2015.02.11 Wed

あなたの会社のファンはどこにいる? 《さとなおリレー塾・第5回》

盆と正月が一緒にやってきたような、トラブル続きだった本日。やっと修正原稿アップしたので、さとなおリレー塾のレポートです! 盆も正月もやってきたので、もう、今年はトラブルないと信じてる。

 

さとなおリレー塾、今日は、アンバサダーマーケティングの日本の第一人者、Agile Media Networkの徳力基彦さんの回でした。

 

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まず、「アンバサダー」って言葉です。

 

これ、日本語で訳すと「大使」ってなるし、「タレントさんが企業の商品を宣伝する」ってイメージが強かったんだけれど。

 

徳力さんの今日のお話を一言で言うと

 

ファンの人たちの力を借りて、その商品やサービスの良さを伝えてもらおうね、ってことと

ファンの人たちと、商品やサービスを一緒に育てていこうね、って

ことだったと理解しました。

 

 

アンバサダーって、あれだよね。エンジェル投資家ならぬ、エンジェル・ファン 、だよね。企業を育て、企業を応援してくれる。そんな存在。

 

 

だいぶ前に、「PHOTO SHOOT LESSON2」成功する目的別フォトシュートレッスン (Photo shoot lesson) で、福岡のswitchさんのフォトシュートに関して「お客さまとスタッフが広告塔になる成功モデル」と紹介したことがあったんだけれど、switchさんが取り組んでいたことの早さに、周回遅れで、今夜、気づくさとゆみです。

 

 

ものすっごい情報量だったけれど、実は、何の先入観も免疫もない私には、すごくわかりやすかったし、全部すっと入ってきました。徳力さん、さすがブロガーなだけあって、言語が最適化されていて、一言も無駄がないし、(もし、テープ起こししたとしても)講演録が、そのまま活字になって大丈夫なすごい方だなあ、と感じた次第です。

 

徳力さんが解説を書かれているアンバサダーマーケティングはこちら。

 

アンバサダー・マーケティング
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でもむしろ、徳力さんが絶対読んでねっておっしゃっていたのは、こちら。

 

グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business School Press)
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では、アンバサダープログラム(マーケティングという言葉を使うと、誤解を生みやすいので、という徳力さんの解説)について、私の理解したことを、自分の整理のためにも書こうと思います。

広告素人なりの、本日の塾のレポートですが、いつも通り、誤解がありましたら、塾のみなさま、教えて下さい。

 

 

1)マス(従来型)マーケティングのAISASのピラミッドとアンバサダープログラムのAISASピラミッドは実は逆

★AISASと言われている構造はこちら

Attention(認知)→Interest(関心)→Search(検索)→Action(購入)→Share(情報共有)

→一般的に、これがネット時代の消費者の行動モデルだと言われているけれれど、でも、これって結局、Attentionが多ければ(いっぱい広告してたくさん知ってもらえれば)、Actionが増える(いっぱい買ってもらえる)ってイメージで、今までのマス広告の流れと変わらない。

 

★徳力さんが提唱するソージャルネットワークにおけるアンバサダープログラムは、この構造が逆

Share(情報共有)→Action(購入)→Search(検索)→Interest(関心)→Attention(認知)

→つまり、情報共有されるから、検索につながり、人が関心を持ち、知らない人にも認知される、という順番。

→そうなると、気になるのはShare(情報共有)の前には何があるかってことなんだけれど、そこにいるのがファンであり、アンバサダー(積極的発信をしてくれるファン)

 

 

※さとゆみ感想:逆転のピラミッドは、とてもわかりやすかった。認知から購入までどんどんふるいにかけられて、人が減っていくイメージからが今までのAISASだとしたら、逆AISASは、ファンが発信することによって、少しずつ興味を覚える人が増えていくイメージ。

 

 

2)ソーシャルメディアマーケティングという言葉には誤解が多い(から、嫌い)

