2017.10.28 Sat

35歳を超えたとき、捨てるべきもの、残すべきもの

突然ですが、私は40歳前後くらいのタイミングで、がくっときました。なにが、がくっときたかというと、体力とか気力とか、そういうものです。疲れがとれにくくなったし、集中して原稿を書ける時間が短くなってきたし、寝ないとてきめんに体にくるようになったし、30代のときのペースではとてもじゃないけれど働けない。

でも、私は書籍ライターとしてのデビューが38歳になってから、と、めちゃくちゃ遅いので、人一番働かないと、ひとかどの仕事はできないんじゃないかって、そんな焦りもあって。

 

私はものすごく楽観的な人間だし、自分の将来に1ミリの不安も抱いたことがなかったのだけれど、突然いろんなことが一気に心もとなくなってきました。それまで毎年1つずつ歳をとるのが楽しくてしかたなかったのに、誕生日が憂鬱になってきたのもこの頃。

 

このままで、私、70歳までライター続けていけるだろうか。そんなことを考えました。

 

 

そんな、言いようのない焦りを感じていたとき。今から1年半前のことですが、イラストレーターの松尾たいこさんと、さとなおさん(佐藤尚之さん)のトークイベントに出かけ、「遅咲きでも全然いい」「むしろ遅咲きだからいい」「無理をしないのがいい」「無理をしないからいい」といった、なんかちょっと涙ぐんじゃうようなメッセージをもらいました。

↑これがそのときの写真。2016年の2月。ちょうど私が40歳の誕生日を迎える数日前のことでした。

 

松尾たいこさんは、いまとなっては日本を代表するイラストレーターさんですが、広島でOLをしたあと、32歳でイラストの勉強をしたいと思って上京。デビューは35歳という、文字通り遅咲きのイラストレーターさんです。

 

ちいさいときから体が弱く、持病持ちで(なんと、その持病が一緒だったのも、私がすごく心強く感じたひとつの理由です)、何をやってもすぐ疲れてしまうので、大好きなイラストの仕事を一生続けていくために、いろんな工夫をされているとのことで、「あああああああ!!! もう、私がいま、知りたかったことがここにある!!!!」と叫びたかったくらいの時間でした。

 

 

そんな松尾さんの人生の工夫や、考え方の真髄が1冊にまとまっているのが、この「35歳からわたしが輝くために捨てるもの」(かんき出版)です。

 

 

松尾さんは、ずっと憧れの存在で、個展にいっては遠くからそっと眺めているだけで声もかけられなかったのですが、このさとなおさんのトークイベントでお目にかかれたり、松尾さんが「女の運命は髪で変わる」を読んでくださったりがきっかけで、この書籍の編集協力をさせていただくことになりました。

 

↑ご縁をくださったさとなおさん、ありがとうございます。

 

取材中は、もうとにかく楽しかったです。

30代よりも40代、40代よりも50代、どうすればより楽しい人生にしていけるのか。

そのためには、何を捨て、何を残していけばいいのか。

 

 

正直いって、この本の制作中に私自身が松尾さんから受けた影響ははかりしません。というか、松尾さんに出会えていなかったら、私の40代は悲惨になっていたかもしれない。

 

松尾さんが「捨てるべき」と教えてくれたもの、この1年間で、私もひとつずつ手ばなしていきました。

 

例えば

・長年抱えていたコンプレックス

・人見知りであるという自分へのレッテル

・たくさんの服、たくさんの本

・心をざわっとさせる存在

・過剰な情報収集

・都会での不規則な生活

・無理をして受けるスケジュールのきつい仕事

・・・・などなどなどなど。

 

 

一方で、

・年齢や肩書きで人を判断しないこと

・プロのいうことを素直に聞くこと

などは、歳をとってもずっと持ち続けたい「残すべき」こと。

松尾さんのお話は、とても明快ですっきりしていて、伺っていても本当に気持ちがよかったです。

 

 

 

この本を作っている過程で、私が受けた一番大きな影響は、「仕事をする環境」「自分が生きていく環境」に対して、捨てるもの、残すものを決めることができたことです。

 

