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試合終了のホイッスル の、そのあとの話

夏が来るといつも思い出すことがあるんです。

37年ぶりの再試合にもつれこんだ、2006年の甲子園の決勝戦。延長15回まで戦いきった選手が、 「明日また、もう一度試合ができるのがうれしい」と答えていたこと。
最後の最後だと思っていた野球生活なのに、思いもかけず、もう一試合できるということが、勝つとか負けるとかとぜんぜん別のところで、すごくすごおく嬉しいんだろうなって。

 

思えば、私も、学生時代、 ソフトテニスの全国大会、個人戦決勝戦の前にひしひしと感じました。

 

「もう、この試合で私の3年間の部活動は終わっちゃうんだ。 終わってほしくないな。もっとやりたかったな」って。 自分が練習してきたことを、もっともっと試したくって、 だから、1試合でも多く勝ち残って、可能な限りたくさん試合がしたかった。 地区予選、支庁予選、北海道予選、全国大会とずっと勝ち続けてきたのに、 とうとうこの決勝戦で、勝っても敗けてももう全部が終わっちゃうんだ、という、どうしようもない寂しさ。
マッチポイントが9回も動いたフルセットの決勝戦。途中停電による試合中断もあって、おそらく全国大会史上もっとも長い決勝戦だった。

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途中、何度も思った。
「ああ、まだもっと遊んでたいな」「もっとこのコートの上でプレイしてたいな」

 

 

優勝祝賀会で私は。勝ったことの嬉しさと、終わってしまったことの寂しさを両方感じていて。 まだまだやりたいのに、もうステージがないことが、とってももどかしかった。 きっとあのときに、私は、スポーツを一生の仕事にすることを辞めたんだと思う。
技術的にだけではなく、年齢的にも、 いずれステージがなくなる、という怖さや不安から、 私は、逃げた。

 

 

「あきらめたら、そこで試合終了だよ」という有名な言葉があるけれど、スポーツは、実はたとえ諦めなかったとしても、試合終了のタイミングがあるんだって、あの時知った。

 

 

私たちは、幸いなことに 芸能人じゃないし、プロのスポーツ選手でもない。 人気がなくなったら仕事をする場所すらなくなる芸能人や ある程度の年齢がきたら必ず引退しなくてないけなくなるプロのスポーツ選手じゃない。

 

私たちの仕事って、階段を1歩あがれば、今まで気づかなかった壁が、突然立ちはだかって。 必ずその先につぎの壁がある。 試合はずっと終わらない。そんな「ズットオワラナイ」毎日が、幸せ。

 

 

もう一回戦える。ずっと戦える。 試合終了のホイッスルがない場所で戦える。これって、めっちゃ幸せ。

 

 

そんなことをですね、思い出したですよ、昨日。

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