2018.01.07 Sun

音声入力での原稿執筆について

昨年末から音声入力での執筆を試しています。

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書籍を書くときはまだキーボードで入力していますが、インタビュー原稿などは、音声入力で執筆してみたりもしています。

 

音声での入力は、思ったほどストレスがなくて、漢字変換も自分のミスタッチとどっこいどっこいという感じで、その面は想像以上の精度です。

例えば、テープ起こしなどは、ヘッドフォンで音声をききながら英語のシャドウイングするみたいに発声して入力すれば、かなりの精度でリアルタイム変換できます。

ミス変換したところだけあとで修正すればいいので、テープ起こしにかかる時間は1/4程度になるのではないでしょうか。

 

あと、音声入力の良さは、なにより肩がこらない。腕が痛くならない。これは、私にとってはライター寿命を決めるのではないかと思うくらいの、かなり切迫した問題だったので、その点だけでもはやく音声入力に移行したいと思います。

 

 

どちらかというと、音声入力のハードルは、AI側の課題よりも、人間側の課題が大きいように思います。 キーボードを叩いているときと、言葉で話しているときの、脳の使い方の違い、でしょうか。

 

ブックライターの上阪徹さんはよく「話すように書くのがよい」とおっしゃるのですが、私はそれが昔からうまくできませんでした。私の場合、話すときと書くときは、どうやら、使っている脳の位置が違う気がするんですよね。

 

単に慣れの問題として解決するのか(勝間和代さんは毎日使い続ければ2週間で慣れるとおっしゃっていました)、それとも、音声入力にしたら文体が変わるのか。

これって、原稿用紙に文章を書いていたところから、ワープロで文章を書くようになったときの変化と、どちらが大きいのか。 そのあたりにとても興味があります。

音声入力で書かれる文章と、キーボードで書かれる文章の傾向について、研究論文などがあったら読みたいです。 ご存知の方がいらしたら、ご教授ください。

私自身も、音声入力にした場合の思考と文体の変化に関しては、もう少し使いながら検証していきたいと思います。

 

 

さらに、 誰もが音声入力で文章書くようになったときに、オフィスはどのように機能するのかにもとても興味があります。ノイズキャンセリングのヘットフォンをみんなつけるのでしょうか。ノマドのライターはどうすればいいのかな。 現在私は、外出先で音声入力の原稿を書く場合は、カラオケボックスの個室に入っています。となりからガンガン歌が流れてきても、十分自分の声だけ認識してくれます。

 

 

いずれにしても、私がライターとして活動している時代のうちに(というか、ここ4〜5年のうちに) 「キーボードをうつ(フリック入力も含めて)」という行為は限りなく少なくなると思います。

カメラマンさんの道具がフィルムのカメラからデジタルカメラになったように、原稿書く人間にとっても、音声入力は避けられない事態になるような気がしています。

OK,Googleが、思った以上に抵抗なく世の中に受け入れられていく様子を見ていてもそう感じます。

「昔は、キーボードってもんがあってね」と説明しなきゃいけなくなるような、そんな時代がきますよね、多分これ。

 

 

すでに音声入力を試して原稿書いているライターさんがいらっしゃいましたらぜひ意見交換させてください。

 

ここまでのブログは音声入力で書きました。

 

(追記)

「音声ソフトは何を使っていますか?」というお問い合わせを何人かからいただきました。

私はMacのデフォルトの音声入力を使っています。システム環境設定から音声入力と読み上げをクリックし、そこで拡張音声入力を使用をチェックします。

iPhoneの場合もデフォルトの音声入力を使っています。

 

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カテゴリ:Writing

2018.01.06 Sat

愛は映るのだ。『映画を撮りながら考えたこと』(是枝裕和)_028

誰かによって人生をがらっと変えられた経験があるとしたら、是枝さんです。私の人生はBK(Before Koreeda)とAK(After Koreeda)に二分されます。

 

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私が就職活動した年は、是枝さんがテレビマンユニオンの採用委員長で、是枝さんがそのときに伝えてくれた言葉の数々は、映像の世界の話ではあったけれども、原稿を書くときにも通じる話が多く、今でも仕事をするときの指針になっています。

 