私は今年の夏、表参道の賃貸マンションを引き払って引越しをしました。いまは、多摩川の川沿いに住んでいます。北海道から泊まりにきた母親が「北海道よりも虫の声がうるさい」というくらい自然豊かな場所で、三食自炊して、夜は早く寝て、日中に原稿を書くといった、まっとうな生活を始めました。

 

 

自分でも驚くほど、心も体も安定して、それまでずっと飲み続けていた、いろんな薬がいらなくなったほどです。(花粉だけはひどくなりましたw)

30代までは無理やり走らせていた自分の体が、実は結構疲れていたことに気付けたのも、松尾さんのおかげです。

 

↑打ち上げにて 松尾さんとマネージャーの大西さん、編集の谷内さんと。松尾さん、いつもおしゃれで素敵なんです!

 

歳をとることに漠然とした不安を抱いていたり、なんだかこれからの人生はずっと下り坂なんじゃないかとうすら暗い気持ちになっている女性に、ぜひ読んでもらいたい本です。

私の心と体が救われたように、まだまだこれから、というか、これからこそ楽しい人生が待っている! と思う1冊だと思います。

私は本当に、本当に、出会えてよかったです。

 

35歳からわたしが輝くために捨てるもの

松尾たいこ
かんき出版

 

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そして、このときのお仕事がきっかけで、松尾さんに表紙をいただいたのが、「道を継ぐ」です。先日、3刷になりました。これも松尾さんの素敵な表紙のおかげです。ありがとうございます。

 

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カテゴリ:Reading

2017.08.22 Tue

できるだけ速く書かないようにしている理由

スイスに、ヨハネス・イッテンという画家でもあり、教育者でもあった人がいます。

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ある日彼は、学生たちに、磔にされたキリストとマグダラのマリアの絵を模写しなさいという課題を与えるのだけれど、すぐに絵筆をとった学生たちに対して

「模写を始める前に、やることがあるでしょう。まずこの絵を見て、涙を流して、とても模写などできない、というのでなければ、芸術家とはいえない」

と、言うんですよね。

私は芸術家ではないけれど、最近、できるだけ速く書かないようにしてるのは、こんなことを、考えているから。

 

 
私から「原稿を書くスピード」をとったら何が残るだろうと思いながらも、最近は、できるだけ時間をかけてゆっくり書くことにチャレンジしています。


カテゴリ:Writing

2017.08.20 Sun

19歳のときにかけられた、呪い、もしくは、救い。

大学時代、児童相談所にくる小学生や中学生の話し相手になるバイトをしたことがあります。
東京都が定める講義を聞いて、採用試験を受けても依頼されるまでにいくつもハードルのあるバイトで、私以外の大学生は、ほぼ全員、心理学科の学生さんだった。
私は墨田区の児童相談所に通っていたんだけれど、私の大学時代は、地下鉄サリン事件があった頃で、児童相談所には信者のお子さんが何人もいたように記憶しています。

児童相談所で子どもたちに接するときは、専門のカウンセラーさんの指導の元で、接していました。大抵は、精神科医や心療内科医を引退した先生が多かった。
で、私、その児童相談所で、ある元精神科医のおじいちゃん先生に、とても熱心にスカウトされたんですよね。
「今からでも遅くないから、国文科をやめて医学部か心理学部に入り直して、精神科医かカウンセラーになったほうがいい」って。

 

その先生は、こんなことを言っていました。

 

「ほとんどの人間は、心に小さな風船を抱えて生きているんです。だいたいの人は、その風船を一生つつかれないまま死んでいくので、心を病むことはないんだけれど、ときどき、その風船に触れられてしまった人は、心の病気になっていくんですよね。
でもごくごくまれに、風船を持たないまま、大人になる人がいるんです。あなたは、私が今までに数人しか出会ったことのない、そのタイプです。どこをどうつつかれても、一生心を病まない人なんです。
これって、オリンピック選手やプロの音楽家と同じように、特殊な才能なんですよ。今からでもいいので、心の病を扱う仕事につきませんか?」

