ヘアカタログはオワコンか?
タイトル書いてて、怖くなったw
「ヘアカタログはオワコン(終わったコンテンツ)か?」について考えてみます。
ヘアカタログの撮影をお願いすると、ここ数年はだいたい(媒体にもよりますが)1割くらいの美容師さんにはお断りをされます。
2014年美容業界大予測にも書いたけれど、今後ますます、雑誌の撮影を断るサロンは増えると思います。
理由はいろいろあるんだと思うのですが、大きく分けて、この3つです。
1)物理的にスケジュールがあいていない(他の撮影やサロンワーク)
2)そのヘアカタログに露出することが、現在の自分にとっては優先事項ではない。もしくは、ブランディングにとってプラスにならない
3)サロンを辞める、現在妊娠中などで発売時期には休業が決まっている
3)はひとまず、おいておくとして、1)のケースは、ヘアカタではわりと少なくて(というのも、私、オファーが1か月ほど前だし、複数日程でご相談しているので)お断りのケースは、2)の方が多いです。
これが、ファッション誌のヘアページの撮影だと、お断りされるケースは3%くらいに減って、理由は1)の方が多くなります。ファッション誌のほうが、スケジュールがタイトなので、撮影のお願い自体もギリギリになるケースが多いというのも理由だけれど、やはり、ファッション誌は、今でもステイタスがあって、いろいろスケジュール調整してでも出演したいという人が多いからだと思います。
私は、仕事をお断りされることに関しては、当たり前だけど、むかつくとか、そういうこと一切なくて、そうやってお仕事を選べる美容師さんこそ、信念があって強いブランディングができている証拠だし、逆に、その撮影時間にあてるかわりにできる、その仕事こそが、その人にとって今、すごく大事な仕事だということだから、それを心から応援したいと思っています。
これは、自分自身の仕事の仕方にもつながっていて、私はフリーランスとして14年やってきて、一番大事なのは「仕事を断ること」「全部受けすぎないこと」だと思っているし、仕事の優先順位は出来る限り「私以外の人がやりたがらないこと」を基準に考えています。
一方で、今回、カットだけヘアカタログの撮影に関して、公募をしたところ、なんと北は北海道から、南は徳島、鹿児島まで、そして、全国各地だけじゃなくて、表参道界隈のサロンからも多数、「このヘアカタに出たい」という熱いメッセージをいただきました。
交通費もかかるのに、それでも、このヘアカタに出たいとか、このヘアカタをどれだけ毎日使っているかというようなお話まで書いて下さって、すごく嬉しい。
同時に、責任も感じます。
ヘアカタログにしかできないことなんて、今は、ほとんど無いと思っている。集客力でいうとネットのほうが大きいだろうし、1枚の写真に対するアクセスも、ヘアカタログよりもネットのほうが大きいだろうと思う。
それでも、ある程度の時間を費やしてヘアカタの現場でヘア提案をしてくださることに、魅力を感じてもらえることがあるとしたら、それは、
そのページを真剣に可愛くしようと思っているスタッフや、そのページを有料で買ってもらえるような価値あるものにしようと試行錯誤しているスタッフたちとの、コラボレーションだったり、意見交換だったりにあるんじゃないかなって思う。
これは、私がそう思っているだけじゃなくて、よく、サロンのオーナーさんたちに聞く言葉でもあります。「どうしてスタッフたちを費用対効果の悪いヘアカタの撮影現場に参加させるかというと、外からの刺激をもらって帰ってきてほしいから」と皆さん、おっしゃいます。
そして、遠くからでも、是非撮影に参加したいと言ってくださる美容師さんの多くもきっと、集客力とかよりも、現場での緊張感や、プロの仕事っぷりを肌で感じたいと思っていらっしゃるんじゃないかなと感じています。
(美容師さんにとって)ヘアカタログ現場での撮影をオワコンにしないためのヒントは、このあたりにあるように思います。
(読者にとって)ヘアカタログをオワコンにしないためにという目線は、また別のところにヒントがあると思っています。これはまた今度。
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