・客観的事実というものは世の中に存在しないということ

・ものごとは常に、誰かの視点で見たものごとであるということ

・対象をどう見つめたいかという自分の視座を意識すること

・映像は「言語」である。文法を学ばなくては撮れないということ

 

そんなことを、是枝さんから学びました。

 

 

そんな是枝さんの、仕事への考え方が一冊に集約された本。

 

 

テレビマンユニオンを辞めてからの17年の間に、物理的な現場に立ちあって、いろいろ考えてたり、納得したりしてきたことの答え合わせを読むような気持ちで、2018年仕事はじめから、読みました。

 

 

 

本は付箋だらけになった。中も、書き込みだらけになりました。幸せな時間だった。ちなみに、本にそのとき考えたことを書き込みをするのも、是枝さんの影響です。大学生のときに是枝さんから借りた本が、書き込みだらけだったのを見て以来。

 

 

 

是枝さんが言っていた言葉で、ひとつ、今になってよくわかる言葉があります。

「よく学生に『どうして映画を(ドキュメンタリーを)撮るんですか?』って聞かれるんだけれど、あの質問にこたえるの、難しいよね。日々の自分の仕事で悩んだり考えたりしていることって、もっと細かくて実際的なことばかりだから」

 

私は、そういった質問をしている側の学生だったけれど、そういう本質的なことって実は、「もっと細かくて実際的なこと」を吟味して取捨選択する積み重ねの先にあるのだということが最近わかってきました。

 

この本のなかにも「テーマはディティールを詰めるなかで生まれる」といった一文があります。

 

まさに、ディティールをああでもないこうでもない、あれを捨ててこれを残して、としているときに、ふいに、本質が浮かび上がってくることがある。それは、とても楽しい作業です。ということがわかるようになるのに、うっかり17年もかかりました。

 

 

 

20代当時、私は、是枝さんが話している言葉を、日本語としては理解できていたけれど、その意味は解釈できていなかったように感じます。

それが、今回読んだこの本では、とてもスムーズに理解できたし、是枝さんの文章について脳内で議論することもできた。それはきっと、是枝さんがいうような、日々の細くて実際的なことに、いちいち取り組んだ17年があったからなのかもしれないと思いました。

 

 

 

フィクションとノンフィクションを行き来することに関しては、大学の卒論で研究して以来、ずっとライフテーマなのだけれど、曲りなりにも、昨年、ノンフィクションを1冊書かせていただいたことで、この関係性に対してすこし視界が広がったようにも思います。この本を読んで、さらに、いろいろ考えた。考えたこと自体を、今年は本にできたらいいなと思います。

 

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お金でも成功でもない 『夢の叶え方を知っていますか?』(森博嗣)
読み終わってから始まる物語 『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)
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カテゴリ:Reading

2018.01.05 Fri

引き金をひけ。『人を操る禁断の文章術』(メンタリストDaiGo)_027

昨年買って積ん読になっていたのを、読了。

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DaiGoさんの本を読むのは初です。

 

まえがきの最初のページに、「こんな人は読む必要がありません」というところに、すっぽりあてはまっていたので、私はこの本の読者対象じゃないんだろうなあと思いながら読み進めましたが、最後までよんで、やっぱり、読者対象じゃなかったです(笑)。

 

 

文章術といっても、私のような職業ライターのための本ではなくて、メールやLINEや企画書、それからPR文やキャッチフレーズをつけるときなどに使えるメソッドなので、企業に勤めていて、なんらかの文章を書かなきゃいけない人の入門書としてよいとおもいます。『伝え方が9割』が好きな人にも、よいかも。

 

ひとつ、心に残るフレーズがあって

「文章とは、読まれるために書くものではない。行動させるために書くものだ」という一文がありまして、ちょっと別件で「文章を読んだあとの態度変容」について考えていたので、メモしました。

 

 

(追記)↑moneyのスペル、間違っているというご指摘いただきました。うわーうわーっ。

 

この本ののちに、30万部を突破した『自分を操る超集中力』が、同じ版元(出版社)さんから出ているのですが(そして、おそらくそれがDaiGoさんの本の中で一番売れた本ではないかと思うのですが)、

こういうたくさんの書籍を出している方の、「一番売れる本」の企画って(しかも同じ担当さんでの何冊目かの場合はとくに)、どんなきかっけから生まれてくるのかなあとか、そんなことがとても気になりながらメタ読みしていました。

