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情報の99.996%はスルーされる時代に、どう広告を届けるか 《さとなおリレー塾・第1回》

伝わらない時代の伝わる広告を考える

さとなおリレー塾全10回の、第1回目に行ってきました。

 

 

さとなおさんは、「スラムダンク」の100万冊突破記念の広告 を担当された方。「あれから10日後」のストーリーを、廃校になる学校の黒板に描かれた、あれを企画された方です。つまり、ネ申です。

 

 

 

そんな広告業界の巨匠、コミュニケーション・ディレクターのさとなおさんのラボには、もう3回応募していて、自慢じゃないけれど、過去、全て選考審査に落ちています(号泣)。

 

 

 

そんな私みたいな、ラボの選考に落ち続けている人たち(だけじゃないけど)に優先して受けられるようにと、さとなおさんが作ってくださったのが、広告業界のスターのみなさん7名とさとなおさんでつくられるリレー塾(微笑)。

 

会場、ぱんっぱんでした。たぶん180人くらい? ラボに落ちた人が中心なので、ほとんど告知していないにもかかわらず、この人数。すごい。

 

 

10回の参加費用は54,000円。でも、すでに、今日で元とった。今日の塾にいくら払うかって聞かれたら、今日の2時間で54,000円払っても全然惜しくない、と感じました。選考に落ち続けた甲斐あった。本当に。

 

それくらい、衝撃的な内容だったし、さとなおさん曰く、これは広告の考え方の基礎中の基礎です。いやになるくらい、土台の考え方ですと強調されていたのですが、それが素人の私には、先入観ないので、ものすっごく素直に入ってきました。小手先のバズらせテクとかと全然違って、一生使える考え方の基礎だなって感じました。

 

何より、今日聞いたお話は、普段私が美容業界で「?」って思っている、広告手法の限界に対する、明確なアンサーでした。

 

今年、私のセミナーに来てくださる方には、今日学んだことを礎に、美容業界に話を置き換えて、お話します。ので、楽しみにしていてくださいね。昨日の私より、今日の私は、1.7倍くらいパワーアップしています。

 

 

という、私の感想はさておき。

 

 

 

 

今日の内容のまとめを、今後の自分と、美容業界の経営者と広報担当の方々のために残しておきます。

 

1)99.996%の広告(情報)はもう「伝わらない」時代。
★1年間に発信される情報は1.8ZB(ゼタバイト)。1ZBは、全世界の砂浜の砂の数に相当するので、その中から情報を見つけてもらうのは、全世界の砂浜の中で1粒の砂を手にとってもらうくらい絶望的。(略して、「砂イチ時代」)

→出会いがしらに情報(広告)が伝わるなんて、絶対無いと思ったほうがいい

★2005年を境に、「情報はありがたい」→「情報はうざい」の時代になった

→自分に関心のない商品が自分にとってほしいタイミングじゃなく流れてくると、基本、うざいと思われる

 

※さとゆみ感想:この圧倒的絶望から出発するのは大事だと思った。でも、さとなおさんの塾に希望があるのは、こんな時代に対しても「解」があること(後述)

 

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2)とは言え、日本人のうち6000〜7000万人(日本人口のほぼ半分)は、ネットで検索をしていない現実を知ろう
★ネットに触れていない人たちには、相変わらずマス広告が強い

→東京の感覚で物事を判断すると、人口の半分に届かない

★ネットに触れない人たち向けの広告と、ネットに触れている人への広告は別人種へのアプローチだと思って切り分けて考えるべき

→「TV CMで話題にして、SNSでバズらせて」というようなプランは、そもそも別人種へのアプローチをぐっちゃにしてる。混ぜるな危険。

★とは言え、この6000〜7000万人は、レイトマジョリティ

→インフルエンサーになりうる人たちではない

 

※さとゆみ感想:昨年北海道で180人が集まった出版記念イベントで、Facebookアカウントを持っている人は10人くらいしかいなかった。Amazonで本を買ったことがある人もほとんどいなかった。東京的マーケティングにいかに自分が染まっているのかを感じたばかり。