そのときは、ふーん、そんなものなのかなあ。なんだか占いみたいな話だなあと思ったし、まあ普通に国文科を卒業してテレビの仕事に就いたんだけれど、その時、その先生に言われた言葉が、40歳を超える今でも、私の人生に影響を与えていることに、最近気づいた、んですよね。

 

「私は、ぜったいに病まないタイプらしい」と、潜在意識の中で、信じ続けていたなあ、と。

 

今年の下半期は、「心」や「病気」や「生死」を扱う書籍ばかり、担当しています。

 

 

死を扱う書籍のときは、納品するまでに、大切な人を失う瞬間を何度も何度も体験して、その都度泣いて落ちて、夢にまで見て、を繰り返します。

 

そういえば、鈴木三枝子さんの『道を継ぐ』を書いたときも、編集さんと構成の話をする以外、誰とも会話ができない日が何日も続いたりしました。

 

こういう書き方が正統派なのか、どうなのか、わからない。他の人はどうやって書いてるのかも知らない(今度聞いてみよう)。
でも、自分は今のところこういう書き方しかできないし、こういう書き方をしているときに心の支えになっているのは「君は一生心を病まないタイプ」というおじいちゃん先生の言葉だったり、する。ってことを、今日、ふと思い出しました。
救いのようでもあるし、呪いのようでもある。

 

そんなおじいちゃん先生の言葉を、一度書いておこうと思いました。

 

 

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カテゴリ:Thinking

2017.06.28 Wed

人の成長は、教育をする人で決まる。『教え子が成長するリーダーは何をしているのか』

私が22歳のとき、生まれて初めて書いた企画書は、「夏まゆみ先生が教える子役の育て方」という企画書でした。当時私はテレビの制作会社にいたのですが、社会人になって初めて「この人に取材したい」と思ったのが、夏まゆみ先生だったのです。

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私が人生で、もっとも熱心に観た番組は後にも先にも『ASAYAN』でした。

 

私が観ていた時代の『ASAYAN』は、モーニング娘。がデビューできるかどうかを毎週ドキュメントしていたころ。

そして、そのモーニング娘。に振り付け指導をしていたのが、夏まゆみ先生。

 

テレビで切り取られる夏先生のスパルタぶりは、一見、スポ根物語に見えたかもしれないけれど、私は、どちらかというと、とてもロジカルだと思ったし、ゴール設定がよく見えるし、「ああそうだよな、こういう人に教われば、たとえ生徒がダイヤの原石じゃなかったとしても、ダイヤばりに輝けるんだよなあ」と思いながら、その指導法を食い入って観ていました。

 

振付師という肩書きだけれど、踊りかたを教えているというよりは、踊りかたを通じて「生き方」や「生き残り方」、つまり、オンリーワンになる方法を教えているような方だなあと感じたのを覚えています。

 

そして「この人が、子どもや会社員の教育をするとしたら、どんな教育をされるのだろう」と思って書いたのが、22歳のときに書いた企画書の原点でした。

 

私が夏先生の指導に惹かれた理由は、

まずその教育が行き当たりばったりではなく、何かのルールに沿って行われているように見えたこと(だから、他の人にも応用可能だと思った)

 

そしてなにより「エリートをよりエリートにする指導、ではなく、普通の子をエリートにする指導法」だと思ったこと

 

です。

 

私、世の中の教育には、2つあると思うんです。
・すでに花開いている素晴らしい才能を極限まで美しく咲かせる教育

・才能なんかあるんだかないんだかわからない人の力量をその人の限界まで伸ばす教育
と。

 

言い換えれば
・センスや身体能力の高い人の才能を世界的レベルまで押し上げる教育

・普通の人をセンスや身体能力の高い人と戦えるレベルまで押し上げる教育
と。

 

もっとわかりやすく言えば
・BクラスやCクラスの人をAAクラスにする教育じゃなくて
・Zクラスの人をBクラスやAクラスくらいまで押し上げる教育
の違い。

 

で、私は自分に才能がないタイプなので、圧倒的に後者を提供してくれる指導者に惹かれるわけです。

 

 

たとえば、うちの父がそうでした。

私の父は、ジュニアのソフトテニス指導者として秀でた人で、北海道の田舎の60キロある肥満の小学生や、100メートル走20秒もかかる運動オンチの中学生(私のことです)を、2〜3年で全国優勝できるくらいまでに仕上げてしまう人でした。

