「教育」をテーマにした、父の本が出ます
ちょっと長くなるのですが、読んでもらえると嬉しいです。
実は、昨年の今頃、ある病気の可能性を指摘され、もしその病気が確定だったら長くても数年、と医師に言われ、何度も検査を繰り返していました。
検査結果を待っている間「生きているうちに、絶対やっておきたい」と思った事をノートに書き出しました。その、リストの一番最初に書いたのが父の本を出すこと、でした。
私の父は、学校の先生になった1年目、24歳のときに大病をし、 5年再発しなければ、と言われて教壇に戻りました。手術に向かうとき、子どもたちから届いた手紙を、ベッドの下にこっそりしのばせて 手術室に入ったそうです。
半年の入院を経て、知床半島の羅臼町に戻った時、 父の到着を待てずに、1つ前のバス停まで雪道を走ってきた子どもたちに涙し、 この子たちのために、いい教師になりたいと心に誓ったそうです。
学校での授業に力を入れるのはもちろんですが 父は、ソフトテニスの選手だったので、 それまでの貯金を持ってテニスラケットを50本買い、 クラスの子たちにテニスを教え始めました。 そのとき一緒にテニスを始めたクラスの子達が、 3年後、北海道チャンピオンになりました。
「死んだら、その後でいくらでも眠れると思った」という父の20代は、 学校漬け、テニス指導漬けだったそうです。
クラス全員が身を乗り出して手を挙げて発表する、 子ども達が目をキラキラさせて楽しそうに授業を受ける。父が子どもたちを「やる気にさせてしまう」方法は、いつも、魔法を見ているようでした。そんな父の授業が話題になって、研究授業では、何百人もの先生方が見学が押し寄せました。
また、ソフトテニスでは、「まず、実際の試合で使うボールのデータを集めてから、練習内容を決める」という、これまた斬新な練習方法で、体育が全然得意じゃない子たちも どんどん全国大会に出場しました。 コーチとして、今まで、16回の全国優勝に関わっています。
今は、教職を退職し、特別指導員として小学校で授業をしたり 学校の先生を目指す教育大学の学生さんを教えたり、ソフトテニスの強化チームのコーチとして全国を飛び回ったりしています。
最初は、自費出版でも出したい、と考えていたのですが、企画書を読んでくださった講談社の方が、すごく面白い内容だと思うから、是非うちで出版しましょうと言ってくださり(感涙)、今回の出版にいたりました。
父の本を出したいと思ったときは、 父の指導を直接受けた娘として、教え子として、この人が、あらゆる子どもたちをやる気にさせてしまう方法は、 いろんな人に伝えたほうが絶対にいいという、とても個人的な想いから、この本の編集をスタートしました。
でも、取材を進めるうちに、私の父であるとか、恩師であるとかいうことを抜きにして、本当に、凄いことをしてきた人なのだなあと、改めて驚きました。そんな素晴らしい先生の本に関われて、一人のライターとして、とても幸せだと感じます。
勉強したがる子が育つ「安藤学級」の教え方(講談社)
書きながら、何度も泣きました。ゲラが上がってきて、読んでいる最中も、何度も泣きました。
子どもが自らやる気になってしまう、やる気の引き出し方という骨子の本ですが、中身は「クラス経営本」でもあります。
例えば、第1章では、始業式の3時間に 何をすれば子どもとその親は1年間、この先生と頑張りたいと思ってくれるのか。これは、入社初日の新人さんにも、全く同じことができると思いました。
また、第3章の子どもの褒め方、叱り方、モチベーションのあげ方は、まさに、大人に対しても全く同じ! と思える、画期的な方法でした。
そうか、だから、私、こんなに頑張っちゃう子に育ったんだなって(笑)、今回、種あかしを見た想いでした。
↑父と母です。
私、自主的に、人生、頑張ってきたつもりでいたけれど、そうか、こんなふうに「自分で頑張っていると思いこむ」ように、ちゃんと、種を蒔かれていたんだなあって(笑)
4月24日、発売です。
「勉強したがる子が育つ安藤学級の教え方」(安藤英明・著)です。
子育て中のママやパパ、それから、スタッフ教育をまかされている美容師の皆さんにも、是非、読んでほしいです。
読んで損したと思ったら、私が買い取ります(笑)
というくらい、面白くて、ためになる本です。是非、お手にとってくださいませ。
amazonで、予約できます。 在庫の関係で、予約をしていただいたほうが、確実にお手元に届くと思います。まだ、発売前ですが、な、なんと、売り上げランキングが、書籍の総合で80位にランクインしています!!(な、何がおこっているのーーー?)
追伸:完全に書き忘れて、心配した友人からメールを貰ってしまいました。ごめんなさい。私のほうは、何度も検査をして、問題ないということがわかりました。今は、無理をせず、ゆるりと仕事をしております!
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