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JBCA全国大会2014年 佐藤友美的感想その4

JBCA全国大会2014年の感想 その1 その2 その3に続いて、これがラストです。

★trove by first(宮城県)

前半休憩前のラストは、東北のtrove by firstさん。再来率36%台から、61%台に導いた取り組みをご紹介くださいました。

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firstさんのプレゼンの中で特に「なるほど!」と思ったことは、お客様に合わせた担当スタイリストさんのマッチング方法。

 

「ファッションと得意スタイルの掛け合わせ」ではなく、「コミュニケーションのタイプ」でマッチングをするようになってから、再来率があがったそう。

 

空いているスタイリストにあわせるのではなく、お客様にスタイリストを合わせる。それも、デザインのマッチングではなく、コミュニケーションのマッチングで合わせることが、このような成果になるというのは、とても勉強になりました。事前予約のキャンセル率が減ったことからも、マッチングがうまくいっていることがわかります。

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スタイリストさんからのプレゼンでは、「最初、BCの存在価値がわからなかった」と率直なコメントが。でも、「いまでは絶対に欠かせないもう一人の自分」とまでおっしゃっていて、技術者目線からのこの言葉は全国のBCさんに勇気を与えただろうと感じました。

 

 

★ange(島根県)

準グランプリに輝いたangeさんのプレゼンは、その後の懇親会でも皆さんおっしゃっていましたが、全国のサロンさんにとって、とても心強く、響いたのではないでしょうか。

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というのも、数年前まではスタッフの大量離職に悩み、2店舗あったサロンもひとつ閉め、もうひとつの店舗も畳もうかと悩んでいたという、オーナーさんのバックボーンがあったからです。残ってくれた2人の技術者でリスタートすると決めた時に、自分も含めたった3人しかいないサロンに、美容師免許を持たない専任のBCを迎え入れることを決めたのは、並々ならない決意が必要だったことと思います。

 

小規模サロンで専任のBCさんを雇用することは、大変なことだと思います。でも、彼女の参加によって、 新規再来率40%から60%に。固定客比率も50%になり、ロイヤルカスタマー比率ぐっとあがったそうです。 また、ヘアメニュー以外のビューティメニュー稼働率が55%、店販購入率も前年比152%に。S 1966127

小規模サロンでも、専任のBCさんが雇用でき、かつ生産性を高めることできることを証明でき、そしてこの全国大会でその発表ができた価値は、とても大きかったのではないでしょうか。 今後は、生産性70万円を切らずに労働時間を短縮することに向けて取り組まれて行くそうです。ぜひまたその成果を伺いたいです。

BCの松本さん、魅力的でした。

 

★TEAR AVEDA(静岡県)

独自カリキュラムと年間計画表が印象的だったTEAR AVEDAさん。

驚異的だったのが、次回予約来店率が95.2%という数字。多分、今回出場サロンさんの中で一番高かったのではないでしょうか。どれだけお客様が来店を楽しみにしているかということがわかる数字です。ヘッドスパ率 21.3%から62.2%にあがった取り組みも興味深かったのですが、オリジナル性が高かったのが、店販手帳と処方箋の取り組み。

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店販購入率41.1%の数字もさることながら、店販を購入するだけに訪れた人が78名/月、その総額が56万1940円と、しっかりとしたサロンの収益の柱になっていることがわかります。

 

というか、収益の柱になることよりなにより、それだけお客様がサロンを訪れる環境というのが凄いですよね。「髪を切らなくてもサロンに行く理由がある場所になる」というのは、今後のサロンのあり方の、ひとつのキーワードではないかと思います。

 

★ITAKURA(新潟県)

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ITAKURAさんは、プレゼンのパワポがビジュアル的でとてもセンスが良く、そんな面でも勉強になりました。こういうパワポを拝見すると、おそらく、サロンの中でもいろんな工夫をされているんだろうなとイメージができます。