1年の3分の1は雪でテニスコートが使えない北海道の片田舎の初心者の小学生や中学生を、次々全国優勝させていく様子を小さいころから見ていたので(たしか教え子の全国優勝回数は16回だったと思う)

人の能力って(スポーツみたいな身体能力が必要な分野でさえ)、指導者次第なんだなあということを、私は残酷すぎるほど「事実」として捉えていました。

 

「人の成長は、教育をする人で決まる」

 

幼いころから、そう思っていたので、夏先生の指導をテレビで見たとき、(めっちゃ僭越なのですが)「あ、すごい指導者の人って、やっぱり、どんなレベルの人の力も限界まで引き出せるんだー。みんな同じなんだなー」って思ったんですよね。

 

 

だって、アイドルって、基本的には顔やスタイルといった見た目を重視して集められてきているわけですよね。

ダンスが下手な子もいるし、ぶっちゃけオンチな子もいるし、頭の悪い子もいるし、家庭環境が複雑な子も、メンタルが弱い子もいる。
ハーバードの生徒を教えるのとは、わけが違うわけなんですよ。

 

でも、そういう子たちが、夏先生の手にかかると、みんな「一流」になっていく。

 

生まれつき才能がある子じゃなくても、夏先生に教えられることでどんどん成長していって、気づけば夏先生に教えられていない生まれつき才能のある子と同じステージに並んじゃったりするわけで。これって、ほんと教育者の一番すごいレベルの話だと思うのです。

そして、ここが大事なんだけど、その教育法(つまり、普通の人を一流に育てること)が、世の中の多くの人が一番知りたい教育法だと思うんです。

 

 

私がテレビ制作会社に就職して最初に出したその夏先生の企画(「夏まゆみ先生が教える子役の育て方」)は「『ASAYAN』のパクリかよ」「新人なんだから、もっとオリジナリティのある企画を考えろ」「お前みたいな自分の頭で企画を考えられないやつが入社してくるような会社になったのが情けない」と、もう、ボロクソに言われたわけですが、

 

今だったら、言える。というか、説明できる。

 

違うよ、パクリじゃねーよ。
夏先生の普遍的な教育論を、番組にしたいと言ったんだよ。あの指導法は、ダンスだけじゃなくて子育てにも、会社での社員教育にも、絶対応用可能なんだってば!!!!!

 

(でも、22歳のときは、それがうまく言語化できなかったんだ。悔しいことに!)

 

 

そして、ここからが本題ですが、(おい、長ーよって思った方、もうすぐ終わるので、もうちょっと読んで)

 

そう

 

やっと!!!! やっと!!!!!!!!!!
出たよ、出ましたよ。
夏先生の教育論!

『教え子が成長するリーダーは何をしているのか』

 

思わずamazonで予約購入しちゃったよ、そして、一気に読んだよーーー!!

そして思った!私が読みたかった本は、これだったんだよーーーーーって。

 

発売後即購入していた、夏先生初のビジネス書、『エースと呼ばれる人は何をしているのか』もよかったんだけど、私が読みたかったのは断然こっち!! 自分の育てかたじゃなくて、人の育てかた!!

 

才能なんかあるんだかないんだかわからない人の力量をその人の限界まで伸ばすこと
普通の人をセンスや身体能力の高い人と戦えるレベルまで押し上げること
Zクラスの人をBクラスやAクラスくらいまで押し上げること。

 

 

この本、その方法が、かーなーりー具体的に、そしてあるところは抽象的に(こっちのほうが実は大事)書かれています。

・褒めて伸ばすべきか、叱って伸ばすべきか

・叱るべきタイミングの見極めかた

・一人のとき、大勢のときの声の掛け方の違い

 

などなど、

夏先生ならではの、一人一人の個性を伸ばしながら、全体をレベルアップしていく方法。
これって、「人そのもの」を育てなくてはいけない、美容業界の教育に、すごくあってると思います。

 

久しぶりに、心のそこから美容師のみなさんに全力でおすすめしたい本です。

 

後輩が一人でもできたら読んでほしい。

シャンプーを教えなきゃいけない立場になったら読んでほしい!

