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新しいブロックを手に入れたらレゴは一度解体する。《さとなおリレー塾・第8回》

さとなお塾のレポートの前に。

本日、アンバサダーホテルでの講演を聞いてくださったみなさん、ありがとうございました!! 400人という規模の前でお話するのは久しぶりでしたが、パーティで感想をくださった方のほとんどが、「これからはファンの方々を起点に、自分のお店の良さを広げていく活動に取り組みます」とおっしゃってくださっていて、

 

今日、たっくさんお話した講演の中で、そこが一番響いてくださったのだとしたら、

 

さとなお塾と出会えているおかげで、美容業界に「既存顧客をとことん大事に笑顔にした結果、商売もうまくいく」という考え方が、じわじわじわじわ浸透していっているということで。

 

さとなおさんをはじめ、広告業界の人たちが考えるネクストスタンダードを、美容業界に伝える翻訳者になりたいと、おもったなあ、今日、ほんと。

 

思った以上に、このレポートを読んでくださる美容業界の方が多く、とても嬉しいです。いまいる、ファンのお客様をいっとう大事に考えるサロンさんが、生き残っていく時代になってほしい。

 

 

で、話、戻ります。

 

絶対間に合わないと思ったんだけれど、アンバサダーにつけていたタクシーの運転手さんがぶっ飛ばしてくれて、オンタイムに駆け込むことができました。運転手さん、GJ!

 

今日のセミナーは、博報堂→電通→Google→スケダチの高広伯彦さんの回。もう8回目か。なんか、終わりが見えてきて寂しい。

高広さんのご著書はこちら。

 

インバウンドマーケティング

 

 

 

 

 

 

インバウンドマーケティング

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高広 伯彦
ソフトバンククリエイティブ
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今日も、私なりに理解したことを、美容業界のみなさんにお伝えします。塾の皆様、なにか誤解があったら教えてください。(最近、塾に参加されている皆様からも、メッセージや、誤字脱字のご指摘いただき、本当に感謝しています)

 

1)高広さんがここにいたるまで

★人びとは、「消費者」じゃなくて、「利用者」である

→ポケベルが、数字の語呂合わせで使われるなんて、開発者は誰も思っていなかったように、「利用者」は手に入れたものを自分たちの生活の文脈の中で自由に使っていく

★小さい可処分時間には、それにあった小さいコンテンツが合う

→電車を待っている1分で触れられるコンテンツ、snackable content(スナックを食べるくらい手軽なコンテンツ)が、細切れになった私たちの時間×スマホに会っている。

★広告会社にいながらにして「できるだけ認知にコストをかけたくない」と思った経験から、広告に向き合う

★キャリアは、自分が学んできたことを一度解体して再構築するときに新たなステージに向かう

→you must unlearn what you have learned. 新たな経験によって新しいブロックを手に入れたとき、すでに積み上がっているレゴに付け加えるよりは、一度解体して再構築するほうがブレイクスルーする。

 

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2)口コミマーケティング=「仕掛け」×「仕組み」 この公式を知っていると「なぜ広がったか」「なぜ広がらなかったか」の検証ができる

★仕掛けとはすなわち、「どれくらい他の人に伝えたくなるか」。つまりバズマーケティング。

★仕組みとはすなわち「どれだけ他の人に伝えやすいか」。つまりバイラルマーケティング。

→hotmailは仕掛けは小さいが、仕組みが100%

★口コミはコントロールはできないけれど、それを動かすための設計とチューニングはできる。

★バス脳とバイラル脳の人がいて、どちらに偏ってもプランニングはうまくいかない。特に、仕組みを整備してから仕掛けないと、口コミは広がらない。

★重要なのは、因数分解。自分が担当した事例を解体して、何が強かったのか、弱かったのか考えることが大事。

さとゆみ感想:今日、まさに「どういう方法がいいのかはわからないのですが、現代の広告というのは『どれくらい他の人に伝えたくなるか』の設計方法を考えることになってきているらしいです。みなさん、それ、考えてみませんか?」と、お話したばかりでした。「仕掛け」×「仕組み」という言葉を、あと12時間早く知っていたら、今日の講演は、もっとわかりやすく伝わったはず。予習できてなかったことをすごく悔やみました。

 

3)広告にたどり着いたタイミングは、必ずしも「買いたい(店に行きたい)」タイミングではない

★テレビや新聞に広告を出すときは必ず「そのメディアにおける(その商品に関心があるはずの)ターゲット含有率」を考えてきた。遠い見込み客へのアプローチ。

★ネットで、検索からたどり着いた広告をクリックした人は、理論的には「ターゲット含有率100%」。限りなく近い見込み客へのアプローチ。

→な、はずなのに、どうして購入にたどり着かないのか。

★興味を持つタイミングと、購入のタイミングは必ずしも一緒じゃない。

→なので、見込み客がいま求めている情報を提供して、フォローアップしていく

★Self educating buyers(自ら学ぶ買い手たち)にどう関わっていくか、が重要

→キャンペーンは毎回仮設住宅を建てているようなもの。顧客リストを持ち、いつでもマーケティングできる状態にしたい

 

4)検索したときの「シェア率」こそ重要

★オウンドメディアを運用することよりも、パブリッシャー(発信の主体)になることの方が重要

→検索したときに1位に表示されるのは、オウンドメディアじゃなくても全然良い。

→情報をリリースしたときに、どれだけたくさんの出口に流れていくかを設計していくかを考えることが重要

 

5)B 2Bの面白さ

★魅力1:マーケティングとセールスが結びつきやすい

★魅力2:B2Cと違って、競争が世界との競争になる。即、グローバルな戦いになる

★B2Bビジネルの場合、ペルソナは複数必要

→カスタマージャーニー+カンパニージャーニーのお話。私、理解にいたらなかったです。

 

全体を通した感想

★何度もでてきた「解体と再構築」というキーワード。「因数分解」という解体方法。これ、いま、一番興味あります。解体って、壊すことじゃなくて、「解体したとしても、手元に今までのレゴのブロックは残るものなんだ」って、これ、今までどうして気づかなかったんだろう。レゴの話は、鳥肌立ちました。

★「違和感を感じる」ことが、いろんな気づきの立脚点になっていて、当たり前とされていることに、違和感を感じることができるかどうかが、分かれ道なのかもしれないと最近とみに思います。

★さとなおさんが、事前に「そういう考えに至ったまでの思考を知りたい」と質問を書いてくださっていましたが、まさに高広さんの思考の(ごくごく一部だとは思うものの)トレースができたことは、とても素晴らしい追体験でした。成功事例は、事例そのものよりも「なぜその考えにいたったか」に学びと気づきがあるなあと思っていて、だから、さとなおさんの質問が一番、その人の本質的な思考を追体験できる手段なのだなあと。インタビュアーとしても、気づきがありました。

★言葉が思考を支える。ネーミングが思考を強化する、ということについて考えました。話すことで、気体のようによりどころのない思考は液体化する。ネーミングが与えられること、公式が与えられることで、思考は気体から液体を経て、固体になる。

★古典、重要。今年は古典を読む1年にしたい。今日も哲学的で本質的でした。

 

 

高広さん、さとなおさん、ありがとうございました。

 

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