 

 

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カテゴリ:Reading

2017.12.30 Sat

寿命は自己責任か 『健康格差 あなたの寿命は社会が決める』(NHKスペシャル取材班)_021

どんなホラー小説よりも怖い、日本のリアルを読みました。

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NHKスペシャルで特集された「健康格差」が、一冊の書籍にまとめられたもの。

 

ぼんやりと感じていた「高齢化社会」や「子どもの貧困」や「労働格差」のリアルが、数字の比較でくっきりはっきり描かれてて、ダースベーダーの暗黒面より闇の深いな未来について思いを馳せた年末であります。

 

でも

 

「知っている」ということは強さにつながるし

「知らない」ということは弱さにつながるから

 

絶対知っておいたほうがいい話だったと思います。

とりあえず、我が家では、この本を読み出した4日前から、ベジファーストをはじめました。

 

 

 

 

データ分析が大好き人間なので、4章までのあらゆる健康に関するデータの話も興味津々だったのですが、個人的にとても面白かったのは、5章。

 

「寿命は自己責任か」という命題に対して、

・Nスペのスタジオでの議論そのもの と

・それをどう解釈したかのディレクターさんの視点 が

ここから突然交錯しはじめて、暴れている感じが、生々しい。

 

ノンフィクションを書き起こすときの葛藤と興奮が、この5章(と、おわりに)にぎゅっとつまっていて、ライターとしてもいろいろ考えさせられる一冊でした。

 

ところで、

この本は、プロモーションの仕方も特徴的で

この書籍の発行元である講談社現代新書と、7つのWEB媒体が協力し、1章ずつ全文公開したのが話題になりました。

 

『革命のファンファーレ』でも紹介されていた、「媒体先をバラしてウェブで全文公開する」というこの手法、どんな販促効果があったのか、今度詳しく聞いてみたいです。

 

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2万円のワンピが一番使えない 『クローゼットがはちきれそうなのに着る服がない!』(松尾たいこ)

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キャリアは感情優先で形成する 『突き抜ける人は感情で動く』(芦名佑介)

人は好きなことしか続けられない 『SNSで夢を叶える』(ゆうこす)

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2017.12.22 Fri

キャリアは感情優先で形成する 『突き抜ける人は感情で動く』(芦名佑介)_013

OCEAN TOKYOの中村トメ吉さんに芦名さんの名前を教えてもらって、予約していた本。

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芦名さん、元アメフトの日本代表キャプテンだし、マッチョな感じのビジネス書かと思いきや、いやマッチョではあるのだけれど、決して「倒れるまで働け」といった内容ではなく、自分の心が動くことに素直に従うのが一番パフォーマンスがよくなる、といった本で、タイトルは「感情で動く」なのだけれど、そのあたりはとても論理的に説明されている、とてもいい本でした。

 

そして、読みながら、いろいろ考えさせられた。

というのも、

この芦名さんの本に限らず
最近、読んだ本のほとんどに書かれていたことが
「好きだから頑張れる」「好きを仕事にしよう」
の一点に集約しているのは、時代だなあと感じるから。

 

例えば、このシリーズでいうと、
「SNSで夢を叶える」
「チームことだけ考えた」
「ど田舎生まれポケモンGOをつくる」
「革命のファンファーレ」
など。どれも今年出た書籍。

 

人間がやらなくてはいけない仕事が、どんどんAIに取って代わられる時代
感情を殺して行う仕事、いわゆる「感情労働」などは、真っ先になくなっていくだろうし
好きじゃない仕事につかなきゃならない理由はなくなっていくんだろうなあと、思う。

 

そんなことをつらつら考えながら読みました。

 

この本の中で、一番なるほど、と思ったのは「ほめて伸ばす」についての考察。

 

「ほめて伸ばす」の本質は、ほめると気持ちよくなって、本来の力が発揮できるということ。
ポイントは「本来の力」っていうところ。それ以上は期待するべきじゃない。

 

つまり、だいたいの人は、「本来の力」が発揮できていない
「本来の力」を発揮できない、なんらかの阻害要素を排除すれば、人は羽ばたいていくという考え方。

 

最近、いろんなところで聞くなあと思う。

 

時代のトレンドが、そう変わっていく、潮目のようなものなんだろうと思う。

 

読んでよかった。

 

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