店長になったら読んでほしい!

オーナーさんにはもう絶対絶対読んでほしい

 

とくに81ページと122ページが私は好きでした。

 

『教え子が成長するリーダーは何をしているのか』
もし読んだ美容師さんがいらしたら、教育に関してめっちゃ語りましょーーーねーーーー!

 

あと、メーカーさん、ディーラーさん、どこかで夏先生の美容師さん向けの講演、企画してほしいですー。

美容業界の教育にとって、宝の山みたいな話が、ざっくざっく聞けると思います。そのときは、私、絶対に聞きに行く!!!!

 

というわけで、さとゆみでした。

 

追伸:あ、ちなみに、教える側に一流の教え方があるように、教えられる側にも教えられ上手になる技術があると思っています。が、この話は、また今度。

 

教え子が成長するリーダーは何をしているのか
エースと呼ばれる人は何をしているのか
夏 まゆみ
サンマーク出版

カテゴリ:Reading

2017.06.18 Sun

速く書くコツと、速く書けばいいってもんじゃない問題 #ライター交流会

昨日は #ライター交流会に登壇させていただきました。

お誘いくださったノオトの宮脇さん、田島さん、ご一緒させていただいた石黒さん、ありがとうございました。

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私もライターになりたてのころは、ライターの先輩の話がすごく勉強になったので、裏表なく赤裸々に語りましたが「真似できる気がしなかった」「人間じゃないと思った」などの感想をいただいたので、あれ? そんなに再現性のない話をしちゃったかなあと反省しております。

私自身、初めて考えたことも多くて勉強になったので、備忘録を兼ねて、昨日お話させていただいた「速く書くコツ」についてまとめておこうと思います。

あと、昨日はうまく説明できなかったり、お伝えできなかったことも、改めて書いておこうと思います。(ライター交流会でお答えできなかったことで、あとで質問いただいたことは赤字にしました)

●だいたいの執筆速度
・3〜4万字程度の実用書なら3日(×7〜8時間)くらい 8万字くらいのビジネス書なら7日(×5〜7時間)くらい
・ウェブ原稿は、1500字くらいのものなら30〜40分くらい、3000字くらいのものなら、1時間半くらい
・ライブイベントレポートや、セミナーレポートなどは、終了後1時間半以内に納品、2時間以内にアップのペース

 

●スケジュール関連
・打ち合わせや取材などの外仕事はできるだけまとめ、予定のない日(執筆にあてる日)を週に2日くらいは確保する
→打ち合わせや取材日は平均5〜7件のアポをかためる
→そのために、スケジュールはまず相手に希望日を聞き、こちらが選ぶ
→電話は取材と原稿やデザインの込み入ったやりとり以外は、基本使わない。

・執筆にどれくらいの時間がかかるか、普段からログをとっておく
→書籍の場合は、30分おきにタイマーをかけて1時間で何文字書けるか把握しておく
→それにあわせて、締切日から逆算してスケジュールをブロックする
→書籍以外は、1本にどれくらい時間がかかったかを記録しておく

 

↑これはある書籍の執筆ログ。7万字を35.5時間で書いたことがわかる。(このときは、1時間あたり2000字弱。時間がかかったタイプの書籍)

 

・やる気を出すために、締め切りから逆算してギリギリに書き始める
→よいこは真似しないでください
→なので、速く書くけど、早くは書いてないよー

 

・メールや資料は一元管理
→SNSできた依頼も、全てメールにしてもらう
→1プロジェクト1フォルダで、メールを振り分け、管理している
→紙モノの資料は、プロジェクトごとに、封筒(資料が多いときはダンボール)を分けて全部そこに入れている。いつ入院しても、いつ死んでも、次のライターさんに引き継げるように整理されています

・流れる企画もそれなりにあるので、少し多めに仕事を入れる。
→流れる以上に、書籍の企画は、平気で数ヶ月遅れる。取材終了日が予定から数ヶ月遅れるのはザラ。だから、何月にこれを書くみたいなことは、厳密には決めていない。

 

