ヘアカタの「似合う髪質」は気にしなくていいと思う3つの理由
ヘアカタを見ると、「似合う髪質」とか、「似合う顔型」にチェックがついてたりしますよね。
あれ、髪型を選ぶとき、参考にします?
最近、友人のヘアスタイル相談にのること多いんですが、ヘアカタみながら話をしてると「でも、私、髪の量多いから、このヘア似合わないみたい」「だって似合う髪質のところ、少ない〜普通って書いてあるよ」という声をよく聞くんです。
で、はじめて気づいたわけです。
そうか、、、みんな髪質のチェック表とか、そこまで重要視してるんだ、、、と。
で、なんですが、
15年間ヘアカタ作りに携わってきた私としては、あれ、ほとんど気にする必要ないんじゃないかなーと思ってます。
そう思う理由は3つあって
理由その①
ヘアカタのアンケートみてると、ほとんどの美容師さんは、全部の髪質に似合うと丸をつけてるんですよね。
→でも、全部のページのヘアスタイルが、「全ての髪質に似合う」だと、あのチェックボックス自体の意味がなくなっちゃうので、なかでも「より似合いやすい髪質」をピックアップして載せさせてもらってるんです。
つまり、あのチェックボックスから外れてる髪質や顔型であっても、似合うことは多いし、あのチェックボックス自体、「まあ、強いて言えば、このあたりがより似合いやすい感じです」くらいの目安にしかなってないんです。
だったら、紛らわしいから、アレ、無くそうという議論も何度もしてきたのですが、やっぱりあれを参考にヘアスタイルを決めたいお客さまも多いので
「うーん、やっぱり残しておきますか。でもせめて『似合う髪質』じゃなくて『似合いやすい髪質』と書いておきましょう」なんていう、煮え切らない結論になったりしています(私が担当してきたヘアカタの場合)。
理由その②
→ヘアカタに登場してくれる「サロンモデル」さんは、髪が柔らかくて扱いやすい人が多いから。
サロンモデルさんはヘアスタイルを作りやすい(スタイリングをしやすい)髪質をしているからモデルをやれているという側面があります。特にミディアムからロングヘアの場合、極端に量が少なかったり、めっちゃ剛毛だったりという人は、そもそも少ないんですよね。
とくに、長めのヘアは柔らかいニュアンスを出したいケースが多いので、長めヘアのサロンモデルさんは髪が柔らかい人がほとんどです。なので、ヘアカタの「似合う髪質」も、普通からやや柔らかいのところにチェックがつきやすい傾向があります。
じゃあ、そのサロンモデルさんたちに提案されたヘアスタイルが、髪の硬い人(私もです)じゃ作れないかというと、そんなことはあまりなくて、写真映えさえ気にしなければ問題ないケースが多いなって感じます。
理由その③
→で、これが一番大事なことなのですが、そもそも人が変われば、美容師さんは違う切り方をするから。
こういうと身も蓋もないのですが、髪質や髪の量が違えば、ヘアカタと同じスタイルにしたいと思っても、全く同じにはなりません。
たとえて言えば、同じパターン(型)で服を縫製したとしても、素材がコットンなのかシルクなのかで、全然仕上がりが違うように、髪も素材が違えば違った仕上がりになるんですよね。
ヘアカタに「●センチのレイヤーを入れる」と書かれていたとしても、その仕上がりに近づけるためには、量が多い人と少ない人、硬い人と柔らかい人ではそもそも切り方が変えます。場合によっては、ヘアカタにのっている髪型よりも、もっと大量にすいたり、もっと厚みを残したりしたほうが、結果的にそのヘアに近づくこともあります。それが「似合わせる」ということなのです。
だから、結局ヘアカタログの「似合う髪質」というのは、目安でしかないし、それほど気にしないで「髪質違うんですが、似合わせられますか?」って聞いちゃうのがいいと思います。
んでは、また。