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巨匠が巨匠である理由

カットだけヘアカタログ。撮影は全て終わり、レイアウト入れも佳境にきています。

今日は、巨匠たちのカットだけヘアの写真をセレクトしてました。

スクリーンショット 2014 08 14 20 11 10

 

1枚、1枚、ものすっごいクオリティで、写真選びながら鳥肌たってきた。

 

なんだろう、この圧倒的、感。

どこにも隙がないし、360度美しいし、そして皆さん、クレジットを見なくてもわかる、「刻印」感がある。

 

 

撮影の現場はなごやかだし、みんな冗談を言い合っていて、一見仲よく見えるんだけれど、それでいてゆるい雰囲気は一切なくて、全くなれ合ってなくて、自分自身の仕事をされて帰っていく。

 

巨匠たちとの撮影現場は、本当に幸せな時間です。今回は9人9様、全員全くちがうデザインで、特に、幸せかみしめながら撮影していました。

 

 

巨匠たちはどうして巨匠なんだろうと考えたことがあるんだけど、やはり、この世代の方々のパワーが今も全く衰えないのは、

 

①今となっては多分得られないような圧倒的な仕事量と、

②圧倒的に豊かな仕事相手との経験と、

③圧倒的に荒れ地だった誌面をゼロから創作してきた経験と、

④圧倒的に遊んできた経験

 

などなどがあるからなのではないかと思ったりする。

 

まだ考えはうまくまとまっていないんだけど、書きながら考えてみる。

 

 

①に関して。

かつて、peek a booの川島先生が「宮村君の本当の凄さは、宮村君ほど仕事をしたことがある人じゃないとわからないと思う」とおっしゃっていたけれど、あのカリスマブーム時代にトップを走っていた方の仕事の量は、もう、今となっては絶対にありえない量だったと思う。1日に5本撮影はしごされているとかよく聞いたし、それでも、夜は夜でサロンに戻ってお客様カットしてた。その、圧倒的、仕事量。

 

②に関して。

この時代の方々は、日本を代表するフォトグラファーさんや、スタイリストさんや、モデルさんや、女優さんとの仕事をしてきた人たち。売上を左右するファッション誌の表紙の撮影をまかされること。女優さんの将来を左右する大胆なカットを任されること。そういう重圧のかかる現場をたくさん経験されてきた方達。

 

③に関して。

巨匠たちの世代は、「ヘアページ」というもの自体を、編集さんたちと一緒に作って生きた世代。そして編集さんたちと取っ組み合ってきた世代の方たちでもある。打ち合せや現場で編集さんに怒鳴られたり、泣かされたり、罵倒されたり、感激して抱きつかれたりっていう経験もやっぱり、今はもうできないんじゃないかと思う。怖い編集さんって、いなくなったよね。

 

④に関して。

そして巨匠たちから感じるのは、圧倒的な「カルチャー」。映画や音楽が世の中の空気を動かしていた時代を知っていること。小説が元気だった時代の小説からの影響。写真への造詣。ものすごい量の映画や小説や音楽や写真に触れてきてらっしゃる方が多い。そして、とことん夜遊びして、愉しさの幅をいっぱい知っている人たち。ダイナミックな日本を知っている人たち。

 

八木岡さんが、今、活躍している巨匠たちは、「役者で言うと勝新太郎さんみたいな個性的な人ばかり」とおっしゃていたけれど、そういう骨が太くて、本当に人としておっきな人が多いって感じます。

 

やっぱり、道のないところに、道をつくってきた人たちならではの、凄みなんだろうなあと、感じたのでした。

 

幸せな、写真セレクトの後に書きました。

 
カットだけヘアカタログ、お楽しみに!
 

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