21歳。ちっちゃく大人に絶望したときのこと
古い話です。
テレビ関係の会社に就職活動したとき、面接官のひとりが寝ていることがあったんですよね。で、すごく気になったので、面接官の席まで行って、「あの、お疲れだとは思うんですが、私達の人生かかってる面接の場で寝るのって失礼じゃないですか?」と、起こしたことがあります。
また別の話。
某出版社の社長さんと1対1の最終面接のとき「君の大学の人ってさ、面白い子少ないんだよね」って言われて「え? 社長、うちの大学の卒業生って何人いるかご存じですか? 大学でひとくくりにしてものを言うような会社だから、御社の雑誌はどれもこれもつまんないんじゃないですか?」と、まんまと圧迫面接にのっかって逆ギレして面接の途中で出て行ったことがあります。腹がたったので、エレベーターのドアをガンと蹴飛ばしました。
上の会社からは面接通過の連絡がきたし、下の会社からは1時間後に内定の連絡をもらって、「大人ってよくわかんない」と真剣に悩んだものでした。21歳。若かった。
(そしていま考えたら「大人って〜」って思った私のほうが、よっぽどひとくくりにしてものを言ってることに気づく)
で、この話、
別に武勇伝でもなんでもなくて、じゃあなんで書いたかというと、今日、ある本を読んでいて、その後日談を突然思い出したから。
そう、この後日談のほうが、私、「大人ってよくわかんない」って思ったんだ。
私、上記のエピソードを、マスコミ関係を目指した人たちの就職体験記を集めている「創」っていう雑誌に書かせてもらったんですよね。
なんて書いたかというと
「それが、たとえ相手の批判だったとしても、自分の考えを自分の言葉できちんと主張できる学生は評価してもらえる業界なんだと思った」
って。
で、『創』なんですが、私の原稿はちゃんと載せてくれたしギャラもくれたんだけれど、でも、最後に編集部からの注釈を入れられたんですよ。
「彼女はこう書いているし、たまたま自分の意見をはっきり言ってうまくいったけれど、就活生諸君はこの話を鵜呑みにしないように。自己責任でよろしく」みたいな注釈だったと思う。
まあ、いま考えれば、編集部としてはクレーム対策とか、エクスキューズだったんだと思うのだけれど
あのとき、ちっちゃく絶望したんだよなー。私。「うーん、こーゆーの、ざんねんだなー」って。なんか、悲しくなって、その雑誌を公園のゴミ箱に捨てた。
ずっと忘れていたことを、『僕は、だれの真似もしない』を読んでいて、突然思い出しました。
そういう、ちっちゃいけれどそのとき確かに感じた絶望や、ちっちゃいけれど小骨がはさまるような違和感を、私はいちいち忘れていちゃいけなかったんだとおもう。
すごい本です。
こんなビジネス書があっていいのか、って思いました。
ゆっくりゆっくり奥歯で噛み締めて読むつもり。
読み終わったら感想またアップします。