ヘアサロンに置き換えると、サロンのブランディングにもよるけれど、顧客の3〜4割はこのタイプのお客さまであると意識する必要ある。美容検索サイトで取りきれていないお客様は、まだ相当数いる。

 

 

 

3)砂イチ時代を生きている人たちに伝わる情報はたった1つ。「友人メディア」の利用のみ
★「友人メディア」は、現在最強メディア

→テレビより、新聞より、友人の動向の方が重要だし、気になる時代

★友人メディアの強み①「信頼性」

→有効マッチング率の低い検索よりも、考え方が近い友人の推しを選ぶ

★友人メディアの強み②「拡散性」

→クリック1つでシェア、RTができる時代。拡散がめっちゃ簡単。

→日本人1人の友達人数平均は130人。例えばイベントにきた1000人がSNSで発信すれば、13万人に伝わる。その13万人の3%がシェアやRTしたら67万人に伝わる。日本のほとんどの雑誌の実売部数よりも多い人に、数時間で拡散される可能性が

★友人メディアの強み③「便利」

→友人の情報は、すでに自分の好みに合っていて、フィルターにかかっている情報だから有益性が高い。

★友人メディアの強み④「常時性」

→友人メディアは365日、24時間休み無し

 

※さとゆみ感想:サロンは1人集客するのに5,000円の広告費を出すのではなく、顧客に5,000円渡してお友達連れてきてもらえば? と主張していたのですが、上記の「友人メディア」を使えば、もっと上手に集客できるかもしれない(後述)

 

 

 

4)友人メディアでは、その友人の「オーガニックコメント」がついたときに強い威力を発揮する
★ただシェアされるのではスルーされる。そこに、友人のコメントがあるからこそ、「興味がないことにも興味が生まれる」

→認知だけでは、この時代、購買(来店)にはつながらない

→オーガニック(ファンの自発的な)コメントに価値がある

→うざいはずの情報や、興味のない対象に対して唯一「態度を変容させる」ことができるのが友人のオーガニックコメント

 

※さとゆみ感想:美容業界に、置き換えると、、、。

 

 

5)まとめ 2005年以前と2005年以降の広告の違い
★Before 広告は情報源

→邪魔して見せてもいい、強制的に見せてもいい

→認知=購入(来店)

→「ターゲット」を定め、インパクトとアテンションで乗り切る

→マスメディア(多数)で効率的に

★After 広告は多すぎてうざいもの

→認知≠購入(来店)

→興味を抱く、共感を抱くときのみ有効

→「ファン」を作り、ファンから広めてもらう

→マンメディア(少数)で非効率的

※さとゆみ感想:アメリカの大メディアの、オカルトドラマの火のつけ方が興味深かった。最初に熱烈なオカルトファンの大学生を集めたイベントから、大ブレイクさせた手法。すぐにでも試してみたい。

 

 

以上「さとなおリレー塾」のメモでした。

 

全体を通した感想

 

★講義全体を通じて感じたのは、「一流で業界の先端を走る人の一次情報に触れることは、どれだけ価値が高いか」ということ。逆に言うと、そうじゃない情報がほとんどなので、今後もこういう方の発信を、できるだけダイレクトで享受したい。

 

★さとなおさんは「基礎が大事」と何回もおっしゃっていた。基礎が理解できれば、今年いきなり時代が変わっても、変化に対応できる、と。これは、昨年私が自分のセミナーで一番気にしたことで、トップランナーの方がそう考えていらっしゃることに勇気をもらった。

 

★今後の消費行動を、「消費者による単なる消費」と考えるか、「生活者による物語ある消費」で、商品(サービス)の提供側は二極化すると感じる。もっというと、物語あるものに消費をしようというステージから、物語あるものに参加して消費しようという時代になっていると感じる。

 

 

★ さとなおさんほどの、日本のど真ん中で広告と取っ組み合っている方が、最終ゴールを「お客さまの笑顔」としていたことが印象的でした。私、さとなおさんのファンでよかった。

 

 

 

毎週火曜夜のさとなお塾。あと9回。楽しみ!

 

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