「地域密着を必要とする土地」という表現が心に残ったのですが、ITAKURAさんでは、それぞれの店舗ごとにコンセプトを変えて、それぞれにアジャストしたBC、BBCのあり方を模索されているのが印象的でした。

 

記憶に残ったのはオリジナルのカウンセリングシート。女性像や、デザインを軸に置くのではなく、お客様の「気分」を大切にするということを徹底されていて、お客様タイプを「コントローラー」、「プロモーター」、「アナライザー」、「サポーター」に分類し、それぞれのタイプに対しての再来率が低くなったら入客できないという徹底ぶり。勉強になります。

 

新規再来率の15%UPもさることながら、紹介率が2倍というのは、とても嬉しい成果ですね。ストレッチシャンプーやメイクレッスン、100%に近い月もあるというメイクのタッチアップなどで、お客様の「美容の心のスイッチを押したい」というプレゼンがとても心に残りました。そう、美容のスイッチおさなきゃいけないんですよね。

 

「今いらっしゃるお客様」を起点に、お客様の美意識を育て、お客様のご紹介を増やしていく。とてもアナログで、とても王道で、とてもまっとうな取り組みが、このように成果をあげられているということに勇気をもらいました。

 

★BEACH(東京都)

BEACHさんのプレゼンが終わった後、周りの審査員の方々が口々におっしゃっていたのが「とても東京っぽいプレゼンでしたね」という言葉。

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あとで、代表の桜井さんにお会いしたときに「とても東京っぽいプレゼンでした」とお伝えしたら「そこをとても意識した」とおっしゃっていました。

 

BCさん、ハットをかぶっての登場で、他のサロンさんよりカジュアルな印象があったかもしれませんが、私は、このお三方のアピアランス(見た目の印象)を見て、「東京の青山の顧客の方々に、とても親近感を持ってもらえる、そしてかつ、オシャレだと感じてもらえる素敵なファッションだな」と感じました。

 

私自身も東京在住で、東京の読者(お客様)と接する機会が一番多いのですが、東京の、特に青山エリアにいらっしゃるお客様は、「かしこまった接客」や「かっちりした服装」や「感動接客」よりも「さりげなく親しみを感じられる接客」や「シンプルで洗練された普段着」、そして「快適接客」を心地よいと感じるお客様が多いように感じます。

 

「高級」であるよりも「上質」「本物」であることを、とても厳しく選択される青山で、長年、良いお客様層に支持されているBEACHさんならではの、とてもいい距離感を感じることができたプレゼンでした。

 

プレゼン内容とは別に。実は私、昨年のJBCAの懇親会の後、東京エリアでJBCAを盛り上げていこうというメンバーと飲みにいったんですよね。そのとき、今回プレゼンされたBEACHのBCの鈴木さんも参加されていて、そのときは「こんなところに連れてきて下さったTOSHIさん(オーナーさん)に感謝しています。今日プレゼンされていたBCさん、本当に素敵でした」と、ステージの上のタレントを見るような憧れの眼差しで、全国大会を見ていた1人なんです。

 

そんな彼女が、今回ステージの上で、彼女らしくプレゼンされているのを見て、「たった1年で凄いなあ」と思うと同時に、きっと今年、昨年の彼女のようにステージを見ていた客席の誰かが、あの舞台に立つのだろうなと、そう感じました。東京エリア、今後、注目しています。

 

★PROSOL calme(広島県)

こちらのサロンさんのプレゼンで印象的だったのが、一年目のスタッフさんがファーストカウンセリングに入るということ。とても勇気のいる決断だと思うのですが、「美容師目線よりもお客様目線が強い1年生がファーストカウンセリングに入ることが、結果的に功を奏している」という発表でした。

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JBCAの資格をとると資格手当がでるなど、スタッフさん一人一人の意識改革に力を入れられていることがわかりました。大人女性に対応できるようにするために、レッスン時間を増やしたり、デビューを遅くするサロンさんが増えている一方で、このように1年目からお客さまに接するというのは、逆転の発想で、なるほどと思いました。デビュー時にお客様に対するコミュニケーションに不安感がないのは、大きな財産になると思います。