★誤解1 ネットは5番目のマスメディアと言われる

→同時に1人、2人しか同じものを見ていないメディアは明らかに同時性のあるマスメディアとは違う

→しかし、双方向という点が、今までのメディアとは全く違うし、利点。

★誤解2 ネットの口コミは短時間で広がる

→mixtやFacebook、Twitterも、年単位の時間がかかっている

→「お祭り型」で短期間にピークがきて、盛り下がるのがマスメディア

→ソーシャルメディアは「ファン獲得型」。徐々に増える二次曲線を獲得できる可能性がある

★誤解3 口コミはお金で増やせる

→お金で増やせる口コミは、ただの(従来型)広告

→双方向のやりとりにならない点が弱点

★誤解4 ソーシャルメディアは炎上する

→炎上は、自然発生するものではなく、だいたい企業の発信に対する不信任

→ソーシャルやってなくても、炎上するときゃする

→ソーシャルメディアのネガティブコメントを「炎上」ととらえるか、宝の宝庫と捉えるかが分かれ道

★結論 ソーシャルメディアは「企業がメディアを持った」ではなく「ユーザーがメディアを持った」と考えるべき

→つまり、ソーシャルメディアは、「マスメディア」と捉えるのではなく、ユーザーの「リアクションメディア」と捉えるべき

 

 

3)マスができることとソーシャルができることって、長所と短所がまるっと逆

★ソーシャルの短所は、読み替えれば長所とも言える

→(マス)発信が制限できるのある程度コントロール可能 ⇄(ソーシャル)コントロールできない でも、本音が聞ける

→(マス)短期間で花火を上げられる⇄(ソーシャル) 同時性は期待できない でも、中長期に関われる

→(マス)口コミ同期性が高い・リアルタイム性が高い⇄(ソーシャル)口コミ非同期性が高い・NOTリアルタイム

 

※さとゆみ感想:確かに、ここが共有されていないから、打ち合わせが前に進まないことってよくあるし、とんちんかんな会話は、ここが噛み合ってないんだなあって、今日、よくわかった。

 

4)アンバサダープログラムとは

★インフルエンサーは(ファン度が低い人から高い人まで含み、影響力は大きい)

★アンバサダーは(影響力は低い人から高い人まで含み、ファン度は高い)

★受け身のファンではなく、積極的支援をしてくれる人がアンバサダー

→(注意)英語圏では、アンバサダーではなくアドボケーターと呼ばれることが多い

★マスの認知よりも、人の心がどう動くのか、に着目したプログラムである

★アンバサダープログラムは、他のメディアとの掛け合わせによって強くなるケースも多い

→ex.レブザCM 価格.comの評価は高かったが(おそらく男性ユーザー)、福山さんのCMで認知があがり(女性ユーザー)購買につながる

→ex.コカコーラパーク

→ex.DoveのスーパーボウルCM後のYoutube活用

→ただし、Facebookがインフラになっているアメリカとそうではない日本とでは、(費用対)効果の出方が全く違うので、注意が必要

※さとゆみ感想:日本ではFacebookはインフラとはいえず、Facebookに費用を大量にかけても回収できないおそれがあるというお話は、とても興味深かった。以前satisfaction guaranteedの佐藤さんが「日本ほど、地上波のテレビCMが国民の多くに届く国はない」「アジア各国ではCSチャンネルが多すぎてTVのCMがマスではない」「そのような地域では、Facebookこそがインフラ」といってらしたことを思い出した

 

 

 

5)アンバサダープログラムに一番重要なのは「傾聴」

★つまり、顧客の声を聞くことから全て始まる

→この場合の「聞く」は、ask(質問に答えてもらう)ではなく、listen(聞き耳をたてる、盗み聞きをする)に近い

→今まで企業は「顧客の声が聞きたい」と言ってきたはず。今なら、できるよ。

★傾聴の結果、インフルエンサーの特定や、クレーム・炎上の監視ができる

→ex.ソフトバンクのカスタマー対応Twitter

★アンバサダー選考で、顧客の声を聞くことができるように

ネスカフェアンバサダー プロジェクト。

→無料モニターと、アンバサダーの違いは「選ばれた感」があって、喜ばれるかどうか

→毎週2000件を超える投稿をしっかり「傾聴」している。

→ここから生まれたのが、出張デモサービス(本来、アポをとって「お願いして伺う」ことしかできなかった企業に、「請われて行く」ことが可能に)

