21世紀に社員が社長に読んでほしい本NO.1 【読了】「シンプルに考える」(森川亮さん)
例えば松下幸之助さんや、稲盛和夫さんの本が、経営者のバイブルとして読み継がれているように、これからの時代の経営者の人たちにとっては、この本が、それになるのかもしれないって思いました。
LINE元CEOの森川さんの「シンプルに考える」
その経営の方法は一見型破りのように見えますが、理由を聞くとすべて理にかなっていて、そのとおりと思わされます。無理がなく、無駄がなく、たしかに、シンプルに考えたらそうなるんだなあと、すっと納得できるんです(それが、一見非常識のように見えても)
この本の骨子は、つきつめると、2点。
まず1点めは、あとがきにかかれていた言葉に集約されると思います。
高い技術と情熱をもつ社員たちが、のびのびと能力を発揮できる環境を整える。そして、彼らを徹底的にエンパワメントする。(中略)僕は彼らに合わせて会社を変えてきただけ、と言っても過言ではありません。(あとがきより)
この本の中で森川さんは、何度も何度もLINEの社員のことを「すごい人達」と書いています。
森川さんが尽力されたのは
つまり、すごい人に合わせた環境を作ること。
以前、LINE時代の森川さんと、広報だった田端さんがプレゼンされる場で話を聞いたことがあります。
森川さんは、とてもおっとりとお話される方で、後から登壇された田端さんのマシンガントークに比べると、なんだかあっさりしていたような気がしていたのですが、今だったら、あのあっさり感の理由がわかるような気がします。
森川さんは「すごい人達」が働きやすいように場を整えることを一番のしごとだと考えていて「自分が目立つこと」や「リーダーシップをみせつけること」に、全然重きを置いてないんだなと、思うわけです。
例えば、今まで取材させていただいた美容業界の例で言うと、
「動物園経営じゃなくて、サファリパークの経営」と言ったswichさんや
「メジャーに影響を与えるインディーズであれ」と言ったVeLO & veticaさんや
ポジションに関係なく自分の意見を主張することを何よりも大事にするassortさんなどは
森川さんがやってらした経営に近いんじゃないかなあと、感じました。
余談ですが、assortのkenさんには、こんな連絡をしました。
すごい人達の力を最大限引き出す方法を、森川さんは「野球ではなくサッカーのような勝負」と言っています。
野球のようにポジションが決められ、監督の指示がすみずみ行き渡り、サインで選手が動くようなスポーツじゃなくて、選手一人ひとりが一瞬の判断で動くサッカーのような勝負。つまり「現場主義」です。
そして、2点め。
この本ので何度も繰り返し伝えられていることのもう1点は、「社内じゃなくて、ユーザーのほうを向いて仕事をしよう」ということです。徹底したカスタマーファースト主義。
商品の差別化しないのも、ユーザー第一主義だから
「専門家」になっちゃいけないのも、ユーザー第一主義だから
給料をユーザーに貢献した人から高く払うのも、ユーザー第一主義だから
成功を捨てさせ自分が開発した商品チームから外させるのも、ユーザー第一主義だから
自分が正しいという人を相手にしないのも、ユーザー第一主義だから
現場に権限委譲するのも、ユーザー第一主義だから。
21世紀の「社員が社長に読んでほしい本」NO.1になりそう。
ものすごいスピードで変わる時代にサバイブする「これからの」経営者の方は、きっと大共感されるのではって思います。
友人の田中裕子さんが構成を担当された、この対談2つも、めちゃんこ面白いです。こちらは無料で読めるので、こちらもぜひ。
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