2015.05.26 Tue

一番になる戦い方。記憶に残る戦い方。kakimoto arms vs GARDENのヘアバトルを観て

kakimoto arms vs GARDEN バトルヘアショーにお邪魔しました。セミナー終わりでダッシュで飛び込んだのですが、途中入場になってしまってすみません。

とてもとてもとても刺激を受けたショーでした。

 

多分、お気に入りのスタイルや、ショーの素晴らしさは、いろんなかたや業界誌の皆様がアップしてくださると思うので、私は、このショーを観て、思い出したことやショーの間じゅう考えていたことを書こうと思います。

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とても個人的な感想になります(このブログはいつでもそうなのですが)

突然ですが、私、読書をしていて感動したなと思う本ほど、内容を覚えていないってことがあります。どうしてかというと、私にとって感動的な本は、1ページ読むごとに、別の場所に思考を連れて行ってくれるもので。本を読みながらいろんなことを思いついてしまい、考えてしまうからなんです。

その本を読んで考えたことや思いついたことは明確に覚えているのに、肝心の書籍の内容を覚えていないってこと、よくあります。

 

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今日のこのバトルショーは、そういうショーでした。皆さんの髪を切る姿を見ながら、来し方、行くすえ、撮影のこと、美容業界のこと、自分のこと、仕事ってやつはということ、いろんなことを考えました。

途中入場だったショーを観ながら、書き留めたことをもとに。

 

MEMO:私、もう、現役ヘアライター、名乗っちゃダメだな

今回ショーを拝見して、一番に思ったことは、kakimoto armsさんも、GARDENさんも「ああ、こんなにいっぱいスタイリストさんがいるんだ」ってことでした。

恥ずかしながら、35人くらいしかお顔とお名前が一致しませんでした。私、もう現役のヘアライターって名乗れないなって反省しました。それくらい、名前を存じ上げないスタイリストさんがたくさんいらした。その中にはものすごいカットをされている人もいらっしゃいました。存じ上げないなんて、本当に情けない。

 

 

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事件は現場で起こっていて、私、ちょっと現場から離れすぎていたなあと思いました。会議室でばかり仕事しすぎてた。思い返せば、いま、私がお仕事をご一緒させていただいている人たちってサロンの中ではもうトップ中のトップの人たちばかりで、若い方々の作品って、チェックしきれていなかったなあって、そんなことを思いました。

調子にのってセミナーとかさせてもらってるばかりじゃ全然ダメだ、現場に関われないなら、この業界から引退したほうがいいな、おいら。って思いました。このへんは、自分でも近々整理をつけなきゃなと思っています。

 

 

 

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MEMO:一番になる戦い方、チームで戦う戦い方。キャラが立っているということ。

やっぱり、これだけ人数がいらっしゃると「一番になるための戦い方」をする人がいらっしゃるなあと思うんです。さすが、全国から精鋭が集まるサロンだなあと思います。

明らかに、「いまのベストを尽くそう」というのではなく、「これだけの人数の中で、自分の戦い方を記憶に残してもらおう」と考えてプランニングしている方がいらっしゃるなと感じました。

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どれだけ練習されたか、どれだけこの舞台をシミュレーションされたかは、舞台の上での動き方を拝見しているとわかります。髪を切るときだけではなく、お辞儀をなさるとき、スクリーンに自分の名前が映る瞬間にしている技術、髪を乾かす時、スタイリング剤をとるとき、あらゆるときに、そのシーンを明確にイメージされてきたかどうかがわかります。

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そして、そのシミュレーションを重ねていらした方は、これだけたっくさんの方がステージに立つということを前提に「勝負」をされているなあと感じました。つまり「いい髪を作ること」だけではなく、それに加えて「いい髪を作って、覚えてもらって、そして、次の仕事につなげる」ということまで考えているということです。

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キャリアに関係なく、そのことを想定して切られた方がいらしたことはとてもよくわかりました。それを拝見できたことに、私はとても感謝しています。

MEMO:初めての仕事を獲るのが一番難しい。

 

で、どうして感謝しているかというと、いま、まさに私、いい仕事をして覚えてもらって、そして、次の仕事につなげる、ということに挑戦しているからです。

 

1年前から、私、全然別分野の仕事にトライしています。名前もリセットし、一からキャリアをスタートさせようとしています。そこで感じるのは、自分がどれだけ「今までの仕事」に支えられて仕事をもらってきたかということです。

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美容業界ではある程度の年月仕事をしてきたので「あの人が企画を持ち込むなら、ちょっと時間をとってあげよう」と思っていただけます。

 

でも、別の業界では、私、40歳も目前なのにキャリアがないただのおばはんです。企画を持ち込む相手のほとんどが年下です。そんな中で、「次の」仕事を獲得するのって、本当に難しい。

 

仕事をいただいたときには最高のパフォーマンスをしますというのは、もう、当たり前の話で。それだけじゃなくて、お仕事いただいたときに、次の企画の売り込みもして、自分の得意分野もアピールして、それをしながら、自分が今いただいた仕事もベストパフォーマンスしなきゃいけない。

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新人って、本当にものすっごく難しいことを求められているなって感じます。身をもって、いま感じてます。でも、それを歯を食いしばってやっている人たちがいた、と思った。すごく勇気をもらいました。

みんな、一緒にがんばろー!