 

※さとゆみ感想:本筋からずれるけれど、アンケート調査は設問の設定で回答に方向性が出てしまうという話が面白かった。総研さんとのビックデータ解析本を書き終わったばかりなので、とてもリアルに、それ、感じます。

 

 

 

 

6)アンバサダープログラム、傾聴の次は、会話(ファンに直接語りかける:さとなおさん用語でいう直接リーチ)

★会話(ファンに直接語りかける)の促し方その1 企業がファンに語りかける

→ex.スーパーボウル停電後のオレオの広告(ただし、このホームランには、日々の筋トレがあることを忘れずに)

★会話の促し方その2 社員がファンに語りかける

→社員が語りかけた方が、語りかけられた方は企業を「人の集合体」とみなし、好意的になりうる

→ex.Dellのサポートアカウントは個人の名前入り

JALのFacebookページ 日本の大企業で顔が見えるページの先駆け

→Microsoft2004年頃のスタッフビデオインタビュー

カエルパルコ ショップ店員さんのおすすめブログ。ブログのアクセスが伸びれば伸びるほど売り上げと比例する。(1PV=15円)

スウェーデンのTwitter公式アカウント 1週間ごとに国民(個人)が運営

★会話の促し方その3 メディアや利用者に語ってもらう(記者発表会やブロガーイベントなど)

→ex.コクヨ CamiApp もともとのアプリのファンを集め、レビューをしてもらう

→ex.フォード ブロガー100人に新車種の貸し出しをし、8万人の見込み客にリーチ。記者発表せずFacebookページでユーザーだけいに新車種の発表をしたり。

→サントリー 工場見学→すごいハイボールの作り方拡散→ハイボールナイト→小雪さんのCM→ハイボールブーム

→P&G スーパーボウルCMに登場したOld Spice ManのTwitter話しかけ フォロワーが多い人にじゃんじゃん語りかける

ワールドカップのCM後のHONDAのYouTubeアップ

 

※さとゆみ感想 もともとソーシャルメディアは、企業の広告の場ではない。ユーザーのコミュニケーションの場に企業が割り込んでいるという考え方をすると「特定個人=社員」が語りかけたほうがいいという話に納得です。それを意識するだけでも、ずいぶん、ソーシャルメディアの使い方変わると思う。

 

 

 

7)アンバサダープログラム、傾聴して会話したら、次は活性化(ファンを通じて語りかける:さとなおさん用語でいう関節リーチとオーガニックリーチ)。ポイントはファンを「可視化」して、世の中に知らしめること

★キャンペーンの可視化

→ex.ユニクロラッキーライン キャンペーンに行列する人々を可視化。それまで、「ユニクロを着ている」「キャンペーンに並ぶ」ことは人に知られなくないと思われがちだったけれど、ここで、どんどん行列に並んでいるファンが可視化された。

★口コミの可視化

→ex.X peria 50人のユーザーブログ ブログの記事をサイトにまとめる。無料貸し出しだったが、最後には購入してくれた人が結構いた。インフルエンサーよりも、ファンになりうる人を選抜。

→ex. WiMAXの口コミ集約サイト 公式サイトにリンクされるのは、嬉しいと感じる人がほとんど。

★ファンの可視化

→ex.ユニクロックのブログパーツ ユニクロはジャパンテクノロジーを発信したいというコンセプトもあり、衣料だけではなく、アパレル×テクノロジーの可能性を強化している。ブログパーツがかっこよかったので、多くのブロガーが取り入れた。隠れユニクロファンを可視化

→ex. GRのトラックバックコンテスト ブログの機能、トラックバックを使って、ブロガーたちが何のカメラを使って写真を撮っているかを可視化

→ex. ユニバーサルインターナショナル アンバサダー で、洋楽ファンの活性化。最近、#テイラーアンバサダーが、Twitterのトレンドワード入り。洋楽ファンを可視化。

→ex.ユニクロのUNIALOOKS ユニクロのコーディネートで応募するフォトコン。Facebookページのカバーになれる権利も。ユニクロファンを可視化

★行為の可視化

→ex.花王ヘルシア12週間チャレンジ ダイエット中のファンの行為を可視化

→ex.ケンタッキーチェックインアプリ チェックインしたらポイントがたまる。ファン認定証の発行も

 

 

 

8)アンバサダープログラム、傾聴して会話して活性化したら、支援して統合!