 

また、トータルビューティ化に関しても、初期投資を大きくせずに、既存のスペースを使用しての取り組みからスタートされていたというのは、いろんなサロンさんの参考になったと思います。現在では、美容メニューはサロンに大きな収益をもたらしているそうで、スモールスタートからのトータルビューティ化のモデルになりそうですね。

 

ビューティコーディネーターの方は、大学を卒業してサロンに就職されたそうです。「こんなに笑う仕事って他にあるのがなって思う」という言葉が、印象的でした。

 

 

★HANABUSA(石川県)

ラストのプレゼンは、HANABUSAさん。

 

「美と和み」をコンセプトにされていて、緊張がやわらぐ空間作りをされているというHANABUSAさん。

 

こちらも、スタッフ1人あたりの生産性90万円を誇るサロンさんで、やっぱりサロンのホームページで料金表を見たのですが、4,320円。それで、この生産性を出されているのは、本当にすごいことだなと感じます。予約帳の見直しを徹底されたということですが、もっと詳しく聞いてみたかったです。

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とても記憶に残ったのは、パーフェクトスタイリングセレクションという、その人の髪質に合わせてワゴンにスタイリング剤をセットする特別感の演出。今後、美容室のサービスは、ますますone to oneが求められていくと感じます。こういうサービス、お客様も嬉しいんじゃないかなと感じます。

 

もうひとつ、なるほどと思ったのが、終礼で、お客様をマトリクス分析するということ。朝礼でお客様に対してインフォメーションするというのはよく聞きますが、実際にお客様がいらっしゃっり施術した後に振り返りをしっかりされるというのは、すごく力になるのではないかなと思いました。

 

 

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最後に。

 

 

審査項目はとても細かく設定されていて、実は、プレゼンは80点満点中の10点の配分です。それから、アピアランス(見た目)の評価も10点あります。つまり、20点分は、当日のあの、数分間にジャッジされる内容です。

 

でも、残りの60点は、実はここまでの取り組みに対して配点されていて、BCさんの取り組みが、どれだけサロンに貢献してきているかという側面が審査されています。(そして、その採点基準は、全サロンさんに公開されています)

 

この日、この場のプレゼンの見栄え、というのではなく、とても継続的で本質的なことが、審査基準に盛り込まれています。だからこそ、この審査をさせていただくのはすごく難しいですし、責任を感じます。

 

昨年も書きましたが、だから、JBCAの全国大会は、365日の積み重ねなんですよね。365日の積み重ねが、既にあって、だからこそこの場に皆さん立ってらっしゃるし、プレゼンすることができている。それを強く感じました。

 

これは、昨年のブログからの引用です。

そう、すべては日常の延長線上にあるのだよな。ってこと。(中略)あの裏側には、365日の日常でのサロンワークがあって、あの場にたてなかった多くのサロンさんでの、日々のサロンワークがあって。スポットライトがあたる瞬間は一瞬だし、スポットライトがあたる人は一握りだけれど。でも、その奥には、日々日々、サロンワークを通して、お客さまと接し、いろんな想いを受け止め(受け止められず)喜んだり、悔しい思いをしたりしている日々があっての、あの日、なんだよなって。当たり前だけど、そういうのって、こうやって立ち止まる機会がないと、うっかり忘れてしまうこともある。私たちがJBCAのコンテストで清々しさを感じ、とても心が洗われた気分になるとしたら、それは、JBCAがコンテストのためのコンテストじゃなく、みんなの日々の葛藤の結晶が結実していることを感じるからだろうと感じます。

 

そしてまた、来年の勝負は、もう、今日から始まっているんだろうなと感じます。

 

 

新しい可能性をたくさん感じる一日でした。参加された全てのサロン様、JBCAの理事の皆様、関係者の皆様、本当にお疲れさまでした。あの会場で、皆さんのプレゼンを聞けたことに感謝いたします。

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