 

MEMO:チームで戦う、でも個人でも戦う。ぬるい仕事してる暇なんてない

で、

これは、ガーデンの幹部チームが髪を切っている間にメモしたこと。

俊にー、ゆりさん、NAOMIさん、しみちゃん、太郎ちゃん、新田さん。

全員の顔とスクリーンに映った言葉と、そして切った髪型と、今でも全部思い出せる。これが、やっぱり 先輩たちの「戦い方」だなって思いました。

 

 

スクリーンに名前のテロップがのった瞬間に、ばっさりと前髪を切った太郎ちゃん。私は、太郎ちゃんがあの瞬間にどれだけ勝負をかけたかが、わかる。太郎ちゃんは、そういうことを、前夜まで考え抜いて、でもって、リハが終わってからもより印象に残るカットの方法をちゃんと考え抜くタイプだと思ってる。

 

 

コメントが流れた瞬間、「新田さんっぽいね」って会場から声があがっていた新田さん。最後に「OK」とモデルさんに言ったときのしみちゃんの顔、めっちゃかっこよかったし。音声で自分の弱みを見せながらも全体を見回して自分の強みで勝負するゆりさん、カットの強さでデザインの力を見せつけてくれる俊にー、センターをつとめながら他のメンバーとは全く違う髪型を仕上げたNAOMIさん。で、今回裏方でメンバーを支えていたであろう西山さんを含めて。

 

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GARDENを築いてきた方たちの層の厚さを感じたし、チームで戦うGARDENらしいメリハリのついたステージだと思った。でも、そんな中でも1人1人のキャラがちゃんとたっていて、1人でも立てる、戦っている人たちがだから幹部として残っているから強いサロンなんだなって感じました。途中参加でしたが、拝見できたステージの中で一番面白かったです。

 

この方たちは、すごく厳しい時代に、日本の美容業界の激戦区を勝ち抜いてきた人たちで。でも、その勝ち抜き方は本当に人それぞれで。それがわかるから、すごくぐっときました。みんなそれぞれにオンリーワン。誰もが、代わりがいない戦い方をしている。

 

 

MEMO:うまいカットって圧力がない

千菜ちゃんと高橋智さんのカットを見ていると、すごく軽やかで、とても簡単に切っているように見えました。

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うまいカットってつるっと卵の皮をむいたときのように、すごく簡単に見えるときがある。もともと、その髪がその女の子の中に埋まっていたように見えるような。

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これって、すごいなあと思う。軽やかに切っているように見える、その地点に到達するまでに、どれだけのカットをしてきたんだろうな、そんなことを思った。

うまい人ほど、簡単そうに切るよね。軽やかに。

 

 

MEMO:ドーナツさん、お母さんみたい

私が座った席の隣りに、ライターのTOKYOドーナツさんがいらっしゃいました。GARDENさんの「凸凹」を執筆された方で、折に触れてGARDENを取材されている私の大先輩です。ときどき彼女の表情が視界に入ってきたのですが、なんか、もうね、娘息子を見守るお母さんみたいな顔してました。

 

で、幹部の人たちのカットを見てるときは、戦友みたいなかんじの顔をされてました。

 

やっぱり、伝説になるような集団って、必ずその姿を初期から見つめているウォッチャーの人がいます。「見つめ続けてくれている人」がいることって、それだけでもう本当に、素晴らしい財産なのですよね。なんか、ね、そういうことを思ったな。

kakimoto armsさんにもやはり、そういう方がいらっしゃる。柿本さんの書籍をご担当された編集さんの顔が、私の席からよく見えたのだけれど、やはり、ドーナツさんみたいな顔されてました。そういう人がいるのって、羨ましいなと思います。

MEMO:そしてNO.1であること

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小林さんのロングレイヤーは迫力ありました。あの長さを、あそこまでデザインする。めっちゃウルフにしたくなった。

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そして、圧巻だったのが、ラストを飾ったよしき(河野さん)のヘア。

よしきは、ずっと会場を見ながらカットをしていて、すごく遠視な人だなあと思った。遠視というのは、いま、ここで切っているモデルさんの毛先だけを見てるんじゃなくて、いろんな場所が見えている。

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いや、これはほんとに凄かった。スタイリング剤つけた瞬間、「うわー」って声が聞こえたよね。

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まさか、こうくるとは思わなかった。一番になる戦い方には2通りあって、ひとつはONLY ONEになる戦い方。そしてもうひとつはNO.1になる戦い方。よしきの戦い方は、20代の頃からずっと、NO.1になるための仕事だなあと思いました。さすがの一言です。

 

 

MEMO:不在の存在感

というわけで、ショーは楽しく終わったし、個人としても、戦い方の姿勢について学ぶ事多かった。のですが、何か物足りなさを感じたんです。

 

それって、アレだった。最後のほうで気づいたけれど

 

今回、川口ちゃんがいない、ってことだった。いま、絶賛育休中の川口ちゃん。

 

私は、川口ちゃんのヘアが見たかった。すごく。この状況なら、川口ちゃんだったらどんなモデルさんで、どんなカットで、そしてご自身はどんな服を着てステージに立つかなあと思ったりした。

不在なのに存在感があるってすごい。今日、最後にそれを思いながら、ヒカリエを後にしました。

川口ちゃん、復帰待ってます!

 

 

 

つらつら書いてきましたが、とても、トリップできたヘアショーでした。どんどん切られていく髪を見ながら、思考は渋谷を離れて、過去にも未来にも、いろんなところを飛んでいました。

人を新しい場所に連れて行ってくれる創作ってすごいですね。

帰り道、エレベーターの順番待ちをしながら「たくさんの美容学生がいたんだなあ」ということに気づきました。彼らには何が見えただろう。みんな、トリップしたかな。したよね、多分。

お誘いくださいました、kakimotoさん、GARDENの皆さん、ありがとうございました。

 

 

 

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