★製品サービスの会話を支援(フォーラムの解説やQAサイト)

→ex.ワコール スタスタ部 きついガードルをめげなく履き続けるための部活動コミュニティ

→ex.スキャンスナップ 士業の人たちのアンバサダー化により「自分の職業に合ったライフハックを知ることができる」

→ex.ロイヤルカナン 犬と猫の健康を考える勉強会 勉強した人ほど、ロイヤルカナンのフードに納得感が

→ex. Best Buyが、テレビCM広告をやめてオンラインサポート(Twitter)に費用をあてる(注意)もともとの「安売りせずにサポートを手厚くする」企業体質あってこそ)

★利用者のニーズをメディアを作って支援

→ex.花王のピカママコミュニティ 商品でサポートするのではなく、コミュニティメディアでサポート

→ex.NTT  Docomo タブレットアンバサダー 高齢者のタブレット利用シーンを紹介 高齢者の子ども世代に訴える

★利用者のニーズをツールで支援(最近のトレンド)

→ex.NIKEのランニングアプリ

→ex.オムロンタニタの健康促進アプリ

→ex.ストッパのトイレアプリ

★統合戦略・利用者をターゲットからパートナーへ

→ex.DELLのアイデア投稿サイト 2万件のアイデアのうち、500を製品化

→ex.マイスターバックスアイデア ファンとの「コ・クリエーション」の場

→ex.ファミマおむすび選手権

→ex.森永練乳アンバサダー マスを狙うのではなく、コアなファンと商品開発を

→ex.サゲリク 西友のTwitterでの「値下げしてほしい商品アンケート」

→ex.ペプシ リフレッシュプロジェクト (スーパーボウルのCM料金を、ソーシャルプログラムに寄付する試み。ただし、実際に広告効果があったかどうかに関しては?)

→ex.トヨタ アクアーソーシャルフェス 環境について考える社会活動を、ファンとともに。

 

 

 

9)アンバサダーマーケティングの効果測定

★まずマス的発想の従来の視聴率、販売部数という考え方からの脱却を

→逆ピラミッド構造の理解をクライアントに促す

→日本は、リサーチ費用、コミュニケーション(広報)費用が、アメリカの10分の1しかない。ここが少ないと、ソーシャルメディアマーケティングはちょっと難しい

★とはいえ、コンバージョン至上主義でもフォローできない

→コンバージョンにこだわると、その後のネガティブコメントを見落とすリスクが

★ブログの広告クリックとバナータイトルのクリックは階層が違うと考えたほうが良いのではという問題提起

→ブログの記事を読んだ後のクリックは、バナータイトルクリック後の次ページ遷移と同様の価値があるのでは

★ソーシャルメディアでの伝播を広告価格に落とすこともできなくはない

→とくに、最終購入(アクション)が、口コミに左右されやすい場合は、ソーシャルで広告換算が高くなる可能性も

 

 

全体を通した感想

★書き出してわかった、この情報量の多さ。でも、全然多く感じなかったし、一度も思考停止しなかったのは、やはり徳力さんの言葉選定にあると思う。早口でも、全部頭に入ってくるようなお話のされ方ってすごい。

 

★書き出しながら、事例にあがっていたサイトや動画をみていったのだけれど、改めて面白かったし、気づきがありました。

 

★さとなおさんの今日の帽子が可愛かったのですが、レストランだけじゃなくて、お洋服もじばらん情報書いてほしいです。

 

 

徳力さん、さとなおさん、ありがとうございました!

 

 

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