
「サービスしているのを気づかれないのがいいサービス」という、京都のサロンさんらしいおもてなしのお話し。
「声に出すサービスではない、小さなサービス」と言ってらっしゃったけれど、実はお客様にとっては、こういった押し付けがましくない、でも気づいてもらえたら嬉しいというのが、素敵なサービスだろうなと感じます。
「あてる提案」という言葉が、具体的にどんな提案をさすのか、ちょっとわかりにくかったので、もう少し具体的な説明を聞きたかったです。
「CS(Customer satisfaction=顧客満足)からPS(Personal satisfaction)」へ、という考え方は、確かにこれからの時代を象徴していて。十把一からげではなく、お客様は一人ひとり顔のある、個別のひとなのだ、という話は刺さりました。
タイプ別DMに変更してから、回収率2%→28%となった話もなるほど。タイプ別、がさらに進化すると、PSになっていくんでしょうね。
FORTE島田店<静岡>
高校を卒業してすぐにBCになった方の成長物語がそのままプレゼンになっていて、この話は、これからBCさんを採用したいサロンさんにとっては一番勉強になったのじゃないかと思います。
新人さんが一人前になっていくシンデレラストーリーには、会場の多くの人が共感したのではないでしょうか。
同じサロンでいろんなスタイリストを体験してもらう「セレクトシステム」。これ、導入されているサロンさんでは、リピート率が確実にあがっているんだけれど、この導入によるスタイリストさんの抵抗感や、それをどう払拭していくのかは、いつも気になるところ。誰か教えて下さい。
BCさんの協力で、売り上げが32万円から100万円台になったお話もとても勇気をもらえるお話でした。
reve by first<宮城>さん
ロイヤルカスタマーを増やすことの意味と意義を、BCさんが積極的にスタッフさんに浸透させていった奮闘ストーリー。
情報の見える化をするために「稼働カルテ」を作ったというところがポイントだったのですが、この稼働カルテの内容をもっと詳しく知りたかったかも。
お客様にアンケートをすると、実は「頭皮ケア」「スキンケア」「インナービューティー」に興味を持っていることがわかったなどの調査は、トータルビューティを進めるうえで、参考になりそう。
このサロンさんは、アシスタントさんの言葉が印象的でした。聴覚タイプ、聴覚タイプ、感覚タイプで、店販の提案の方法をかえるようになってから、「毎日の仕事が楽しくなった」と言ってらして。そう、自分がやることが明確になったり、お客様に買ってもらえるようになると、毎日の仕事が楽しくなるんだよなーと、しみじみ思いました。成功体験の積み重ね、大事だなって。
chou chou <奈良>さん
全国大会の常連サロン、ハピネスさんのフランチャイズサロンさん。今回はグランプリおめでとうございます。
「新規顧客ではなく既存顧客を大事にする」のメッセージがはっきりしていて、3週間後のメンテナンス来店の取り組みが、あきらかに斬新でした。メンテナンス後の新規再来率は38パーセントから54パーセントになったそう。
この「メンテナンス来店」の詳細が、プレゼンではいまいちよくわからなかったのが残念でした、あとから谷口さんにいろいろ聞いちゃった。お金を取るのかとか、それはどんなふうに伝えて来店してもらっているのか、とか。
新人スタイリストさんが「メンテナンス来店があることで助かってる」といってらしたのが印象的で、お客様にとっても、サロンさんにとっても双方メリットのあるメニュー、いいなあと思いました。
具体的なオペレーションについて、もっと知りたいです。ぜひ髪書房さん、取材お願いします。
専任のBCさんを採用したところ1年で辞めてしまったという反省を生かして、まずは全員BCに取り組んでみたというサロンさん。
とくに面白かったのは、会話集の作成。会話を仕組み化することで、スタッフによるばらつきをなくしているという取り組みが素晴らしかったです。
2年目のスタッフさんが169万円を売り上げているお話に関しては、単に売り上げをあげる話だけではなく、いま、業界の問題にもなっている「デビューが怖い症候群」に対してのひとつの回答ではないかな、と思いました。
「美容師が一生の仕事になる世界をつくる」ということを、わたしの半分くらいの年齢の方が言ってらっしゃるのには、とてもぐっとくるものがあって、「自分のサロンの話」ではなく、ひとつ視点の高い位置を見ているサロンさんなんだなという気がしました。
前半戦はここで終了。
とにかく、レベルが高いし、洗練されているなというイメージ。審査員控室でも話題になっていましたが、全体的にぐっとレベルアップされて、ただそのぶん、プレゼンでの差別化が難しくなっているのかもしれないとも感じた前半戦でした。
続きはまたアップします。
久しぶり(でもないか)の石渡さんと。
会場で「『女の運命は髪で変わる』を読みました!」と声をかけてくださる方が多くてうれしかったです。
お客様と美容師さんの間を架け橋する、ビューティーコーディネーターさんには是非読んでもらいたい本です!