●事前準備
・ご依頼元のレギュレーションや、ご希望を確認しておく
→雑誌の漢字の閉じ開きや、雑誌、サイトのトンマナを一覧化しておく
→雑誌時代は、雑誌でよく使われる形容詞一覧を作って分類して、それをカンペにして書いていた

・納品物のイメージにできるだけズレがないように編集さんと何度も話し合う
→書籍の場合は、著者さんの著作だけではなく、編集さんのこれまでの書籍も読んでおく
→イメージする方向性を共有するために、「棚デート」(書店に一緒にいってベンチマークする書籍をチェック)することもある
→ウェブのインタビュー取材など(数千字)では、インタビューが終わったあとに、駅まで歩く間にざっくりとした構成の相談をする。(この話を核にしたい、あの話は落としますよね? みたいな)

・構成は、テープ起こしを元に、必要要素を200〜300程度書き出して付箋に印刷、同じカテゴリーのものを集めて分類し、目次案を作る
→ウェブなどの取材など(数千字)でも、この構成案を作ってから書く(だいたい10要素くらい、付箋に書き出し、並べる順を決めてから書く)

 

●書いている間
・私の場合は、睡魔が一番の敵なので、眠らない場所を探し求めて書いている
→新幹線の中、飲み屋で、お風呂の中で。(友人と旅行に行った時などは、飲み会に参加しながら書いていることもあります)
→可能な場合は、出版社さんの会議室などをお借りして、集中して数日書かせていただくことも

・中断するときは、キリの「悪い」ところで中断する
→たとえば、一文の途中などでやめておけば、次に再開するときにすぐ書き始められるから

 

●書き終わったら
・誤字脱字は、プリントアウトする、縦書きにして読む、スマホで確認するでチェックする
→スマホ画面でチェックすると、誤字脱字に気付きやすい

・原稿から漏れてしまったエピソードは箇条書きで一覧にして、それも一緒に編集さんに渡す
→あとで復活する可能性があるので

 

●その他

・とはいえ、毎日取材+書くことに追われていると、新しい企画が進行しないので、定期的に企画を持ち込むようにしている
→企画書が書き上がる前にアポをとって、自分締め切りを作ります

・原稿のギャラ交渉はしない
→書籍は印税でもらう、ということだけを決めていて、割合は交渉しません。ただし、執筆に入る前に、条件面はフィックスしていただきます
→いい編集さんは、ギャラ面でもライターに無理をさせたりしないので、基本、お値段は編集さんにお任せしています

→ギャランティに関しては、質問をたくさんされたのですが、過去こんな記事を書いているので、よろしければご参考までに。

その仕事のギャラはいくらなのか
→講演は誰から依頼されてもお値段一律(ギャラ交渉する時間がもったいないので)。値切られる場合はお断りし、高かったら下げてもらう

・集中力のキープの仕方は、私が知りたい
→とにかくいつでもダルいし、眠いので、集中するための何かいい方法があったら、教えてもらいたいです
→私の場合は、いまのところ、寝られない場所に行く、という方法で乗り切っています
→ライター交流会に参加していた夫が、同じグループのライターさんに「あの人、ほんといっつも寝てるんですよ」と言っていたらしいですが、本当です。毎日2時間午睡(シエスタ)をとっています。
→締め切りだけが原稿を書くモチベーションなので、締め切りがない原稿は、一生書けないと思う

 

●最後に
今回は速く書くコツというテーマだったので、それについてお話しさせていただきましたが、実は、いま私がトライしているのは「速く書かないようにする」「考えながら書く」「読みにくい部分を原稿につくる(すらすら読めない原稿を書く)」ことだったりします。
速く書けるのは才能のひとつだけれど、それは解像度が低いからとも言えると先輩のライターさんに指摘されたからです。

私の書く文章は、読みやすすぎる、とよく言われます。

それはひとつの特徴なのですが、いまは、できるだけひっかかりのある文章を書こうと意識していて、物理的な執筆速度も落とすようにしています。
なので、来年以降は、執筆の本数を7割くらいまでに減らそうと思っております。

それについてはまた、いつか書こうと思います。

(この文章は2816文字、48分で書きました)

 

 

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