「提案されなくなった」というサイレント失客
先日、お客様向けのトークイベントをさせていただいたとき、こんな質問をいただきました。
「10年通っているサロンがあって、美容師さんもとてもいい人で気に入っているのですが、どうしても最近髪型がマンネリしてきています。やっぱり、美容院を変えるしかないんでしょうか?」
その質問を聞いた私はびっくりして
「えっ? いきなり美容院を変えちゃうんですか? 一度『少しマンネリしてきたから、イメージチェンジしたい』って言ってみるのはどうですか? それがイマイチだったら、美容院を変えることを検討されてはどうでしょうか」
とお伝えしたのですが
「マンネリしてきたって、伝えにくいんです」
とのこと。
その方は、それを伝えて気まずくなるくらいなら、美容院変えちゃったほうが傷が浅いと思われたわけですよね。
それくらい、お客様から美容師さんに、何か要望を伝えるのは気を使うということでもあります。
美容師さんにしてみたら、10年通ってくださるお客様って、「すごく気に入ってくれている」という前提で、だから前回と同じヘアをずっと繰り返しがちになりますよね。
でもお客様はそれが徐々に不満になってきている。「付き合いが長くなって提案がなくなること」が「サイレント失客(何も言われなかったけれど気づいたら失客していた)」につながっていく怖さを感じました。
別の話。
ある友人が、初めて行った美容院にリピートしたとき「前回のヘアはどうでしたか? 周りの方には何か言われましたか?」と言ってもらい、「思ったより切ったのを気づかれなかった」というと、新しいヘアの提案をもらって、とても嬉しかったんだそうです。
3度めに行ったときも、4度めに行ったときも、そう聞いてもらえて、そのつど「こんな評判でした」と伝えると、そのつどいろんな提案をもらえたそうなんです。
でも、5度めに行ったときからは、その質問がなくなり、その質問がなくなったことで、その彼女は「ああ、私の髪型って、これがもう限界なんだ。これがベストでこれ以上よくならないんだ」と思ってしまって、なんとなくサロンから足が遠のいてしまったんだそうです。
こういう話は、実は彼女からだけではなく、今回の『女の運命は髪で変わる』の取材中によく聞きました。付き合いが長くなるにつれ、提案がなくなるその感じを「釣った魚だから餌をもらえなくなった感じ」と言った女性もいました。付き合いたてのドキドキ感がなくなってマンネリしてきたカップルみたいな感覚になるのかもしれません。
結果的に、その髪型を気に入っていて、ずっとチェンジしたくなかったとしても
「夏が終わるので、少し重めにしてみますか?」
「秋冬のお洋服に似合うカラーにしてみますか?」
「飽きてきたら前髪カットして伸ばしていくのもいいですね」
などなどの提案はほしいものなんですよね。
ほんの少しの提案でもいいんです。その提案を、お客様は待っています。(自分からは言いにくいものなんです)
おかげさまで「女の運命は髪で変わる」15刷6万部になりました!
★この記事もおすすめ