美容師さんが「命」と関わるとき
原宿のど真ん中で臨月のど真ん中に日本の女性美容師ナンバーワン売り上げを叩き出した泉のねーさん。
バックルームで毛まみれになりながら子どもを育て、英語も全くしゃべれないのに、颯爽とハワイに行って開業してしまったねーさん。
年に数回、日本で出稼ぎ祭りするときは、サロンの電話がチケットぴあ並みに通じなくなる、いまでもファンが通い続ける人。
ねーさんのおばあちゃんは、山野愛子先生と同じ、日本の美容師免許第一号の年の方で、ねーさんも、おばあちゃんが美容師だったから、美容師を目指したといいます。
昨夜、私が約束の場所に遅れてつくなり、『女の運命は髪で変わる』の見本をみたいと言ってくれ、その場であたまから読みはじめ、アメリカンナイズされた、いちいちデカいリアクション(「うわー、超あるある」「ヤバイ、これ、マジそう!」などなど)で感想をくれ
そして、なんか、静かになったなあと思ったら、「おわりに」読んで泣いてた。
「これ、40歳以上の美容師だったら、もう、絶対泣いちゃうよ」って目に大きな涙をためてた。
日本の美容師第一号の、ねーさんのおばあちゃんは、いま、病院にいらっしゃるらしい。
「もう、耳も遠くなってるけど、この本、美容師だったおばあちゃんに読んで聞かせてあげたい。ゆみさんの美容師愛、読んで聞かせてあげたいなあ。帰国前に間に合うかなあ」と、言ってくれました。
もし、この本の内容をねーさんのおばーちゃんがベッドの上で聞いてくれて、あらためて「ああ、美容師やってきてよかったなあ」と、思ってくれたら、なんか、それはなんかもう、生きててよかったと思えるくらい嬉しい。 ねーさんのおばあちゃんのような、大正生まれの美容師さんたちが、いまの日本の美容の礎を築いてきてくれたんだよね。
そして私はいままで、ねーさんのようなパワフルな美容師さんたちに育ててきてもらって、そして、私に大切なことをいっぱい教えてくれたねーさんたちは、そのまた先輩たちから、大切なものを受け取ってきて。 そんな循環の中に、私たちはいる。
だから、私の本はお客さま向けに書かれたものだけれども、もし、この本が美容師さんにとっても「美容師でよかった」と、思ってもらえるものになってるなら、ほんとに、泣けるほど嬉しい。
『女の運命は髪で変わる』 いよいよ今週発売です。 ねーさんの涙みながら、美容師のみなさんにも、ほんとうにたくさん読んでもらえたらいいなーって思いました。
「はじめに」と「おわりに」だけでも!