若手には超えなくてはいけないハードルが2つある?
今日、veticaのうっちー(内田聡一郎さん)と、武道館の感想の話になり(武道館の感想はこちら)、そこから、撮影の話になり、若手の人たちって、仕事をするときに2つのハードルが課せられているんじゃないかという話になった。
以下は、私がうっちーに伝えたことなんだけど、ここにも書き残しておこうかなと思います。
例えば、撮影があるとき。
巨匠は、いいデザインを作ろうとしている。
若手は、いいデザインを作ろうとしていることに加えて、そこで自分を認めてもらえるようなインパクトを出さなくてはいけないと考えている。なぜなら、そこで「自分らしさ」や「自分でなくてはいけない何か」をアピールできないと、次の仕事につながらないから。
それは、ハードルを2つ跳んでいるようなもので、既にポジションが確立されている巨匠が本件のみに集中すればいいのに比べて、大変なように見えるというようなことを話しました。
実際、若手が世の中に出て行こうとすると、口をぽかんとあけて、上から仕事が降ってくるのを待っているだけでは今のご時世ちょっと難しくて、
何らかの形で下克上をしないと(つまり、誰かよりもいい仕事をした結果、その人の代わりにそのポジションにおさまる)いけない。
そのためには、もらった仕事でいいデザインを作る(いい仕事をする)ことはもちろんなのだけれど、この人ともう一度仕事をしたいと思わせるような、何かプラスαで仕掛けをしていかなくてはいけなかったりする。
そういうことをしなくて良くなったときに、やりたいことがやりきれたり、デザインに集中できたりするのかもしれないなあというようなことをふわっと考えました。
私自身を振り返ってみても、年齢を重ねるごとに、「ページを作る」という仕事に集中できているように思います。「次号の仕事をもらうための仕事」ということを一切考えなくてよくなってから、純粋に「読者のために良いこと」「写真を素敵に活かす工夫」「わかりやすい原稿」に専念できるようになったように思います。
同時に、経験を重ねて、「ポジションをとる」ことから解放されると、怖いのは「もうアレは古い」とか「全然イケてない」というジャッジを自分で下さなきゃいけないことで、これがズレてくると誰も指摘してくれないという落とし穴は、ある。
久しぶりのブログ更新。うっちーと話をしていて思った「若手には超えなくてはいけないハードルが2つある?」って話でした。
んではまた。ぐっばい。
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